【Part 2】
陸軍の制服が何種類か登場しますが、どれも非常に美しい。前述のキャンドル・サーヴィスもいい場面ですし、正装での晩餐会や舞踏会など、陸軍士官学校の美しい部分も十分紹介されています。
David Keithを助けて"The Ten"の調査に乗り出した友人は、些細なことで「盗むなかれ」に反したとして放校処分になります。校規に抵触した不名誉な退学なので、在校生全員が整列し、彼の歩みにつれて尻を向けるという侮辱的な儀式を行ないます。この友人は軍隊が好きで、卒業を心待ちにしていたわけですから、彼の悲しみが痛いほど伝わって来ます。
しかし、“学校”とは云いつつ訓練とか授業がほとんど出て来ず、いびりのシーンばかりなのが不満です。
最近色んな映画に出て来るBill Paxton(ビル・パクストン)も出ているようですが、どこにいるのか分りませんでした。字幕では"Wild" Bill Paxtonという大仰な名前になっています。
将軍を脅して"The Ten"を解体させ、黒幕だった将軍の辞職を迫ったDavid Keithは、"Dixie"のマーチで挙行されている卒業式を背に去って行きます。将軍を脅したのも良くないということで両成敗なのか、軍隊に愛想を尽かしたということなのか、よく分りません。悪いのは将軍だったのですから、David Keithは目出度く卒業しても良かったと思います。
物語に広がりがなく、こじんまりし過ぎているのが難。amazon.comで原作に関する読者評を読むと、小説ではDavid Keithの役のロマンスもあり、サスペンスに富んでいながら非常に感動的な物語のようです。残念ながら、映画はそうなっていません。
(March 03, 2002)