[Poison]

Drums in the Deep South

『南部に轟く太鼓』

【Part 2】

Craig Stevensは友人の結婚式に駆けつけた時、Barbara Paytonに首飾りをプレゼントします。夫の目の前でです。首飾りのプレゼントというのは親友の妻に対してふさわしいものでしょうか?ちと、行き過ぎのようです。

夫も夫で、過去にCraig StevensとBarbara Paytonの間で何かあったことを知っていて、ディナーの後、気を利かせて二人だけにしたりします。ここで二人の焼けぼっくいに火がつくのです。この辺のお話作りは作者の都合で人物を木偶人形のように扱っている感じ。

その後戦争となって、その夫は完全に忘れ去られ(これも御都合主義)、Craig StevensとBarbara Paytonは恋人同士のように振る舞います。ま、せいぜいキスするだけなのですが、しかし道義的には不倫ですよね。ここが一寸引っ掛かります。

南北戦争では父子や親戚同士が敵味方となって戦ったこともあるようですから、士官学校の同窓生の対決というのも珍しくなかったでしょう。しかし、前半のGuy Madisonがちゃんと描かれていないので、旧友として相手を助けたいという友情がいまひとつ熱く伝わって来ません。いっそのこと、三人の友人を二人に絞り、Craig StevensとBarbara Paytonを婚約者同士にし、Barbara PaytonとGuy Madisonの恋が燃え上がる…というお話にした方がよかったかも知れません。友情と恋が入り交じった三角関係となり、女をとるか友情をとるかというジレンマが物語を味わい深くしたことでしょう。

旧友同士の対決が薄っぺらなところへもって来て、Devil's Mountainという架空の山の存在が、この映画をますます荒唐無稽にしています。

(April 26, 2003)





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