[Poison] Double Jeopardy
『ダブル・ジョパディー』

【Part 2】

映画館で観た時はジェットコースターに乗ったように「あれよ、あれよ」という展開だったので気が付きませんでしたが、ヨット内にふんだんに残された血は誰のものだったのか?動物の血などは、すぐ鑑識にバレるでしょう。人間?誰を殺して得た血液か?浮浪者であれ、何であれ、誰かを殺さないとあれだけの血液は得られません。しかも、Nickと同じ血液型でなければならない。いちいち「あんたの血液型は、なに?」と聞いて廻り、同じ型の浮浪者を殺したのだろうか?そんなことをすれば目立ってしまい、事件後、すぐ通報があるでしょう。もっと悲惨なことに、アメリカ人は血液型に非常に無関心です。当家のカミさんはじめ、大抵の人間は自分の血液型を知りません。「あんたの血液型は?」と聞かれても、答えようがないのが普通です。つまり、あの大量の血液の入手法の説明がなされない以上、この物語は成立しないのです。

「無実だ!」と叫んでいた時は刑務所内の労働だけでしたが、罪を認め社会に貢献したいと態度を変えると、警備もつかずに市内の保護観察寮で生活し、結構行動も自由に出来るように描かれています。これだと、楽に脱走出来そうです。本当なんでしょうかねえ。

その寮の保護司がTommy Lee Jones(トミー・リー・ジョーンズ)。目の下が垂れ下がり、ヤクザっぽいもみあげが似合わず、もう彼にはアクションものが相応しくないと告げています。しかし、フェリー・ボートから転落した車に手錠で繋いだLibbyを助けるシーンは素晴らしい。第一の山場です。水面へ浮上する二人の背後に、乗用車がゆっくりと沈んで行くカットがよく撮れています。この時、LibbyがTommy Lee Jonesのピストルを攫います。これが後々活きて来ます。

ホテルのフロントで立ち聞きした部屋番号と宿泊者名で、ツケで買い物します。チョコレートぐらいであればともかく、パーティ用ドレスです。IDも無しで売ってくれるとは思えません。

前に劇場で観た記憶では、夫のNickがニューオーリンズのお墓を指定したと思っていました。実は彼女の方が指定したんですね。「観光客が多いから目立たない」という理由ですが、でもごった返すような混雑ではありません。逆手に取られて、彼女が危機に陥ります。

ニューオーリンズのお墓ツァーはいくつかコースがありますが、『地球の歩き方〜アメリカ南部』によれば、一番ポピュラーなコースは「セント・ルイス墓地No.1」(最古の墓地)のようです。次が「ラファイエット墓地No.1」。この映画で使われたのは「ラファイエット墓地No.3」です。

(April 05, 2001)





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