[Poison]

Mardi Gras

『恋愛候補生』

【Part 2】

Mardi Gras期間中市内のホテルは予約で一杯になるので、旅行は一年前から計画する必要があります。そもそも、夏蒸し暑いNew Orleansは冬が観光シーズンで、宿泊料も冬に高くなります。Mardi Gras期間中は更に高くなります。

ただ、私見を云わせて頂くと、アメリカ人がなぜこうもMardi Grasに熱狂するのか、理由が分りません。農耕用トラクターに引かれた巨大な山車は、日本の高山祭りのように美しくもなく、ねぷたのように圧倒的でもありません。私の感覚から云わせれば相当ダサいものです。私も一応皆に合わせてビーズのネックレスを集めましたが、実際はビーズに何の価値も見出せず、こんなものに熱を上げるのは馬鹿馬鹿しいことだと思いました。「富士登山と同じくMardi Grasは一度でいい」というのが、率直な感想です。

ルイジアナ州はナポレオンによってアメリカに売却されるまでフランスが統治していました。フランス系の移民も多く、フランス語は公用語でした。この映画ではレストランのウェイターがChristine Carereとフランス語でやりとりしますが、これはさして珍しいことではないようです。他の映画にはフランス語ペラペラの黒人が登場したりします。このレストランでPat Booneが注文するのは、ハンバーガー。垢抜けないアメリカ軍人らしいオーダーです。

Pat Booneが歌う「アイル・リメンバー・トゥナイト」にChristine Carereも加わって、数節を歌います。彼女は"strangers"(他人)をフランス語風に「ストランジャーズ」と発音し、Pat Booneもそれを真似て歌って彼女を喜ばせます。サウンド・トラックでしか解らないユーモアです。

同室の四人で歌い踊る'What Stonewall Jackson Said'というナンバーで"Yes, sirree."(イエス・サーリー)という文句が出て来ますが、これは「そうですとも」という風に強めて云う言葉で、ふざけた言葉ではありません。"Yes, sirree Bob."とも使われますが、何故"Bob"なのかは不明。

バーボン・ストリートはJazz酒場の通りとして有名ですが、実はストリップ酒場も沢山あります。この映画の同室三人組もその一つに入ります。彼等はここでガール・フレンドを掴まえるのですが、ストリッパーはともかく、後の二人は客です。Christine Carereの女性マネージャーは一人で入って来ます。女性一人でストリップ酒場にやって来るというのは、相当考えにくいことです。ボーイ・ハントに酒場には入ることはあるでしょうが、ストリップ酒場とはねえ。

(August 30 & September 10, 2002)





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