【Part 2】

ドキュメンタリーもどきを装ったホラーものは、これ以前にも数編あるそうですが、私は観てないので比較は出来ません。25年もTVドキュメンタリー撮影を担当して来た私には、到底承服しかねる部分があります。それは、撮影クルーが夜中に野外で異様なものを盗み見するシーンです。野外ですからバッテリーによる照明を点けていなければPatrick Fabianたちは写りません。百歩譲って、ここは燃え盛る火の反映でかろうじて撮影出来たとしてもいいのですが、盗み見を発見され追われたカメラマンが逃げ出しても林や薮が写っているのは解せません。逃げるのであれば、先ず第一に照明を消すべきです。照明を点けたまま逃げるのは、松明を掲げて「鬼さん、こちら」と自分の位置を教えるようなものです。

照明なし（というかごく弱い明り）で写る特殊なカメラもありますが、このカメラマンはごく普通のドキュメンタリーを撮るつもりで来ているのですから、そんな特殊なカメラを準備する筈がありません。

16歳の娘が妊娠するのはいいとして、お腹も膨れていないのに出産するというのも妙です。

IMDbのFAQ（http://www.imdb.com/title/tt1320244/faq#.2.1.4）は、この映画に関する多くの疑問点を明快に説明してくれています。

結末を含めて全ての出来事の伏線が張られているのは好感が持てます（それが成功しているかどうかは別として）。

(December 17, 2011)