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Big Fish
『ビッグ・フィッシュ』
・原題をクリックするとIMDbの詳細データが見られます。邦題をクリックすると「allcinema」のデータが見られます。
・Part 2は普段は隠れていて、クリックするとJavaScriptによるウィンドウにて表示されます。取り扱いには十分お気をつけ下さい。
公開:January 09, 2004
監督:Tim Burton
地域:アラバマ州
出演:Ewan McGregor、Albert Finney、Billy Crudup、Jessica Lange、Steve Buscemi、Danny DeVitoほか
範疇:原作もの 、ドラマ、ファンタジー、コメディ
私の評価 :☆☆
【Part 1】
題名から想像出来るようにこれは一種のホラ話なのですが、ただのドタバタ喜劇にしないで、一種心暖まる映画に仕上げています。
死の床に就いている主人公Ed Bloom(エド・ブルーム)をAlbert Finney(アルバート・フィニィ)、その青年時代をEwan McGregor(ユーアン・マグレガー)が演じて、回想と現在が織り成される映画。
アラバマ州の小さな町。少年時代からEd Bloomは勇敢で怖いもの知らずだった。お化け屋敷に肝試しに行き、魔法使いのお祖母さんから少年たちの未来について教わる。成長したEd Bloomはスポーツに人助けに、超人的な活躍をし、町の人気者だった。
ある時、町に身長2mを越える巨人が現われ、家畜を食い荒らす。Ed Bloomは町を救うため、巨人に「おれと大都会へ行こう。そこでたらふく食えばいい」と持ちかけ、一緒に旅に出る。
二股で巨人と離れたEd Bloomは森の中で不思議な町に出くわす。そこの住人はみんな裸足で暮らし、老いも若きも陽気に歌い踊って、あたかも天国のように暮らしていた。そこには有名な詩人Steve Buscemi(スティーヴ・ブシェミ)もいた。しかし、若いEd Bloomにとっては冒険が必要だった。みんなの止めるのも聞かず、彼は町を去る。
次の町で彼は巨人と共にサーカスを訪ねる。自分が雇っていた“世界一の巨人”より遥かに巨大な人間を見て、団長Danny DeVito(ダニィ・デヴィト)は大喜びで契約する。巨人に驚いて逃げ去る人々の中に、Ed Bloomは自分の生涯の伴侶となるべき娘を発見する。団長はその娘を知っているが、どこの何者なのか教えてくれず、「只で働いたら、情報をくれる」と約束する。数年後、ついにEd Bloomは娘の名前と大学の場所を教わることが出来た。
サーカスを離れ、彼が娘を探し当てた時、彼女は既に婚約している身の上だった。それもEd Bloomの故郷の町の出来損ないのいじけ男だった。Ed Bloomはあの手この手で娘の心をなびかせ、ついに婚約を解消させることに成功する。新婚生活も始まらないうちに彼は戦争に駆り出され、外国に送られてしまうが、そこでも大活躍。
Ed Bloomの奇想天外な話はまだまだ続くのだが、少年時代から同じ話を何度も何度も聞かされて来た息子のBilly Crudup(ビリー・クラダップ)は、全て作り話と見做して信じない。彼は死に際の父に、「そんなホラ話でなく、あなたの本当の姿を知りたい」と迫る…。
アラバマ州にはお化けの話が沢山転がっていて、それを集めた本が沢山あります。また、お化け屋敷と呼ばれる家もあちこちに点在しています。特に南北戦争で没落した旧家の主の霊魂がさまよっている例が多いようです。原作者もアラバマ州バーミングハムの生まれだそうですから、彼もそういう地方色に染まって育ったのでしょう。【原作】『ビッグフィッシュ 父と息子のものがたり』(ダニエル・ウォレス著、河出書房新社刊)なお、この原作者はカレッジの教授役で1シーン登場します(OHPを使う授業)。
ホラ話を臆面もなく正攻法で描いて行く脚本・演出は成功しています。'O Brother, Where Art thou?'『オー・ブラザー』(2000)のように、ときどきシュールになる部分もありますが、こちらの方が好ましい。
私はAlbert Finneyは好きな俳優じゃないので、ここでもあまり買いません。実はEwan McGregorも好きな方じゃないのですが、この映画では非常に素直にお伽話の主人公を演じていて好感が持てました。実は二人ともアメリカ南部とは縁もゆかりもない俳優たちなんですね。Albert FinneyもEwan McGregorもイギリス出身です。
'老いた妻を演じるJessica Langeは、どんどんいい役者になっています。見せ場があまりないのが残念ですが、病院の夫と最後に別れるシーンだけでも賞賛に値します。なお、彼女が夫のお葬式に真っ赤なスーツで臨みますが、あれは現実無視というわけではありません。ま、寡婦となった女性は黒い服を着るのが普通ですが、その他は赤でも緑でも黄色でも何でもありです。日本のように黒一色ではありません。
Steve Buscemiはいつもの感じですが、Danny DeVitoはハマリ役を得て、ここ最近の映画の中では非常に真面目に演じています。
イギリス出身の主役は使っているものの、撮影はカナダなどへ行かないでちゃんとアラバマ州でやっています。これは感心です。
(January 29, 2004)
Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
なおIMDbはamazon.com、「allcinema」は株式会社スティングレイの登録商標です。
Copyright © 2011 高野英二 (Studio BE)
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