[Poison]

Hard Times

『ストリートファイター』

【Part 2】

Charles Bronsonがニューオーリンズの安宿に泊まった時、シーリング・ファン(天井でゆったり回るファン)が動かないので、手で回して弾みをつけます。日本ではちょっと気取ったバーやレストランにしか無いと思われますので、説明をしておきます。

普通、シーリング・ファンは照明とセットになっていて、二本の紐が下がっています。一本は照明のON-OFFスウィッチで、もう一本はファンのON-OFFです。私は埃によるアレルギーなので、しょっちゅう空気を掻き回すシーリング・ファンはあまり好きではありません。羽根のバランスが悪いとノイズも出ます。

よく見るとシーリング・ファンの上部には小さなスウィッチがあり、船のスクリューのように羽根の回転方向を変えられます。暑い時には下から上への気流、寒い時には上から下への気流にチェンジ出来ます。理由は御判りですね?

Charles Bronsonがファイトで勝つのは分っているので、どうやって勝つのかが焦点です。Charles Bronsonは四回のファイトをこなしますが、どれも試合運びは似たり寄ったりです。カンフー流行以前なので廻し蹴りもなく、宙を飛ぶ蹴りもありません。たまに足や膝で蹴る程度で、基本はボクシング。「擬闘」(アクションの振り付け)担当者があまり有能ではなかったようで、坊主頭の頭によるワン・ツー・パンチ以外は目覚ましい技は出ません。その代り、ファイトの舞台は毎回変わります。倉庫、船の上、河口の公園、工場など。これらはどれも印象的です。プロダクション・デザイナーの功績ですね。

最後にCharles Bronsonは「(ホテルに置いて来た)猫の面倒をみてくれ」とStrother Martinに金を渡し、James CoburnにStrother Martinの面倒をみろと大金をプレゼントします。その順番と依頼が絶妙。貰った二人の抑えた驚きの表情もいい。金持ちになったクセに、また貨物列車で去って行くCharles Bronsonが、ホーボー(流れ者)の孤独を感じさせます。

「マイアミにでも行くか」というJames Coburnの提案を聞いたStrother Martinが、「先ず猫を取りに行こう」とJames Coburnを促します。ちゃんと約束を果たす好人物の存在で、猫の将来も明るくなるというエンディングです。もっとも、猫のアップなど出て来ないので、どんな猫かよく分らないのですが:-)。

(September 08, 2002)





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