[Poison]

The Big Easy

『ビッグ・イージー』

【Part 2】

しかし、いくら何でも自分を汚職容疑で訴追した女性を(今一歩で刑務所行きだった)、許すどころか相変わらず追いかけ廻し、果ては結婚するというんですから、非常に信じがたい物語です。

まあ、私がこのEllen Barkinを美しいと思わないから信じられないのであって、Dennis Quaidからすれば絶世の美女なのでしょう。私としては、ポチャポチャっとした同僚の女性刑事の方が好みです。Ellen BarkinはAngie Dickinson (アンジー・ディッキンスン)をふやかしたような顔立ちで、とても検事補が勤まるインテリジェンスは感じられません。

全編ニューオーリンズでロケしたようですが、意外なほどニューオーリンズ臭さがありません。せいぜい倉庫にあるマルディグラの飾りとCajunの家での音楽と踊りぐらい。要するに、予算がないのであまり有名でない裏通りでこそこそ撮って廻ったという感じ。そうそう、いい年こいたDennis Quaidは、テディ・ベアならぬワニの縫いぐるみが無いと寝られないという設定です。ワニもルイジアナ名物ではあります。

黒人の証人が殺害され、Dennis Quaidが走って追うシーンでは、突如音楽が『スパイ大作戦』のようになります。作曲家は違いますが。

既に14年前に'Mugnum Force'『ダーティハリー2』(1973)という警察部内の犯罪映画もあるのに、この物語は何も付け加えていません。「何だ、芸が無い」という感は否めません。

やはり、Part 1に書いたネッキング・シーンだけが取り柄のような映画です。

なお、'Big Easy'とはニューオーリンズの徒名(あだな)で、いわば「お気楽天国」という感じ。ニューオーリンズでは「何でもあり」なので、呑んで食って歌ってハメを外し、らんちき騒ぎをし、セックスする…というイメージですが、そうかと云って、あちこちで乱交パーティがあるわけではなく(招待されたことがないだけかも知れませんが:-))、バーボン・ストリート以外で酔っ払いを見たこともなく、昼間は真面目にビジネスが行われています。ただ、次のマルディグラに向けて一年を過ごすというような人々が住んでいるのは確かで、ジャズやロックが鳴り響き、フランス、カナダ、アメリカの味覚が交わった食い道楽の町でもあるので、歓楽的であるのは間違いありません。特に海の幸を味わうのにいいところです。

(June 18, 2002)





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