[Poison] Eve's Bayou
『プレイヤー/死の祈り』

【Part 2】

美しい描写は賛嘆しつつも、残念ながらこの映画の誰にも共感出来ません。黒人だから共感出来ないのか?と、人物たちを白人に置き換えて考えてもみましたが、やはり同じです。ま、白人はヴードゥーなど信じないでしょうけど。

'To Kill a Mockingbird'『アラバマ物語』も女の子が語り部で、彼女の視点で映画が展開しました。ストイックなまでに子供の視点にこだわり、子供がいないところで起る出来事は99%ゼロでした。'Eve's Bayou'の場合、母と義妹が占い師に行くシーンなどがあり、Eveの存在にこだわっていません。

「父が私に男と女のキスをした」という姉の告白は嘘であることがわかり、Eveは誤解で父を呪い殺した結果となります。しかし、彼女はそう嘆き悲しんだり、深く姉を責めたりしません。いずれにせよ、浮気性の父は似たような痴話喧嘩で殺されるか、母と別れることになるか、家を捨てるかしたことでしょう。どうせ、一家の幸せは来なかったので、同じことです。では、呪い殺さなくても同じだったのなら、この物語は一体何だったのか?

結局、《色気違いの父と、その父を愛するあまり父の情事に嫉妬した小娘の誤解が因の呪いの物語》なんですね。

父親を愛する女性観客には何か響くものがあるのかも知れませんが、私にはおどろおどろしいBayou(バイユー)やスワンプのように、重く淀んだ暗い思いが残っただけでした。

私が観たヴィデオ版では黒人達の肌色は黒でも紫でもなく、薄茶色に調整されていました。黒は黒でいいと思いますので、このカラーバランスには疑問を抱きます。

(March 11, 2001)





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