[Poison]

Autobiography of Miss Jane Pittman

(未)

【Part 2】

結局、110歳の誕生日に「一緒に来てくれ」と頼んだ青年Jimmyは、「裁判所前の白人専用水飲み場で水を呑む」という作戦を強行したため、白人に殺されてしまいます。可愛がっていたJimmyの死に憤激したJane Pittmanは、荘園主が「行くな、行くんなら家から追い出すぞ」と脅すのに耳を貸さず、小型トラックの荷台に乗せて貰って裁判所に行きます。介添えの手を振り払い、30mぐらいの歩道を一人よろよろと杖を頼りに歩きます。シェリフや保安官補たちが行く手を塞いでいますが、110歳の老女の迫力に負けて手出し出来ません。Jane Pittmanは「白人専用」の水飲み場でゆっくりと水を飲み、当然のことのように脇目も振らずに戻って来ます。感動的なシーンです。

ほかに、フリーダムライダーたちのバスが炎上しているシーンや、キング牧師についての話なども出て来ます。南北戦争から公民権運動までの100年というのは、原作者のアイデアの勝利です。リンカーンが約束したこと(平等)は100年経っても実現しなかったからです。その100年を生き抜いた人物を創造した点に拍手を送りたいと思います。それは、このTV映画が作成された1974年は南北戦争終了の109年後でしたから、まだそういう110歳の人物がいてもおかしくなかったわけです。21世紀に入ってしまっては、さすがにもう無理ですが。

(June 04, 2003)





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