[Poison] The Client
『ザ・クライアント/依頼人』

【Part 2】

実は数年前に一度観たのですが、何一つ覚えていませんでした。いい映画というのは一回観ただけでも、素晴らしいシーンの一つや二つ、あるいはストーリイなどを覚えているものです。しかし、この映画はゼロ。

1ドルで仕事を引き受けるというのも現実味が無いし(話題になっていた事件だから名前が売れるということはあるでしょうが)、少年があくまでも証言を拒否するのもよく分らない。結局「証人保護」を適用して貰うことで丸く納まるのですが、それなら初めからそれを主張すればよかったと思う。何も、危険を冒して少年と女性弁護士が他人の家に忍び込んで死体の在り処を確認する必要は無い。

何故、この映画の内容を覚えていなかったかですが、全体が荒唐無稽でどこにも納得出来るところが無かったからだと思います。この少年も、Susan Sarandonの云うことも聞かず生意気で、完全に彼の味方になり切れない。

南部は喫煙に理解のある地域で、全室喫煙出来るホテルもあるほどです。しかし、いくら南部で1994年であっても、病院の中で煙草を吸えるとは思えません。少年の母親は病院の廊下で吸いながら歩いています。

自殺しに来た弁護士は車のフロントに、南北戦争の南軍旗をプレートにしたものをつけています(チラとしか出ませんが)。それで、この男がまっとうな弁護士ではないことが分る仕掛けになっています。

(March 19, 2001)





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