公開：December 13, 2002
監督：Charles Stone III
地域：ジョージア州
出演：Nick Cannon、Zoe Saldana、Orlando Jones、Leonard Robertsほか
範疇：ドラマ、大学、マーチング・バンド、ドラム部門

私の評価 ：☆

【Part 1】

原題'Drumline'とは、云ってみれば「ドラム・パート」という感じでしょうか。フットボール・ゲームのハーフ・タイムを彩る華麗なマーチング・バンドには金管、木管など色々なパートがありますが、この映画はドラム部門（特に小太鼓）に焦点を当てた物語。しかし、ストーリイなどはどうでもいい感じで、もっぱらバンドのパフォーマンスが主体ですから、マーチング・バンドやチア・リーダーがお好きな方には最高でしょう。この映画のように主役が日本で無名の黒人だと日本公開はされないか、されても二年後が普通なので、気長にお待ち下さい。

ニューヨークのスラムに住むNick Cannon（ニック・キャノン）は、抜群の太鼓叩きだった。その実力で高校を卒業するやいなや、ジョージア州アトランタのA&T大学へ奨学金で入学出来た。彼は実力があった。しかし、問題は彼の性格だった。彼は周囲に溶け込むタイプでなく、目立ちたがり屋だったからだ。

アトランタA&T大学のマーチング・バンドの音楽監督兼指揮者Orlando Jones（オーランド・ジョーンズ）は"One band, one sound"（一つのバンドは一つのサウンドを出す）がモットーだった。彼の元で育った上級生Leonard Roberts（レナード・ロバーツ）も全体の音色を大事にしていた。Leonard Robertsは軍隊で云えば教練係教官に相当し、彼によってNick Cannonはさまざまな試練をくぐらされる。

Nick Cannonの唯一の慰めはチア・リーダーのZoe Saldana（ゾイ・サルダーナ）との交際だった。彼女は学問が本業であるとして、彼に真面目に授業を受けるように勧める。

ライヴァル校との対戦時に、上級生Leonard Robertsとの確執が頂点に達し、Leonard RobertsはNick Cannonに「お前がリードしろ」と云い出す。それに乗ったNick Cannonは最高のパフォーマンスを展開するが、集団でのプレイを逸脱したとして音楽監督Orlando Jonesの怒りを買う…。

これが“南部もの”に該当する映画でなかったら観なかったでしょうが、実際にはあまり南部的色彩はありません。"Hi, y'all"（ハイ・ヨール）みたいな言葉が出て来るだけで、実際にはアメリカのどこでもいい感じです。

主演のNick Cannonは貧相な顔で、演技もさして上手くなく、「なんでこんな奴が主役に？」と思いますが、実はTVで'The Nick Cannon Show'というシリーズを持っている売れっ子なのだそうです。彼より好感が持てる上級生役のLeonard RobertsもTVドラマ・シリーズで注目を浴びている役者だそうです。

音楽監督を演ずるOrlando Jonesは声もいいし、顔もユニークだし、指導者としての役を過不足無く演じています。

監督はCM出身だそうですが、大林宣彦監督のようにスタイリッシュではなく、腕前はそう印象に残りません。編集はまずまず上手いと思います。

(January 12, 2003)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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