私の「ピッチングとチッピングの距離調節・簡略版」(tips_195.html)はとても役立っていますが、たまにショートしたりオーヴァーしたりします。それはボールが高く上がり過ぎたり、予定より低く出過ぎ時に起ります。高く上がれば当然飛距離は短くなり、低く出ればてランが増えることになります。 なぜ、ボールを上げてしまうのか?右足に体重を掛け、あたかも左足上がりのライのように打ってしまうからです。衆知のように、このライは自然にロフトを増やしてしまうので、いくら低いフォローを出そうと努めても、ロフトの増加によってボールは高く上がるしかありません(特に私が愛用する60°ウェッジで)。砲台グリーンの近くにボールがある時、ピンが半分しか見えないようならば、私の60°ウェッジでは傾斜の角度によって距離を5〜10ヤード多く見積もらないとピン傍に寄せられません。それほど、ロフトの増加は飛距離に影響します。 しかし、上のこの原理を応用すれば、チッピングのボール軌道をコントロール出来ます。 |
・両足の中間体重 ・左足体重【写真上】 ・右足体重【写真下】 この体重の掛け方による軌道コントロールは、距離調節法としても役立ちます。僅かにランを増やしたいとか、減らしたいというためにも使えるわけです。 |
(April 12, 2019)
長くゴルフをしていると、アドレスした時、どんな風にターゲットが見えるべきかが身に付きます。
普通、われわれはボールの後ろからターゲットを見、普通ボールの前方(私の場合は後方)の地面に中間目標を見つけ、ボールの横に廻り込んだ後、頭をターゲットラインに沿って廻し(頭を起すのは不可)、ターゲットを確認します。この時、ターゲットは想定よりやや(ターゲットラインのおよそ15〜20°ぐらい)右に見え、このまま打つとターゲットの左に打ってしまいそうに思えます。しかし、長年の経験で、われわれはそれが正しい角度であることを知っています。
よく使われる説明法として、鉄道のレールの比喩があります。右側のレールはボール位置とターゲット(ピンあるいは着地予定地点)を結んでおり、左側のレールはスタンスライン(左右の爪先を結ぶ線)の延長で、これはターゲットの左を指していなければなりません。つまり、われわれの目はターゲットの左を見るべきなのであって、ピンを見てはいけないのです。ピンを見るから左へ打ってしまいそうに錯覚するわけです。
私の場合、5番アイアンでアドレスすると、ボールと両爪先を結ぶラインは52センチ離れています。3番ウッドだと72センチ。大雑把に云って、ターゲットの1メートル左に揃っているわけで、アドレス後にターゲットを確認するとしたら、ターゲットの左1メートルを見るべきなのです。そうでなくターゲットそのものを見てしまうから、ターゲットが凄く右に見えてしまう。
ある日、一人で練習ラウンドをしていた時、No. 15での二打目でアライメントをチェックしてみました。下りの残り135ヤード。先ず、いつものようにボールの横に立ってみました。首をターゲットラインに沿って廻してターゲットを見ます。何と、周辺視野の左肩の先はピンの30ヤードも左を指しています。
バッグからクラブを二本取り出し、一本をボールとピンを結ぶように置き(=ターゲットライン)、もう一本をアドレスしたスタンスラインに揃えて置きました。それらは問題なく平行に並びました。アドレスを解除し、ボールの背後からピン方向を見てみると、視覚化した二本のレールは右がピン、左がピンの左を指しています。周辺視野で見たような大幅に左ではありません。つまり周辺視野で見る肩のラインの延長線は無視すべきであることが判ります。クラブを片付けてから打ったボールは、まっしぐらにピンに向かいましたが、あまりにも快打過ぎてピンを15ヤードもオーヴァーしてしまいました。アライメントに不安がなかったため、理想的なショットが実現したせいだと思われます。
(April 12, 2019)
●目のつけどころ・最新版現在の私の目のつけどころを御紹介します。
・ドライヴァーを打つ時は、ボールの15センチ後方です。【参照】「ドライヴァーでストレートに飛ばす秘訣」(tips_171.html)
図のA:アイアンを打つ時はボールのターゲット方向を見ます。こうすると、ボールを先に打ちA地点でディヴォットを取ることが出来ます。これによってロフトが活かされ、望んだ軌道での正しい飛距離が得られます。ボールを見ながら打つと、往々にしてボール後方の地面をダフりやすい。これだと、クラブのロフトが増えてしまうため、ボールの軌道は高くなり、飛距離は短くなってショートすることが多い。
図のB: ピッチングとチッピングではボールと地面の接点を見つめます。プロたちは、このショットでも(A)地点を見つめて盛大なディヴォットを取るようですが、私はトップしてホームランを出すのが恐いので(B)地点にクラブのリーディング・エッジを打ち込むようにしています。
図のC: パッティングではボールの天辺ではなく、ボールの側面を見るようにしています。特にディンプルの一つを凝視し、打った後ボールの残像を見るように努力します。
【参考】「ディンプルの一つを見つめよ」(tips_171.html)
(April 20, 2019)
以前、パッティング・ストロークのために「手と手首を凍結したパッティング」(tips_145.html)というイメージを提唱しましたが、もっと実感し易いイメージを考えました。
写真のように、両手とパターはロープで縛り付けられて一体となっている…と考えるのです。残念ながら、この感覚を実際に味わうには誰かの助けが要ります。自分で自分を縛るということは出来ないので(やってみて初めて知りました)。私のこの写真はカミさんに縛ってもらい、シャッターも押して貰いました。この素晴らしい一体感は少なくとも一度は味わってみる価値があります。
【註】ロープでなく、3メートルぐらいのゴム紐(下着などに使うもの)があれば、一人でも両手とパターを一緒に縛り付けることが可能です。
特に顕著なのは、バックストロークのトップでパターヘッドがぐらつかないこと。僅かでもぐらつくと、方向性が定かでなくなる恐れがあります。これを回避出来るというのが、この“緊縛趣味”イメージの素晴らしい点です。
しかし、縛られているからといって手・手首・腕・肩などを強ばらせると、ボールが走らずショートしやすい。塩梅が難しいのですが、縛られた両手・両手首を一体としつつも、柔らかくスムーズなストローク動作をすべきです。
(April 20, 2019)
●緊縛趣味グリップ・改良版誰の助けも借りずに、ロープで両手首を縛った状態を再現出来る方法を考案しました。古い木綿の靴下の爪先の方を切り捨て、折り返して二重にします。それを両手にはめてからグリップします。これだと、ガッシリ両手首を固定してくれ、両手とパターの一体感を身体に覚え込ませるのに最適です。
私がワン・ラウンドで5(ファイヴ)バーディを達成したのは、この古靴下利用の練習に精出した後でした。
靴下で手首を締めつけてしまうと、ボールに描いた線で狙いをつけることもままならなくなるので、ボールをカップインさせる練習には向いていません。あくまでも両手と手首を一体化させたストロークとはどんなものなのかを掴むための、ストローク動作の練習とすべきです。「完璧なストロークの探究」(tips_193.html)に書いた練習法で、クラブシャフトの上でストローク動作を繰り返すと最高です。
私は、1) 写真のグリップと、2) スプリット・ハンズの両手の間隔を広げた場合、3) 右の人差し指を引き金を引くように折り曲げた場合、4) 右の人差し指をハンドルの下側に伸ばした場合、5) 左前腕をごく僅かターゲット側に捻る「裏技」を使った場合、6) 「裏技」を使わなかった場合…の全てをテストしました。
結論を述べれば、短いパットではスプリット・ハンズの間隔を長くした方が正確度が増す。10メートルを越える長いパットでは、左右の手の間隔を縮めた方が(多少、手首の固さが減少するので)距離を出すことが出来る。右の人差し指は折り曲げた方がスムーズなストロークが出来る。手首を固定したストロークでは「裏技」は必要ない。
やってみれば判りますが、手首を固定したストロークをすると、スウィート・スポットで正確にボールを打てるせいか、力を篭めなくてもボールがよく走ります。
私はボールを叩くとか打つという感じではなく、「ボールをカップに押しやる」ようにストロークします。喩えて云うなら、女性に「踊ってくれませんか?」と云えずもじもじしているはにかみ屋の友人を、女性の方に押しやる感じ。強引に押すのではなく、撫でるのでもなく、友情に満ち溢れた気持ちで押すのです。
(May 07, 2019)
私はゴルフ雑誌の購読をやめたのですが、当地の図書館がゴルフ雑誌のバックナンバーを放出した時、数冊タダで手に入れました。その中の目についた記事を紹介します。 'Power outage' 「プロの世界ではドライヴァー・ショットが平均2.5ヤード伸びたと云われているが、アマチュアの飛距離はここ20年伸びておらず、多くのゴルファーにとっては逆に以前より短くなっている。以下は調査結果を元にしたアマチュアの間違いと原因、そしてその対策に関する特別リポートである。 ・一般ゴルファーの飛距離は落ちている Arccos【註参照】のリサーチによれば、一般ゴルファーの飛距離は2015〜2017年の間に0.6ヤード減少している。2018年も含めれば、2015年より3.5ヤードも減っている。ハンデ0〜5の人々は2.4ヤード増やしているが、それ以外のゴルファーは5〜7ヤード失っている。 【編註】ArccosはGPSを利用してTrackManに似た計測器を販売している会社。 ・一般ゴルファーは加齢と共に飛距離を失う |
70歳代のゴルファーは、20代の時より46ヤード飛距離が短くなる。このデータは10年経つ毎に20代より平均して7ヤード減となることを意味する。だが、50歳代〜70歳代になると、その倍の距離を失ってしまう。
例外はある。PGA ChampionsツァーのHale Irwin(ヘイル・アーウィン)は72歳であるが、彼が35歳だった時より34ヤード飛距離を増している。
・ボール・スピードが鍵である
TrackManによれば、一般男性ゴルファーの平均スウィング・スピードは93.4 mph(41.7m/sec)で、平均飛距離は214ヤードである。TrackManの“最適”の距離を用いれば、一般ゴルファーも同じスウィング・スピードで255ヤード飛ばせる可能性はある。どうやって?"Smash factor"【註参照】である。これはボールがヘッドを離れる時のスピードだ。TrackMan関係者によれば、理想的なsmash factorは1.5だが、一般ゴルファーのそれは1.42に過ぎない。
【編註】TrackManのウェブサイトによれば、「Smash factorはクラブヘッドからボールに伝わるエネルギーの数値。ドライヴァーでは1.5のsmash factorが望ましい。45m/secのクラブ・スピードに対しボール・スピードが67.5m/secだと、smash factorは1.5となる。これに較べ、45m/secのクラブ・スピードに対しボール・スピードが62.6m/secだと、smash factorは1.4となる。両者のボール・スピードの5mの違いは、距離にして20ヤードの違いとなる」
もし一般ゴルファーがソリッドにスウィートスポットで打つことにより、ボール・スピードを8 mph(3.6m/sec)上げられれば、それはsmash factorを1.5にし、スピンを30%減らすことに繋がる。(上昇軌道による、少なくとも2°の)高いローンチ・アングルを実現出来れば、一般ゴルファーも41ヤード増やせる…とTrackMan社は云う。
・LPGAプロを模範とせよ
PGAツァーのプロたちは飛ばし屋ではあるが、正確さではLPGAプロたちに敵わない。TracManによればPGAツァー・プロたちは、クラブフェースの真ん中でスウィング・スピードのmph当り平均2.58ヤードでボールを放つ。Swing Man GolfのJaacob Bowdenによれば、一般ゴルファーのその値は2.29に過ぎない。彼らが、それを2.40に出来れば、一般ゴルファーのドライヴも10ヤード増える。Jaacob Bowdenが云うには、LPGAプロのスウィング・スピードは(93.9 mph=42m/sec)、大まかに云って一般の男性ゴルファーと同じである。しかし、彼女たちはPGAツァーの男子よりも正確にフェースの真ん中でボールを打つため、スウィング・スピードのmph当り平均2.64ヤード、ティーから平均248ヤード飛ばすことが出来る。これは一般の男性ゴルファーより平均して30ヤード以上長い。
・スウィング・スピードは関係ない
一般ゴルファーにとっては、スウィング・スピードは問題ではなく、ゆっくりスウィングして正確さを追求すべきである。こうすれば、思ってもみなかった領域へ飛ばすことが可能になる。Foresight Sportのシミュレーション・ソフトによれば、2 mph(0.9m/sec)遅くしてもなお20ヤード増すことが出来、スピンを減らしローンチ・アングルを増し、フェースのど真ん中で、よりスクウェアにボールを打てるようになる。
・最新型ドライヴァーの利益
あるリサーチによれば、新型ドライヴァーを試した人々の78%は11ヤード増という恩恵を受けている…という。本誌の研究所におけるロボット・テストでも、四年前のクラブより飛距離が平均6ヤード増し、オフ・センターで打たれた場合の許容度も高くなっている」
このリポートから学べることは、クラブを無茶苦茶速く振るよりも、《クラブフェースの真ん中で打つこと》に集中すべきだということです。一般男性はLPGAプロを見習え…というのは、このサイトで私が昔から云って来たこと。ローンチ・アングルを高くし、バックスピンを減らすと飛ぶ…ということは数年前から云われていて、私も過去に何度も紹介しています。
私にとっては統計的数字は衝撃的でしたが、対策法については別に珍しくもありません。
【参考】「センター・ヒットのご利益」(tips_139.html)
(May 12, 2019)
●バンカーで考えるべきこと
Madelene Sagstrom(マデリーン・サグストロム)はスウェーデン生まれのLPGAツァー・プレイヤー。彼女は2017年のサンド・セーヴ率60.24%で、バンカーからの寄せワンを50回達成しました。
'A bunker swing you can rely on'
by Madelene Sagstrom ('Golf Digest,' July 2018)
「誰もが『グリーンサイド・バンカーではワイドなスタンス、両足を砂に潜らせ、ボールを打つ前に砂を打て』というインストラクションを聞いていると思う。私にとって良いバンカー・ショットの鍵はリズムとスピードの兼ね合いを見つけることだ。
砂を打ち抜くためにはクラブヘッド・スピードが必要だが、スピードを上げるとリズムを壊してしまう。アマチュアはスピードを上げるためにハードに、しかも早く打とうとする。こんなことをすると、クラブヘッドを砂に打ち込んでしまってチョロするのがお約束となる。私にとって役立つ考え方は、《両手よりも先にクラブがボールに到達する》というものだ。【註】この考え方はオーヴァー・スウィングをしたりコントロール不能になることを防いでくれる。これがムラのないバンカー・ショットをする第一歩だ。
【編註】スプラッシュ型ではフェースはスクウェアで、フェースも身体もターゲットを狙いますが、ハンドファーストではなく、ハンドルを臍の下辺りまで戻して構えるのです。これが重要なロフトの温存に役立ちます。
次に、バンカー・ショットをした後、ほじった砂のサイズを調べて欲しい。そのサイズは常に一定であるべきである。親指と人差し指を一杯に伸ばした幅だ。実際に私が抉る砂のサイズはもっと大きいけれど、そのサイズに焦点を合わせると、インパクト・ゾーンを凝縮出来る。
ボールをカット打ちして、グリーンにソフトに着地させるには、クラブフェースがインパクトの瞬間までオープンでなければならず、オープンであればクラブが砂でつっかえることもない。
多くのアマチュアもクラブフェースをオープンにすべきであることは知っている。しかし、彼らはテクアウェイの瞬間にそれを忘れてしまう。オープンにクラブを引けば、それがオープンフェースで戻って来る率は高い。
オープンフェースによる練習法に次のようなものがある。フェースで僅かに砂を掬い、その砂をフェースに乗せたままバックスィングする。バックスウィングのトップで肩越しにフェースの砂を投げ出す。もし、トップに達する以前に砂をバラ撒いてしまえば、クラブフェースはクローズになっていることが判る」
【参考】
・「バンカー・ショットの盲点」(Tips_183.html)
・「スプラッシュ型バンカー・ショットのコツ」(Tips_183.html)
(May 23, 2019)
●砲台グリーンの斜面からのチップ【秘密の法則】
「乗るか?あーっ、短い!」乗ったかのように見えたボールは、手前に撥ね返って砲台グリーンの斜面で停止。「でも、下まで転げ落ちないでよかったじゃないか!」と同伴競技者の慰め。本当にそうでしょうか?
私がプレイしているコースのグリーンのほとんどは砲台です。前から見ると単なる平坦な上りのように見えますが、左右及び奥は急傾斜の崖となっており、右端や左端および奥近くへ着地したボールは崖下へ転落します。草の長さや湿り具合によっては完全に落ち切らず、崖の途中で停止する場合があります。このケースが難物です。
完全に転げ落ちて、下の平地からのショットなら距離感はほぼ見た目の距離プラス数ヤード前後で打てばいいのですが、斜面で止まったボールを寄せるのは至難の業。私の場合、ショートしたり、オーヴァーしたり、滅茶苦茶でした。 いくつかのホールのグリーンの崖の中途からのショットを練習してみました。グリーンの土手の傾斜角度によって、見た目より長く打たないといけません。何故なら、60°ウェッジは左足上がりの傾斜次第で、70°になったり80°になったりするため、高く上がる分だけ飛距離が短くなって当然なのです。 【註】左足上りの斜面でのショットは、斜面に逆らわず、斜面に沿って平行に立つのが基本です。肩もその斜面と平行にします。クラブをその斜面に垂直に構えると、自動的にクラブのロフトが増します。この基本を無視してアドレスをする人には、私の今回の記事は何の意味も持ちません。 傾斜角度によってどの程度距離を増すべきか?研究してみました。ぐだぐだと試行錯誤の経過説明をするのは、御用とお急ぎの方の御不便でしょうから、結果を先に書いちまいます。ゴルフコースに分度器を持って行き、私がよくミスする砲台の斜面の角度を調べました。もちろん、測量のための道具ではありませんから、多少誤差が出るのはやむを得ません。 No. 1(パー4):私がこのホールの二打目でフェードを掛け損なうと、砲台グリーンの左にミスします。分度器で測ると、その土手は約20°の勾配がありました。 このNo. 1のピンの位置を目測すると、ボール方向のグリーン・エッジから約5ヤード離れて切られていました。GPSによるエッジからボールまでの距離が20ヤードとなっているので、物理的距離は計25ヤードですが、どっこい、傾斜が20°ですから、さらに20ヤード足さねばなりません。【ロフトが5°増える毎に5ヤード足すべきなのです。傾斜角度が20°なら20ヤード足すことになります】 つまり、本当に必要な飛距離は40ヤードです。 |
私の60°ウェッジには「ピッチングとチッピングの距離調節・簡略版」(tips_195.html)で紹介したように、ハンドルに1.25センチ刻みでマークがつけてあり、一刻み増減する毎に5ヤードの増減で打てるようになっています。これを利用すると、傾斜地からの打ち方は非常に簡単です。実際に総距離を40ヤードとして数個のボールを打ってみますと、どれもがピン傍に集まりました。
No. 16(パー4):本当はこのホールは私の得意なホールで、「ピッチングとチッピングの距離調節・簡略版」を使うことで良くてバーディ、悪くてパーなのです。しかし、ピッチかチップの際にトップしたりすると、哀れボールは奥の崖下に向かいます。ここでも崖の途中でボールが止まると距離がコントロール出来ず厄介でした。何しろ、旗の天辺さえ見えないほどの打ち上げなのですから。
分度器で測ると、この崖の傾斜は約25°でした。ピンから奥のエッジまでの距離を目測すると約5ヤード、GPSによればエッジからボールまでは約10ヤード。物理的距離は約15ヤードですが、傾斜角度が25ヤードなので、打たなくてはならない距離は40ヤードとなります。実際に数個のボールを打ってみると、全部ピンから40センチ前後に寄りました。
法則:《ホームコースの砲台の前後左右の傾斜を測っておく。エッジからピンまでの距離を目測し、次いでボールからグリーンエッジまでの距離をGPSで知る。それらの合計に、傾斜角をヤードに置き換える(例:10°なら10ヤード)。その数字が実際に打つべき距離である》
私はホームコースの砲台グリーン全ての前後左右の傾斜を計測しました。計測するだけでなく、実際に計算通りかどうかのテストとして、各斜面からグリーンへ数個のボールを打ち、全体がショート気味なら分度器の扱いが悪かったと考え、角度を修正しました。この結果が右上の表で、今後はこれを携帯してラウンドします。この研究・調査が役立って、一つでも多くのバーディ、パーが得られることを願っています。
もう絶対にショートしないぞ!
【参照】「砲台グリーンへの斜面からのチップ」の改訂(tips_199.html)
(July 01, 2019, 増補December 01, 2020)
●分度器なしで斜面の角度を測る私は凝り性なので、上のように全てのグリーンの左右・手前・奥の傾斜を調べました。しかし、ホームコースをお持ちの方でも、ここまでの意欲は湧かないかも知れません。まして、ジプシーの方は初めて行くコースが多いでしょうから、前以て傾斜角度を測っておくということは出来ません。分度器が使えればいいのですが、生憎ゴルフ・ルールでは原則的に一切の測量機器の使用は御法度となっています。
何とか、その場で手軽にインスタントに斜面の角度を測る方法はないか?見つけました。
写真のように人差し指と中指を、じゃんけんの「チョキ」の形で使います。この二つの指が作る角度が30度です。30度の先端がある三角定規で確認して下さい。力を篭めて突っ張ってはいけません。突っ張ると40度になってしまいます。じゃんけんをする時のように楽に開きます。前項の「砲台グリーンの角度」という表を見ても最大の傾斜は30度ですし、これ以上の角度を測る必要はないと思われます。
中指を水平にして、測りたい土手の下部に合わせます。【傾斜が逆方向なら左手を使います】傾斜した土手が指の空間にぴったりはまるようなら、その傾斜は30度です。もし、傾斜が30度以下の場合は、視覚化で指の間の角度を三分割します。この写真の土手の傾斜は20度で、分度器による計測結果と全く同じです。白線の傾斜だったら10度です。
これら三つの傾斜角度が判り、それに対応した距離を足して打つだけでも、バーディ・チャンスやパー・チャンスが増えることは間違いないでしょう。
(July 01, 2019)
●FLW(フラットな左手首)でアプローチ
最近、アプローチ・ショットの精度が増しました。先日のラウンドでは八つのホールでパー・オンし、もう一つのホール(パー5)ではピッチング・ウェッジによる四打目がチップインしました(バーディ)。
現在の私はアイアンを振る際、左手首がフラットあるいは凸型になるようなインパクトを心掛けています。ベン・ホーガンが唱えたスーピネーションと同じであり、「手首先行のスウィング」とも云えます。これだとクラブヘッドがボールを押し潰すことになり、理想的なスピンがかかることが期待出来ます。
インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)は「スーピネーションをマスターするには、小さな巾で振り子運動をし、手首を凸型に盛り上がらせることを繰り返すといい」と云っています。
以前は「ボールの数センチほどターゲット方向を見つめながらスウィングし、その数センチほどターゲット方向でディヴォットを取る」ということが望ましいと考えて来ましたが、それは《アイ・ハンド・コーディネーション》の原理に頼る方法でした。同じことは「ボールを先に打ち、その後でディヴォットを取るメソッド」とも云い替えられます。
しかし、そのディヴォットを取る地点を見つめながらスウィングするというのは結構難しい。われわれのゴルフは、それでなくてもルックアップ(=ヘッドアップ)する危険と隣り合わせなのですから。
実は「ボールを先に打ち、その後でディヴォットを取る」ことは、ボールを押し潰し、正しいスピンを掛ける結果を追求するもので、自動的にFLW(フラットな左手首)が実現する打ち方なんですね。ボールの数センチほどターゲット方向を見つめながら打つのが最善ですが、それが難しければFLWで打つのが次善の策と云えましょう。
それにはクラブヘッドではなく左手首を先行させることです。地面に対して左手首を伏せ目に打ち下ろせば、間違いなくボールを押し潰すことが出来、ボールは真っ直ぐ飛びます。ただし、クラブフェースを伏せ目にすることでロフトが多少減るため、通常より数ヤード距離が伸びるので要注意です。これが常に実行出来れば、パーオン率が向上するのは間違いありません。
これまでパー3の攻め方について色々試行錯誤して来ましたが、このFLW作戦が最も効果的です。何しろ、真っ直ぐ飛びますから。残るは距離ですが、これはホールのレイアウト(傾斜、ピンの位置、地面の乾燥状態など)を勘案したクラブ選択の問題となります。
【おことわり】画像はhttp://perfectgolfswingreview.net/にリンクして表示させて頂いています。
(July 21, 2019)
●真っ直ぐ打てない理由
以下は私の経験則であり、権威ある者が述べた意見の紹介ではありません。しかし、日々のラウンドで自分のプレイとその結果を検証すると、「これは間違いない」という確信となっています。
私は、全てのゴルファーに真っ直ぐ飛ばすことが出来る最適のテンポ(スウィング速度)というものがあると思うのです。Nick Fald(ニック・ファルド)はドライヴァーからピッチング・ウェッジまで全部同じテンポでスウィングしたそうです。それが、私の説を裏書きしてくれると思います。
私がある距離をあるクラブの目一杯のパワーで打たなければいけない状況になると、必ずプルします。目一杯のパワーで打とうとすると、スウィングが早くなります。私の理論ではスウィングの速度を上げるとクラブフェースがスクウェアになるべきタイミングを通過し、クラブフェースがクローズになりかけた時(図左)にインパクトを迎えるので、クローズ・フェースによってプルが生じて当然なのです。
パー3では目一杯飛ばす必要はなく、適切なクラブを選択しさえすれば最も大事なのは正確な方向性です。正確に真っ直ぐ打とうとする時、われわれはゆっくりの速度でスウィングしようとします。しかし、通常のスウィングより遅いスウィングだとクラブフェースがスクウェアになり切る前(図右)にインパクトを迎えるため、オープン・フェースによってボールは右へ出てしまいます。
われわれにとって必要なのは、真っ直ぐ打てるテンポを先ず見つけること。それを発見したら、どんな理由があってもそのテンポを変えないで打つことです。
では、どうやって自分にとっての最適なテンポを見つけるか?「 ヘッド・スピード測定器」というものがあります(ローンチ・モニター登場のずっと以前の製品)。これを使って、真っ直ぐ打てた時のスウィング速度をメモし、その最大公約数をとればそれが最適の速度と云えます。実際にこのアイデアを試してみました。
ある日の早朝、まだ誰もプレイしていないパー3のいくつかでアイアンやハイブリッドを打ってみました。真っ直ぐなボールを打てた速度は67mph(約30m/s)前後でした。
私の理論が大筋において正しいことが証明されました。正確に打とうと速度を落とすとプッシュし、急速に打つとプルしました。67mph(約30m/s)以上でも以下でも真っ直ぐ打てないのです。67mphは、私の気持ちとしてはやや早め。しかし、急速ではありません。
さて問題は、この67mph(約30m/s)のスウィングをどう身につけるか?
その後も練習していますが、なぜスウィング・スピードではなくヘッド・スピードと呼ばれるかが判りました。私の通常のスウィングではいくら動作を速くしても速度は52mph(約23m/s)程度なのです。67mph(約30m/s)には到底達しません。ところが手首をコックするとたちまち63mph(約28m/s)となり、目標に近づきます。
つまり身体の動作(スウィング)をいくら早くしてもクラブ・ヘッドのスピードは早くならないのです。コックして初めてヘッドの速度が最大になるのです。それが、(スウィング・スピードではなく)「ヘッド・スピード」と呼ばれる理由です。ゆっくり目のスウィングでも、ちゃんとコックさえすればヘッド・スピードは上がります。
(Aug 03, 2019)
●傾斜地のアプローチの法則・自画自賛最近、他人のゲームを見るのが面白くなりました。ゴルフ仲間が斜面からのショットをする時、私はその斜面のおおよその角度を考え、彼のボールからピンまでの距離を目測します。例えば、斜面の角度がおよそ20度、ボールからピンまで20ヤード位とします。転がしでなく、ボールを宙に浮かべるつもりなら、彼は全体を40ヤードとして打たなくてはならない。しかし、彼の脳味噌はピンまでの直線距離の20ヤードしか考えられないので、距離の半分しか打てず、大幅ショートします。そして「チョロった!」などと叫びます。チョロったわけではなく、斜面の角度を無視しただけなのに。
他人とは云え、彼らは私のチーム・メンバーなので、本当は彼らに失敗して欲しくないのです。しかし、彼らに私の発見(「砲台グリーンの斜面からのチップ」07/01)を説明するのは時間がかかるし、第一誰も信じてくれないでしょう。私ごときがそんな発見をするなんてことすらあり得ないと思うでしょうし。
ここのところ、私の斜面からの寄せは大体において1ピンの範囲に寄っていますが、まだ誰もそれがある法則を利用しているとは気づきません。
私自身、「え、この距離で50ヤードとして打つわけ?」と信じられない思いをしたこともあるのです。ホームランを恐れて、せいぜい40ヤードとして打って大幅ショート。法則の発見者当人がこれですから、まして他人が信じるわけがありません。しかし、私はもう迷いません。計算の結果が50ヤードと出れば、その通り打ちます。
「砲台グリーンの斜面からのチップ」という記事はグリーンに直近の斜面を想定して書きましたが、実はどんな斜面からでも有効です。写真のようにグリーンまで100ヤードだろうと120ヤードだろうと。要するに、斜面によってアイアンのロフトが増えれば、ボールは高く上がって距離が減るので、その分を埋め合わせしなければならないのです。《ロフトが10°増えたら10ヤード足す》、これが鉄則です。
【おことわり】画像はhttps://www.golfchannel.com/にリンクして表示させて頂いています。
(Aug 03, 2019)
●びしょ濡れグリーンでのパッティング
29℃前後の日が続き、市営ゴルフ場のグリーンズ・キーパーたちもグリーンへの頻繁な散水を余儀なくされています。それはいいのですが、夜明け前や夕方に散水してくれればいいのに、丁度われわれシニア・グループがプレイする頃に大々的に散水するので困ってしまいます。苦情を云ったら、グリーンズ・キーパーがこう云いました。「われわれももっと早く散水したいんだが、市が認めてくれないんだ」 定時以前の労働だと余分の手当を支給しなければならない…ということのようです。 というわけで、われわれはスプリンクラーの放水から逃げ惑いながらプレイすることが多くなりました。ひどい日には、相当注意しても三回位ずぶ濡れになったりします。 ある日のシニア・グループのゲームのNo. 8(パー4)、私の二打目はピンの下2メートルにつきました。ところが、二つのスプリンクラーが放水中で、カップの周りは水浸し。パットしようとすると、ボールを芝の上でなく水の上を転がす感じ。その日の朝、私はたまたま6メートルぐらいのパットを練習していましたので、その強さで打ちました。ボールは真っ直ぐ滑走してポトンとカップイン。奇跡的バーディ。 数日後、又もやNo. 8。今度は私の二打目はピンの左横1.5メートルにつきました。そして、又もやスプリンクラーによる豪雨で私のラインは床上浸水。二名のチームメイトが濡れたグリーンを打ち切れず敗退。三人目がしっかり打ちましたが、ややプッシュしてボール一個分カップの下へ(パー)。私は前回のパット成功の自信がありましたし、もうパーは要らないので私の使命はバーディのみ。 前回の経験から、私は約三倍の強さで打たなければいけないと悟っていました。カップの左端を狙ってバシーッ!と打ったボールは、又もやカップイン、バーディ!。 |
奇しくも、バンカーで打つ強さも普通の三倍なんです。びしょ濡れグリーンでの強さも三倍。これは覚え易いです。
(Aug 15, 2019)
●素振りの御利益
最近、アイアン・ショットで見事にピン傍に寄せたことが何度かあります。それらに共通するのは、打つ前の準備でした。素振りをし、その時のスウィング弧の最低点(クラブヘッドが地面と接触した位置)をボール位置にしたのです。
私のアイアン・ショットのボール位置は原則としてスタンス中央です。普段は迷わず、素振りもせずにヒットします。しかし、トップが続いた後のあるホールでは、三回ほど素振りをしてみました。驚いたことに、その全てでスタンス中央より後ろがスウィング弧の最低点だったのです。その時は素直にその地点をボール位置として5番アイアンを打ち、グリーン中央への惚れ惚れするような結果を得ました。
別の日のあるホール。今度は意識的にその時点でのスウィング弧の最低点を知るつもりで三回ほど素振りしてみました。クラブヘッドが草を薙ぎ払った地点は、またもやスタンス中央より後方でした。そこをボール位置として定めて放った8番アイアンは、見事にピンの下方1.5メートルへ。
かと云って、常にスタンス後方がスウィング弧の最低点というわけでもないのです。多くはスタンス中央です。
アイアンでは正確な位置でインパクトを迎える必要があります。《ボール位置は一定》というのが常識ですが、プロでもシングルでもないわれわれのスウィング弧の最低点は、日毎・時間毎に変わってしまい、一定してないようです。地面の傾斜によっても変わります。ですから、その時の素振りの結果で流動的にボール位置を決める方が安全ということになります。
素振りによってボール位置を定める効果は、ウェッジによるチップ・ショットでも発揮されます。グリーンが近くなると、往々にして地面は左足上がりのライになります(グリーン・オーヴァーすると左足下がり)。こういう傾斜地ではスウィング弧の最低点が変わり易い。その地点を見定めることが、クラブとボールの理想的な接触を得るベストの方法と云えるようです。
【おことわり】画像はhttps://www.golfchannel.comにリンクして表示させて頂いています。
(August 15, 2019)
●ガニ股で乗せるある夜、この『日記』のバックナンバーをチェックしていて、たまたま右の写真が目に止まりました。これはSung Hyun Park(【英】サン・ヒュン・パーク、【日】パク・ソンヒョン、韓国)のダウンスウィング開始の一瞬です。Sam Snead(サム・スニード)のようなオジン風ガニ股ではなく、女性らしく控え目な、しかし紛れもなくガニ股によるダウンスウィング開始です。
トップに達した後、下半身をガニ股にしてからダウンスウィングを始めるのは、手打ちを防ぐ特効薬でもあります。膝がターゲット方向に開くに連れ、左肩が追随し、最後に腕・手が振り下ろされる…下半身主導のスウィングの理想的順序であり、パワフルかつ方向性の良いショットが実現します。
これを見た次の日のラウンドで、最初からこの写真を思い出せば良かったのですが、思い出したのはNo.15(パー4)の二打目地点でした(遅い!)。ピンまでの残り距離は140ヤード。平坦なレイアウトならアイアンの距離ですが、かなり下ってから凄い登りとなる砲台なので、かなり長めに打たないと届きません。私の場合は18°ハイブリッドを24センチほど短く持って打つ距離。
このグリーンは一寸でも短いと砲台の途中で止まるか、ころころ戻って来てしまうし、グリーン中央にオンさせるとどんどん転がって突き抜けてしまいます。とても自信を持って打てる場面ではありません。そこで、ふっと頭に蘇ったのがこのガニ股の写真。「とにかくガニ股実現を目標にスウィングしよう」と思いました。
ボールはピンの10ヤードほど左に向かって飛び、僅かにグリーン手前に着地し、ころころとグリーン中央を右へ横切り、ピンの右上方2.5メートルで停止しました。望外の成果。ただし、パットに失敗しバーディは逃してしまいました。
No. 16もパー、No.17もパー。No.18(パー4)のティー・ショットをポップアップさせた私は、二打目のハイブリッドもショート目で、残り95ヤード。8番アイアンを1.25センチ短く持ってアドレス。このグリーンも砲台ですが、普通に打つとボールが止まらないことが判っているので、ボール位置はスタンスの左サイドにし、高い木を越える時と同じように、右に体重を残したスウィングによって、高い軌道でボールを止めなくてはなりません。ガニ股スウィングだけに意識を集中した私のショットはピン目掛けてまっしぐら。「うまく止まったろうか?」と近づいて行くと、なんと、ボールはピンの横20センチについていました。ポップアップの恥辱を雪(そそ)ぐ至難のパー。
今後はNo.1からずっとガニ股志向でプレイしなきゃ。
(Aug 24, 2019)
●ポップアップを克服する
ここ数ラウンド、醜悪なポップアップに見舞われていました。私のティー・ショットを見守っていた仲間が「あれ?」「え?」「どこへ行った?」と狐につままれたように途方に暮れます。しばらくしてから、50ヤードほど前方にボールがぽとんと落ちて来ます。恥ずかしいったらありゃしません。これが、1ラウンドに三回ぐらい出ます。
見兼ねた仲間の一人が、「ティーアップが高すぎるんだ。元に戻せば?」と云いました。そう簡単な問題じゃないのです。ティーアップの高さはここ一年同じなのですから。
私のセットアップは右図のように、精一杯高くしたティー、その後ろ18センチほどでクラブ・ヘッドを構えます。以前は15センチ後方で構えていましたが、その後クラブヘッドはじりじりと後退し、最近では18〜20センチとなっています。18センチはボール約四個分後ろです。適切にアイ=ハンド・コーディネーションを利用すべく、目はフェース直前の青丸地点を凝視しながらスウィングします。
なぜ、ポップアップが生じるのか、文献に当たろうとしましたが、そういうことは全部この『日記』に書き抜いてあるので、『日記』の「テクニック別索引」で「ポップアップ」を検索しました。いくつかヒットした中で、一番良さそうなのは「ポップアップのティーによるスウィング診断と治療」(tips_171.html)というtipでした。
その内容は「ドライヴァーはスウィング弧の最低点を通過し、上昇軌道になった時点でインパクトを迎えるべきものである(右図の緑線)。上昇中のヘッドで打てば、打った後ティーは地面に刺さったまま残らねばならない。ティーが跳ね上がって飛んでいるようなら、急降下中のフェースとクラウンの境目の角でボールを打ってしまうためポップアップの原因となってしまう(右図の赤線)」というもの。
早速練習場へ行って試しました。私の場合、ティーが地面に刺さったままにはなりませんが、ポップアップ撃退法は発見出来ました。私の上図のセットアップでは、肩幅に開いた左足の爪先前方をボール位置としていました。それがいつの間にか爪先の内側になっていたのです。つまり、クラブヘッドが完全に上昇する以前にボールを打っていた。結果的に下降中にインパクトを迎えるのと同じ現象が起きていたのです。
この日の練習で、左足爪先前方よりも小指の外側をボール位置とすれば、完全に上昇軌道でボールを打てることが判りました。これで一安心。
ところが、その次のラウンドでも二度ほどポップアップを出し、ガックリ。キャプテンたる者が二度もポップアップするのは切腹ものです。
仕方なく、ヴィデオ・カメラで撮って確認することにしました。撮影のために、木片にボールからヘッドまでの距離を12、15、18、20、22、25センチと色分けしました。どれが最適なのか、どれだとポップアップになるのか?私のヴィデオ・カメラはスポーツ用のハイスピード・シャッターが選べるので、インパクトの瞬間が撮れると思ったのです。大間違い。左の写真が精一杯で、何十発も打ったのにインパクトの瞬間など他には全く撮れませんでした。TV放送局の超高速度カメラでないと無理のようです。ポップアップは、ボール後方12センチでアドレスした時に出ました。高いティーに対してヘッドが近過ぎるのです。
写真のボールがフェースと接している部分は「ホット・スポット」と呼ばれるところで、最近は(フェースの中心でなく)ここでボールを捉えるとバック・スピンが減り、飛距離が増すとされています。これより上になるとポップアップの危険が生じます。
しかし、ヴィデオを点検するまでもなく、結論はボールを打ってみた時点で出ていました。私が現在愛用している8.4センチと昔使っていた7センチのティー二種類、およびボール位置を左爪先の前と左爪先の外側の二種類の組み合わせ都合四種類を試したのですが、次ぎのどれでもポップアップを回避出来ることが判ったのです。
1) 8.4センチのティー、ボール位置:左爪先の外側、ヘッドはボール後方25センチ(ボール約六個分後ろ)
2) 7センチのティー、ボール位置:左爪先の前、ヘッドはボール後方18センチ(ボール約四個分後ろ)
上のどちらも軌道、打感双方で満足出来たのですが、問題は「では、どっちの方が飛ぶか?」です。練習場ではどれだけ飛んだか判りませんので、平坦なパー5のホールに赴き、ラウンド用のボールを使って実際に打ってみました。
両方ともいい当りでしたが、何と7センチの低いティーで打った数個のボールが、高いティーで打ったものより20ヤードも遠くに飛んでいました。
高いティーで高い軌道で打つのがトレンドの筈なのに、これはどういうわけか?現在の私の身体が上昇軌道のスウィングに向いていないのかも知れません。そう云えば、撮影したヴィデオのいくつかで、インパクト直後に砂煙が立っていました。もし下降軌道でスウィングしていたとしたら、ちょっとした弾みでポップアップするのも無理はありません。
いずれにしても、7センチのティーでボール後方18センチで打てばポップアップを防げるだけでなく、現在以上に飛ばせることが判ったのはめっけものでした。
(August 24, 2019)
●両手の高さを揃えてパット私のゴルフ歴は50年に及びますが、そのうち30年はサラリーマン・ゴルフで、年にほぼ数回、多くて五・六回という頻度でした。これは日本の大方の現役サラリーマン・ゴルファー諸氏と変わらないでしょう。しかし、その後の20年は少なくとも月6〜10回ラウンドし、しかもこの間に100冊余のゴルフ本と毎月配達されるゴルフ雑誌数誌を読み漁りました。その研究結果をリポートしたのが、このサイトです。四年を学士課程、六年を修士課程とすれば、20年の研究と実践は博士課程以上でありましょう(^^;;。
つまり、私のこのサイトには研究と実験結果全てが網羅されているということです。最近、私は新しいパッティング・ストローク・メソッドを開発しようとして、残念ながらそれに挫折したのですが、では元の好調時のストロークにすぐ戻れるか?というと、そんな甘いものじゃありません。身体はすっかり以前のストローク法を忘れてしまっています。私がどうしたか?私はこの『日記』のバックナンバーを遡って、「三つのバーディを得た」とか「四つのバーディを得た」などという時期に実行していたストローク法を読み返しました。そして以下のtipsが網にかかりました。
1)「スウィートスポットでパットすべし」(tips_195.html)
2)「パットの方向性を良くする裏技」(tips_195.html)
3)「ハーフのパット総数10を恵んでくれるグリップ」(tips_195.html)
4)「パットする際、両手の高さを揃えよ」(tips_195.html)
私は左手首を折りたくないので、パターを両手の生命線で握ったスプリットハンズにし、レフトハンド・ローのスタイルによってストロークするのがいいと考えています。これは(3)そのものです。この方法だと(2)の「裏技」を使う必要はなくなります。(1)のスウィート・スポットでパットすることと、「ボールの残像を見よ」(tips_171.html)は常に実行しています。
最近やっていなかったのは(4)の両手の高さを揃えることでした。ある日のラウンド、この「両手の高さを揃える」をパットする度に必ず実行してみました。No.1でチームメイトがことごとくパー・パットに失敗した後、2メートルのブレイクのあるパットに成功しパー。これは、読みの正しさと両手の高さを揃えたことが相俟ってのことだと思われました。No.1のパーは誰にとっても難しいことなので、いつもだと有頂天になり、「今日はいいスコアで廻れるかも知れない」と浮き浮きしちゃうのですが、この日は「まだ先は長い。どうなるか一寸先は闇だぞ」と自分を戒めました。
No.2でも3メートルのパットに成功しパー、No.3はバーディ逃しのパー、No.4(パー3)は1メートルにチップで寄せてパー、No.5も1.2メートルに寄せてパー。この分だと、よっぽど愚かなミスをしなければいいラウンドになることが期待出来ました。しかしそう思った途端、No.6(パー5)とNo.7(パー3)で連続ボギー。結局このハーフは2オーヴァーでした。パット数は13。これは悪くない数字です。紛れもなく「両手の高さを揃えてアドレス」した効果と云えるでしょう。
後半は2ボギー、2バーディのハーフ・パー・プレイで、パット数13。1ラウンドのパット総数は26、トータル2オーヴァーでした。私の目標はサイト名で明確なように《(出来れば)常に7オーヴァーで廻る》ですから、2オーヴァーは出来過ぎの感があります。
「パットする際、両手の高さを揃えよ」(tips_195.html)という記事では、私は「だらんと垂らした右手に左手を合わせる」と書いたのですが、今回は逆に、パターを持たずにだらんと垂らした左手に、パターを持った右腕を合わせてみました。何故かと云うと、右手はパワー源に過ぎず、方向性を司るのは左手だからです。その考えが正しかったのかどうか、ともかく結果オーライでした。「両手の高さを揃える」はとても簡単で、5秒もかからずに調整出来、いい結果をもたらしてくれるのでありがたい。
なお、手の上げ下げだけで両手の高さを揃えるのではなく、私は面倒でも両足を前後させて同じポスチャーを維持しながら両手の高さを揃えたことを附記しておきます。
【写真へのコメント】写真のBryson Decjambeau(ブライスン・デシャンボー)はパッティングだけでなく、フル・スウィングでも両手を伸ばしてアドレスします。彼はPGAツァー内で、褒め言葉とも冷やかしとも取れるニックネーム"scientist"(科学者)で呼ばれています。
【おことわり】画像はhttps://s3.amazonaws.com/にリンクして表示させて頂いています。
(September 01, 2019)
●パッティングの核心
数時間パッティングだけの練習をしていて悟ったことがあります。それは、 《パターヘッドのスウィートスポットでボールの真ん中を打つと、成功率が高い》 …ということです。 上のようにするとボールは真っ直ぐ転がり(方向性が良い)、しかも転がりが良く(ショートしない)、カップに沈むか、沈まないまでもギミー(OK)の距離につきます。 よく云われる「頭を残せ」とか、私の「残像を見よ」なんてtipsは実は本末転倒で、ボールの真ん中を打とうとすれば否応なく頭は残り、残像を見ることになります。何をおいてもスウィートスポットでボールを打つことに専念すべきです。 眼(まなこ)をくわっと見開いて親の仇のようにボールの一点を凝視し、そこにパターヘッドを戻す。これはストレート・ストロークであろうが、アーク・ストロークであろうが同じことです。一度試してみれば、いい加減なストロークとの差は歴然です。 で、私の理論への我田引水になりますが、アドレスで両手両腕を伸ばしておけば、スウィートスポットで打つことが簡単に出来ます。両肘を曲げた「パンタグラフ型」のアドレスは、ストローク中に微妙に両手・両腕・両肘の長さと角度が変わり易く、スウィートスポットを外し易いように思えます。 |
ある日のNo.16(200ヤード、パー4)、私の二打目である20ヤードのチップはピンハイではあるもののカップの左5メートルに逸れてしまい(いつもは1〜2メートルに寄るのに…)、思わず舌打ちしてしまいました。「とにかく、ギミー(OK)の範囲に寄せてパーを得よう!」と思い、ボールの一点を凝視しながらストローク。ボールはとろとろとろとろと疲れ切ったマラソン・ランナーのように転がり、「いつへたり込むか?」と見守っていると、遂にカップまで到達してころりんと転げ込みました。バーディ。ね?スウィートスポットで打つと、よく転がるのです。
ストロークの仕方にも色々あります。私の仲間でも短いバックストロークでバチン!と弾くようにボールを打つ人、流すように転がす人…と多種多様です。最近の私はボールに付けた小さな赤い丸を凝視しながら、その一点をターゲットに向かって押し出すようにストロークしています。「打つ」という気持ちではなく、まして「弾く」のではありません。「ストレートに押す」という感じ。これは短いパットにはとても効果があります。10メートル以上になると押すだけでは届かないので、多少弾く要素も必要になりますが。
【参考】「スウィートスポットでパットすることの重要性」(tips_185.html)
(September 01, 2019)
カナダの異才Moe Norman(モゥ・ノーマン)のスウィングをモデルとする“シングル・プレーン・スウィング”を提唱するインストラクターTodd Graves(トッド・グレイヴス)が製作したDVDに興味深い分析が説明されています。これはPGAツァーの若手Justin Thomas(ジャスティン・トーマス)の身体の数ヶ所にセンサーを装着して、スウィング中の変化を記録した結果で、測定者は生体力学が専門のRobert Neal(ロバート・ニール)博士です。
Justin Thomas(ジャスティン・トーマス)のスウィングは、
・どちらかと云うと真っ直ぐ立った姿勢のアドレス
・インパクトで15°飛行線後方(右方)に背骨が傾斜する
・インパクトで腰骨が2インチ(約5センチ)上がる
・インパクトで右手首が返され、その角度は約13°である
インパクトで腰骨が上がるのは、曲げていた膝を伸ばしたか、爪先で立って伸び上がったせいだそうです(多分両方でしょう)。
インストラクターTodd Gravesは、上のJustin Thomasのスウィングを自分が提唱するシングル・プレーン・スウィングと比較する意味で取り上げています。詳しくはYouTubeヴィデオ(https://www.youtube.com/watch?v=B-C15d5sCVA)を御覧頂きたいと思いますが、要点をまとめると次のようになります。
Justin Thomas(左)やJustin Rose(ジャスティン・ローズ)に代表される現在主流のメソッドは、2プレーン・スウィングです。【上のURLのYouTubeヴィデオには、他にも数名のプロが登場します】アドレスで両腕をほぼダランと垂らし、ボールと身体の間隔を狭く立つので両腕とクラブは一直線ではなく、手首のところで〈 の字のように折れ曲がります。その時のクラブシャフトとその延長線を写真上に描いたものがプレーン①(赤線)です。しかし、バックスウィングでクラブはアドレス時よりも高く上げられ、インパクト時には〈 の字は解消されて両手・腕が伸ばされます。何らかの調整をしないと物理的にはヘッドがボールの向こうへはみ出てしまいます。その辻褄合わせのために、腰を上げなくてはならない。腰が上がるため、インパクト時のクラブシャフトとその延長線はプレーン①よりも遥かに高くなります(黄色線のプレーン②)。プレーン数は都合二つという複雑な動作となり、ゴルファーはインパクトで肩は下げなくてはならず、腰は逆に上げなくてはならない。この相反する動作は、腰背部に多大なストレスを与える…とTodd Gravesは説きます。(確かに、腰痛になるゴルファーが多いのは周知の事実)
Moe Norman(右)のスウィングは、ボールと身体の間隔を離し、クラブと両手・腕を真っ直ぐ伸ばすアドレス(プレーン①)。これだとクラブシャフトと両手・腕が一直線となるプレーンで構え、バックスウィングもダウンスウィング(プレーン②)もその同じプレーン上で振られるのでプレーン①と②はぴったり重なります。【赤線と黄色線が僅かにズレているのは、Moe Normanがボールから30センチほど後方に離してアドレスするせいです。そうでなければ、二つの線は完全に重なります】また、Moe Normanのスウィングで顕著なのは、アドレスからインパクトまで背骨が終始同じ角度で保たれていること。さらに、彼の両足はベタ足のまま浮き上がらないこと。何故か?彼の場合、単一プレーンなので、立ち上がったり踵を浮かしたりしてプレーンの違いの辻褄を合わせる必要が無いからだ…とTodd Gravesが解説します。また、このスウィングは腰背部にストレスを全く与えないそうです。いいことづくめです。Moe Normanはターゲットに向かってフォロースルーするので、手首を返したりもしません。これも正確に飛ばせる秘訣の一つでしょう。
PGAツァーの若手Bryson DeCambeau(ブライスン・デシャンボー)は、プロ入り三年で七勝を挙げていますが、彼はシングル・プレーン・スウィングを採用して活躍しています。
私もシングル・プレーンでスウィングしていたつもりでしたが、最近鏡でチェックしたら腕・手とクラブは一直線ではありませんでした。伸ばしていたつもりだったのに、僅かに〈 の字に折れ曲がっていたのです。次のラウンドから、私は一貫して両腕を伸ばしたアドレスで通すようにしました。直後のラウンドはあまり自信がなかったせいで、パーオンした数はたった四ホールでした。しかし、その次のラウンドでは七つのホールでパーオン出来、4ボギー、2バーディの計2オーヴァーで廻れました。最初のバーディはNo.13(184ヤード、パー3)で、ティー・ショットをピン手前1.5メートルにつけ、パットに成功してバーディ。二つ目はNo.18(パー4)の二打目(残り約115ヤード)をピン横1メートルにつけ、バーディ。どちらもシングル・プレーン・スウィングの功績でした。方向性は抜群で、ティー・ショットは全てフェアウェイをキープ、距離も満足…という快打の連続でした。
その次のラウンド、Moe Normanのようにテイクアウェイで直ちにインサイドに引いたまでは良かったのですが、フォロースルーもインサイドに引いてしまい、プルを生じました。「Moe Normanのようにターゲットに向かって振り抜かなきゃ!」と決意してからは真っ直ぐ飛び出しました。この日もパーオンは七つ。No.16(200ヤード、パー4)は上り勾配でもあり、ロングヒッターでないとグリーンサイド・バンカーには入らないのですが、この日の私は入っちゃいました。シングル・プレーンは飛距離増にも役立つようです。
次回の「従来型スウィングとシングル・プレーン・スウィングの比較対照表」に続く。
【参考】
・「Natural Golf(ナチュラル・ゴルフ)」(tips_10.html)
・「Moe Norman(モゥ・ノーマン)のスウィング」(tips_195.html)
・「Justin Thomas(ジャスティン・トーマス)の両脚を伸ばして飛ばせ」(tips_193.html)
(September 07, 2019)
●飛ばしたきゃ真芯で打て
今になって思い当たりました。私がなぜJustin Thomas(ジャスティン・トーマス)風に伸び上がって打つと快打が生まれたか。私もそれと自覚せずに2プレーン・スウィングをしていたので、Justin Thomasのようにインパクトで立ち上がって初めてフェースのスウィート・スポットで打てたのです。【参照「Justin Thomas(ジャスティン・トーマス)風に飛ばす(tips_197.html)】
しかし、膝を伸ばし爪先で立っても、常に快打になるとは限りません。伸び上がり過ぎたり、伸び足りなかったりしたのでしょう。必ず同じ高さに立ち上がるなんて、ロボットでないわれわれには無理です。それも1センチ以下の数ミリの精度の違いなんですから。
そこへ行くと、Moe Norman(モゥ・ノーマン、写真右。左はホーガン)の両手・腕を一直線に伸ばしたアドレス、終始ベタ足で立ち上がったりしないで済むシングル・プレーン・スウィングでは、数ミリほどの誤差もなくインパクトを迎えられるらしく、スウィートスポットで打てる確率が高まります。事実、私のショットにスウィートスポットで打てた時のあの何とも云えない打感(手にビリビリという振動が伝わらない、手応えのないフワッとし感覚)が頻繁に得られるようになりました。
シングル・プレーン・スウィングを再履修してみて、最初違和感があったのは低いトップです。われわれは雑誌やTVに出て来るPGAツァー・プロのスウィングを真似して高いトップを作っています。そして、トップから急降下で打ち下ろす。シングル・プレーンでは、左肩が顎に、両手が右肩に達したらそこがトップです。左腕は地面と平行より少し高い感じ。「こんなんでいいの?」って思っちゃいます。
この高さから打つのは、ほとんど横殴りのビンタのようなもの。横殴りですから、インパクト後飛行線の内側(三塁側)へフォローを出すと、正真正銘のプルになります。シングル・プレーンのフォローはターゲット方向(二塁)に繰り出さなくてはいけません。で、これが飛ぶんです。当社比ですが、シングル・プレーンを再履修する以前のスウィングより(着地点の硬さ次第で)20〜30ヤードも多く飛んでいます。スウィート・スポットで打つ御利益に違いありません。このスウィングは柔軟性が衰え始め、飛距離減に悩む中年以降のゴルファーにお薦めです。
パットでもチップでもボールの真芯をクラブフェースの真芯で打つことが最重要ですが、距離が長く曲がり易いドライヴァー・ショットではまさに鉄則だと思います。
【おことわり】画像はhttp://jeffygolf.com/にリンクして表示させて頂いています。
(September 07, 2019)
●従来型スウィングとシングル・プレーン・スウィングの比較対照表カナダの異才Moe Norman(モゥ・ノーマン)のスウィングをモデルとする'Natural Golf'(ナチュラル・ゴルフ)の詳細を記した本は、ずっと前に簡単に紹介しています。その本はMoe Normanのスウィングを生徒に教えるための教科書のようなもので、さらに特別なクラブを購入しなければいけないように書かれていたので、当時真剣に取り組んだり、詳しく紹介したりする気になれませんでした。しかし、よく考えると、特別なクラブなど買わずとも、シングル・プレーンは充分実行出来ることに気づきました。
シングル・プレーンに興味を持たれた方のために、他の留意点を書き抜いてみます。(*)印はこの対照表にはなく、本文に書かれていることを編者が独自に付け加えた部分です。
'Natural Golf'
by Peter Fox with John Burrill (Masters Press, 1996, $14.95)
従来型スウィング | シングル・プレーン・スウィング | |
---|---|---|
グリップ | 左右ともフィンガーで握る | 左右ともパームで握る【詳細は下の写真参照】 |
右手の角度 | 特に無し | sup-45-abduct position【註】 |
右手のナックル(*) | 二つ見える | 全く見えない |
スタンス | 狭い〜広い(お好みで) | 広い(少なくとも両踵を約56cm離す) |
体重 | 両方の踵に平均に | 平均 |
ボール位置(*) | 左踵の内側〜中央 | ドライヴァーでは左肩の外側 |
アドレス時のヘッド位置 | 約6cmボールの後ろ | クラブによって変化。ウェッジではボールの後ろ、ドライヴァーではボールの30cm後ろ |
アドレス時の手の位置 | 高い、低い、前方と様々 | 身体の中央 |
手が形成する軸 | 2軸(飛行線後方から見ると右手とシャフトが屈折)、4つのテコ(シャフト、手、前腕、上腕) | 1軸(飛行線後方から見ると右手・腕とシャフトは一線)。3つのテコ(一体になったシャフト・手、前腕、上腕) |
スタンス・ライン(*) | ターゲット・ラインに平行 | Moe Normanはクローズ目 |
テイクアウェイ | 1ピース、幅広く拡張 | インサイドへ。右手は直ちに畳む |
肩の回転 | 出来るだけ大きく | 右肩は45°、左肩は90°(左肩が顎に届いたら終点) |
腰の回転 | 抑制された腰の回転が上体に対しトルクを生む | ノー・トルク。右腰と右肩はトップで揃う |
バックスウィングの角度 | 浅いかアップライト | ターゲット・ラインの内側 |
バックスウィングの右肘(*) | 下を向くか高く上げるか | インパクトに至るまで常に左肘より下 |
バックスウィングの長さ | 出来るだけ長く | トップでの両腕は胸の高さで水平より僅か上 |
体重配分 | 左右両側に極端 | 中央 |
トップの間(*) | 停止しない | トップでごく僅かに停止(【編註】この本にはこう書いてありますが、Moe Normanは停止しません) |
ダウンスウィングの始動 | 下半身の回転 | 身体が5cm下がる。右肘を右腰の前に落とす、身体の回転は最少 |
体重移動 | 急激にターゲット方向へ | 両腕でコントロールされる |
インパクト時の両手 | 急激に回転 | 右手はsup-45-abduct position【註】 |
インパクト時の両足(*) | 右足あるいは両足が上がる | 左右両方ともベタ足 |
インパクト時の身体の向き(*) | ターゲット方向を向く | アドレス時に戻ってボールを向いたまま |
フィニッシュ&フォロー | 身体の大きな回転 | フォローはターゲット方向へ。快適な姿勢でフィニッシュ |
【註】sup-45-abduct positionとは'Natural Golf'の造語で、アドレスで右手を次のように構え、インパクトでもその構えを再現します。 1) 掌をターゲットに向けつつ右手を身体の前に伸ばす。2) 右手を後方に45°廻し、ある程度掌が空を向くようにする。3) 右手首を折り、手の甲がズボンの右ポケット方向に近づくようにする。(【編註】この本にはこう書いてありますが、Moe Normanはこれを目に見えるようにはやっていません)
・シングル・プレーン・スウィングのグリップ
左手 | 右手 |
---|---|
【参考】
・「Natural Golf(ナチュラル・ゴルフ)」(tips_10.html)
・「Moe Norman(モゥ・ノーマン)のスウィング」(tips_195.html)
・「Moe Norman(モゥ・ノーマン)の半生」(tips_85.html)
・「'Natural Golf'(ナチュラル・ゴルフ)誕生秘話」(10/11)
(September 12, 2019)
●私の(自己流)シングル・プレーン
'Natural Golf'は特製のクラブを販売しているのですが、よく考えると貧しかったMoe Normanが特別なクラブを使っていた筈はないので、これは'Natural Golf'の商魂に過ぎず、そんなものを購入する必要はありません。同様に、上の比較対照表のシングル・プレーンの要素を、全て完璧に実行しなくてはいけないものとも思えません。
私はウェッジを除く全てのクラブのハンドルを太くし、「ダブル・グリップの勧め」(tips_175.html)に書いたダブル・インターロック・グリップを用いており、無理にシングル・プレーンの右手のグリップをするとプッシュが出ます。今のところ、ダブル・インターロックをやめる気はありません。で、右手はフィンガー気味となっています。
また、シングル・プレーンでは「テイクアウェイ直後にすぐコックする」となっているのですが、私がこれを実行するともの凄いプッシュになってしまいます。練習不足のせいであることは承知ですが、とりあえず従前通り、手・腕を伸ばして長く引くテイクアウェイをし、それからコックしています。肩の高さで低くトップを完了する要素は遵守していますが。
なぜそんな風に自分勝手でいいのか?ある日のラウンドのあるショットで、自分流にアレンジしたシングル・プレーン・スウィングでも充分役立つことを発見したからです。No.16(200ヤード、パー4)は上り勾配で、グリーン手前全面をバンカーが守られている難しいホール。若いロングヒッターなら、ドライヴァーでグリーン・オーヴァーすることもあるし、シニアのロング・ヒッターでも第一打がバンカー入りすることはあります。私も数年前はそのクチで、ドライヴァーを短く持って打っていました。最近は?とんでもない!常に40〜50ヤードほどバンカーの手前でした。ところが、その日は別に力まずに打ったにもかかわらず真っ直ぐ飛んでバンカーに入ってしまったのです。シングル・プレーンを再履修し始めてから三度目のラウンドでした。それはまぐれかも知れないので、その次のラウンドでもドライヴァーを短く持ったりせず、普通に打ちました。真っ直ぐバンカー方向へ。「又もやバンカーか(クソ)!」と思われましたが、行って見るとバンカー手前10ヤードで止まっていました。チップで寄せるのに最高の位置。バーディ。その後のラウンドで、又もやバンカー入りしてしまいました。このホールでは、ドライヴァーは短く持たないと危険です。
ですから、シングル・プレーンの要素を全部完璧に遂行しなくても、充分恩恵に与れるわけです。重要なのは、
1) 広めのスタンス、ボールからヘッドを離したアドレス
2) 両手を上げて、クラブシャフトと右前腕を一直線にする
3) インサイドに引く短いバックスウィング
4) 終始ベタ足
5) 静かな下半身で、身体の正面でインパクト
6) ターゲットに向かってフォローを出す
…こんなところでしょうか。そう云えば、私はインパクトで両脚こそ上げていませんが、手打ちを防ぐためガニ股志向のダウンスウィング(つまり、静粛でないダウンスウィング)をしています。しかし、問題はありません。
結果が良ければいいのであって、「いいとこ取り」でもいいと思います。もし、思わしい成果が挙げられなければ、一つずつシングル・プレーン・スウィングの要素を加えて行く。
このスウィングの骨子は、短いバックスウィングでターゲットに向かってカチ上げるフォローだと思います。そのようにした時に、私の最長不倒距離が伸びているからです。あるラウンドで三回も記録を更新しました。
(September 12, 2019)
●パッティングとスコアの奇妙な関係私は、パッティングこそゴルフ・スコアの鍵を握るものだと考えています。どれほど良いショットを連続させても、パットが入らないのではバーディもへったくれもないからです。ひどい時には3パットによって、ダブルボギーという惨事も出来(しゅったい)します。パットは、各ホールにおいて画竜に点睛を入れる重要な仕事と云っていいものでしょう。
その重要なパットが不調に陥りました。現在の私は、新しいストローク・メソッドなど試していませんので、何が原因か途方に暮れました。ふと、「パターのせいかも知れない」という気がしました。
私の主力パターは1) Odyssey Rosie II(オディセイ・ロジー2、写真左)と、2) Guerin Rife 2Bar(ゲリン・ライフ・2バー、右)です。どちらもマレット型ですが、Guerin Rife 2Barはややシャフト長が短く、センター・シャフトで、錘の調整を最も重い設定にしてあります。打感はOdyssey Rosie IIは固く、Guerin Rife 2Barはフェースの構造上柔らかい…という違いがあります。同じマレット型でも、デザインも長さも手応えも丸で異なります。
ある日の練習ラウンド、アウトはOdyssey Rosie II、インはGuerin Rife 2Barと別けてプレイしてみました。スコアはアウトが5オーヴァー、インが6オーヴァー(計11オーヴァー)でしたが、パット数は断然違っていました。パット総数31の内訳は、アウトが13、インが18だったのです。Guerin Rife 2Barの出来は最低でした。
もちろん、パット数というものは寄せがうまく行っても減るものですし(寄せワンなら1に、チップインならパット数はゼロになる)、単純にパッティング技術だけの問題ではありません。しかし、この日の寄せは不出来で、1メートル以内に寄ったことはほとんどなく、「チップインって何?」っていう感じでした。それはアウトもインも同じようなものでした(全体に不調)。普通、私はインの方が得意で、インのパット数が少ないことが多いのです。
ですから、この日のOdyssey Rosie IIの圧勝は間違いありません。ただし、これはこの日に限っての話であり、パターの善し悪しではありません。Guerin Rife 2Barは、私に数ヶ月前「5バーディ」を恵んでくれた立役者だったので、それ自体が悪いわけではない。私の現在のポスチャー、グリップ、ストローク・メソッド(これらは日々、異なることがある)に合わないということだと思われました。
次の練習ラウンドでは、1ラウンド全部をOdyssey Rosie IIでパットしてみました。Guerin Rife 2Barに名誉挽回のチャンスを与えるため、今度はGuerin Rife 2Barをアウトで用い、Odyssey Rosie IIにインを担当させてみようか…という案も浮かびましたが、Odyssey Rosie IIでパット総数23ぐらいを出したい…という誘惑の方が勝ちました。
ところが、なんとパット総数は前回と全く同じ31でした。アウトで二打増え、インで二打減っただけ。今回完全に違ったのはスコアでした。前回は11オーヴァーでしたが、今回はトータル5オーヴァー。何たる違い!パット総数は同じなのですから、ショットに使った打数の差であることは歴然としています。今回はショット数が六打少なかった。それが7オーヴァー以下で廻れた原因です。7オーヴァーで廻ることを目標にしている私としては、5オーヴァーは望外の幸せと云える結果でした。
つまるところ、私にとってはOdyssey Rosie IIでもGuerin Rife 2Barでも違いはないのでした。スコアがまとまらない原因はパターのせいではなく、パッティング・メソッドのせいでもなかった。ボールがグリーンに届くまでの私のショットの技倆にあったのです。「犯人はお前だ!」
結論として、「80を切る!」が目的であればパッティングがお粗末でも問題ない、パット総数32前後でも80は切れる…ということです。もちろん、その場合、ショットが安定している必要があります。もう一つ、「愚かなミスを犯さない」ということも重要ですが。
(October 01, 2019)
●ボール位置が肩のラインを変える
私はHorton Smith(ホートン・スミス)の本を読んで以来、彼が推奨するパッティングのボール位置を左足寄りにしていました。それだと、私のレフトハンド・ローでスプリットハンズのグリップが容易であることも理由の一つでした。
左足寄りのボール位置で、ハーフのパット数13とか11で廻れたこともあるので、それが悪かったとは思えません。しかし、そう良いことばかり続かず、パット数早計27とか30になってしまうこともあり、安定しませんでした。
こういう足踏み状態の時、私は身体の左横に置いた鏡でストロークをチェックします。今回気がついたのは、ボール位置が左足寄りだと、アドレスした時に肩がオープン気味になってしまう…ということでした。「左脚がほんの僅か右脚より短い」という私の個人的事情で、常に左膝を右に押し込んでいるのですが(こうすると、肩が自動的にスクウェアになる)、左足寄りのボール位置はその工夫を帳消しにして、オープンのままにしてしまうのです。私はボール位置を中央に戻すことにしました。
【御注意】鏡でチェックする場合、出来れば裸に近い状態(裸、あるいは肩の出る下着のみ)がベストです。服を着ていては実際の肩の位置が判りません。
(October 01, 2019)
●手打ち防止でパーオン率を上げる
手打ちを防ぐ最良の方法として私が知っているのは、スウィングのトップに達した後、ダウンスウィングに移ろうとするその瞬間に左膝をターゲット方向に送り出すことです。その技の代表選手であるSam Snead(サム・スニード)の"Snead's squat"(スニードのガニ股、写真)は有名です。左膝を動かした直後は、両脚が開いてガニ股のように見えるからです。
私は特にアイアンを打つ際に手打ち防止のため、左膝で始動するダウンスウィングをしようと努力します。うまく行くと、ピンに向かって真っ直ぐ飛ぶボールが生まれます。しかし、残念ながら毎回これをちゃんと実行出来るとは限りません。左膝のことを忘れちゃう時もあるし、左膝のことばかり考えると動作がギクシャクすることがあるからです。
ある日のラウンドで、バックスウィングしながら「右」と唱え、ダウンスウィング開始で「左」と唱えてみました(もちろん胸の内で…です)。「右」と云いつつ捻転し、「左」と云いつつ左膝をターゲット方向に動かします。これだとギクシャクすることはありません。ワン・ツーのリズムも、スムーズなスウィングに役立ちます。
この呪文の発明以前のアウトでは、パーオンはゼロ。インに入ってこの呪文を唱え出したら、ハーフで六個のパー・オンを達成出来ました(このハーフのスコアは1オーヴァーでした)。ハーフで六個なら、18ホールで10〜12個も夢ではない。「パーオン率がゴルフを決める」(tips_89.html)で、元USGAの役員Lou Riccio(ルー・リッキオ)は「80を切るには、八つのグリーンにパーオンさせなくてはならない。70を切るには、13のグリーンにパーオンさせなくてはならない」と云っています。この呪文を使えば、八つのグリーンはいとも簡単に思えます。
(October 01, 2019)
●正しいコックのトップを作る'Natural Golf'(ナチュラル・ゴルフ)のモデルとなったMoe Norman(モゥ・ノーマン)のヴィデオを見て、彼の完璧なコックとレイト・アンコックに驚きました。
で、私も真似をしようとしたのですが、意識的にコックすると必ずシャンクかプッシュになってしまうので困りました。私のコックの仕方に問題があるようです。ふと、家にオーストラリア製の'Swingyde'(スウィンガイド)という練習器具があることを思い出しました。知人からの貰い物で、全然使ったことはありませんでした。この非常にシンプルな器具は、お好みのクラブに装着してスウィングすると、適切なコックの度合いとその方向を教えてくれるものです。【註】製品によっては太いハンドルには装着出来ません。ウェッジを除く私のほとんどのクラブはハンドルを太くしてあるので、ハンドルの細い3番アイアンに装着しています。
クラブフェースをスクウェアにした状態で'Swingyde'を装着します。バックスウィングした時、トップで'Swingyde'のアームの半円の部分が、写真のように左前腕にすっぽりハマらなくてはいけません。ハマらないと、クラブシャフトがスクウェアではない証拠です。ちゃんとハマれば、クラブフェースがターゲットにスクウェアなトップを構築していることになります。
この器具の美点は、プレイヤーには見えないトップでのフェース角度を教えてくれることです。スウィングの最中であれば、インストラクターでさえ肉眼ではフェース角度など認識出来ないでしょう。それが、アームの半円部分と左前腕の接触の仕方によって判る…というのは非常にいいアイデアです。
テストの結果、私の左前腕は半円の部分に正しくハマりませんでした。どうやら、私には左腕を高くする癖があるようです(多分、2プレーン・スウィングの名残り)。練習ラウンドの時、ボールを打つ前に何度か'Swingyde'を装着したクラブを振って正しいバックスウィングを確認し、それから本式にボールを打ってみました。これは大成功で、'Swingyde'による素振りをしなかったアウトは8オーヴァーでしたが、'Swingyde'で素振りをしたインは2オーヴァーでした。効果絶大という感じです。【註】正式なラウンドでは、このような練習器具は使用出来ませんので御注意。
次の練習ラウンド、まだ正しいコックが身についたとは思えなかったので、ティー・ショットや大事なショットの前に'Swingyde'を装着した3番アイアンを素振りしました。アウトは5オーヴァーでしたが、インはパー・プレイで、18ホールを5オーヴァーで廻れました。ラウンド中に練習器具を使うのは違法なので、これは公式記録とは云えません。パット総数28、パーオンは八ホールでした。
今後は家での練習で'Swingyde'によるバックスウィングを身体に覚え込ませ、'Swingyde'による素振り無しでも正しくコック出来るようにしたいと思っています。
(October 11, 2019)
●テイクアウェイの急所【プロとアマの大きな違い】私はゴルフ雑誌購読を止めたのですが、最近、何冊かバックナンバーを無料で入手出来ましたので、めぼしいものを順に紹介します。以下の記事はインストラクター集団'GolfTECH'(ゴルフテック)の代表が報告する研究リポートです。
'The thing missing from your swing'
by Nick Clearwater ('Golf Digest,' September 2019)
「われわれは、コロラド州デンヴァーにゴルフ・スウィング指導施設をオープンして以来、何万ものスウィング(写真やヴィデオ)を分析して来た。それには200人のツァー・プレイヤーも含まれている。その経験から、ある時点の動作を見ることによって中級者と上級者、さらに名人たちとを区別出来るようになった。
それは写真のように、テイクアウェイでクラブシャフトが地面と平行になった時点である。この時、ツァー・プロたちの肩は60°後方に回転している(写真左)。実際には、彼らはフックを防ぐため7°オープンのアドレスをしているので、53°回転していることになる。これはDustin Johnson(ダスティン・ジョンスン)でもJordan Spieth(ジョーダン・スピース)でも、誰でもほぼ同じである。【写真はLPGAのJessica Korda(ジェシカ・コーダ)】
アマチュアはと云うと、われわれが記録した何千ものデータでは、この同じ時点でプロよりも10〜30°も少ない。今度、練習場へ行ったら人々のテイクアウェイを御覧になり、その事実を視認されたい。
ツァー・プロたちは、この時点を越えると、肩をさらに30°回転させる。ところが、多くの月一ゴルファーはこの時点で回転をやめてしまう。そして過度にシャフトを立て、アウトサイド・インの弱々しく、かつ慢性的スライスを放つ。
これを読みながら、あなたは「だって、おれたちは20代のプロのような柔軟な身体を持ってないんだもん」と考えていることだろう。身体の柔軟性が衰えているのは事実だろうが、別にジムに通ったりストレッチングに精出さなくても、53°の回転は可能である。あなたにだって出来る!
右利きの人なら、アドレスで右足をほんの少し後方に廻しておけば、上体の回転が楽になる。また、右脚を伸ばし、左膝を内側(ボール方向)に押し込んでおくことも、回転を増してくれる。
肩の回転の度合いはゴルフ能力を隔てる重要な境目だが、腰の回転もまた指標の一つである。ツァー・プロたちは、シャフトが地面と平行になるこの時点で、骨盤を25〜30°回転させている(写真右)。月一ゴルファーのほとんどは、骨盤を廻したとしても最大でたった15°でしかない。
肩と腰の回転は、飛距離を得ることと真っ直ぐの軌道で打つために重要な要素である。より回転させれば、ワイドで長いバックスウィングに繋がり、ダウンスウィングで解き放たれるエネルギーを生み出す。これが欠けると、プロのようなスウィング・スピードは得られない。
鏡やスマートフォーンを用いて、上の二つの要素をチェックすべきだ。あなたがミスを犯していないかどうか、即座に調べる方法がある。スウィングの最中、もし左右の肘が互いに離れ離れになろうとする傾向があるなら、それは上体の回転によってではなく、腕だけでバックスウィングしている証しだ。バックスウィングでは、肩が回転する間、両手は受け身の状態に留まるべきである。
あなたがドライヴァーを振る速度が45m/s以下のゴルファーであるなら、このテイクアウェイの正しい動きをマスターすることが、遠く真っ直ぐボールを打つ近道である。
【参考】
・「ワンピース・テイクアウェイの問題点」(tips_163.html)
・「ワンピース・テイクアウェイへの鎮魂歌」(tips_165.html)
・「右手を伸ばしてスウィングせよ【ガッテン篇】」(tips_163.html)
・「正確無比なショットの秘訣」(tips_185.html)“合わせて読みたい”ダウンスウィングの遵守事項決定版。
(October 19, 2019)
●新聞丸めてパワーアップ
これは'Golf Digest’(ゴルフ・ダイジェスト)誌選出の歴代tip第二位に輝くSam Snead(サム・スニード)のアイデア。
'It's time to remember Sam Snead'
by Guy Yocom ('Golf Digest,' August 2019)
「手と手首を強靭にする良い方法は、それぞれの手で新聞紙をボールのように丸めることだ。こうして得たパワーを、バックスウィングでの大きな回転に利用する。
捻転の度を増すには、バックスウィングで左の腰と肩を一緒に廻すことだ。それもどちらかと云うとゆっくり、そして両方の手と腕を軽く保つように。急速にスウィングすると手・腕を固くし、柔軟性を損なってしまう。
ボールから後方へ向かう時、左膝を内側に折って、両脚が"K"の字になるようにする。ダウンスウィング開始では、右膝を内側に押し込み、逆"K"の字になるようにスウィングする」
(October 19, 2019)
●キャリーを伸ばせ
インストラクターButch Hamon(ブッチ・ハーモン)のtip。
'Driving for distance'
by Butch Harmon ('Golf Digest,' August 2019)
「『ドローを打ってフェアウェイを転がせば距離が稼げる』などというのは大昔の説だ。ローンチ・モニターが証明するように、全体の距離の鍵はキャリーである。キャリーを最大にする方法をお教えしよう。
先ず第一にあなたのドライヴァーの仕様をチェックして貰いたい。大方のゴルファーにとって、もっとロフトを増すことがボールを高く発射するのを助けてくれる(少なくとも10.5°が必要)。軽く、柔軟なシャフトが、あなたに秘められたスピードを解き放つ筈だ。
次にセットアップだ。右足を数インチ(3〜7センチ)ターゲットと反対方向に下げ、スタンスを広げる。それによって背骨をターゲットと逆方向に傾斜させ、頭をボールの後方に位置させる。こうすることによって、浅く掃くような角度のスウィングで高い発射角度が得られる。
バックスウィングではクラブをトップ・ポジションにセットするため、充分に時間をかけよ。ゆっくりやれとは云わないが、慎重であるべきだ。あなたの柔軟性が許す限り、ボール後方へと回転させる。
ダウンスウィングでは二つのことに焦点を合わせよ。それは右肩と右足だ。可能な限り右肩を後方に留めよ。ダウンスウィングで上体の動きが出しゃばると(その結果は、急角度の空手チョップだ)パワーは弱められてしまう。下半身がターゲット方向に向かう時、両手・両腕を落下させる。だが、下半身の動きを過激に行わないこと。右足を長く地面につけ続ければ、クラブはインサイドに留まり浅い角度のインパクトとなる。
最後に、写真のDustin Johnson(ダスティン・ジョンスン)のように、腕のスピードを終始維持し続けること。ボールに当てるだけと考えてはいけない。キャリーの距離を増すには水平に打つことと、あなたが生み出せる限りの(しかもまともにボールを打てる)速度を必要とするのだ」
私にとって重要なのは「下半身がターゲット方向に向かう時、両手・両腕を落下させる」という部分。スウィングするというより、ボールを打とうという意識が強いと、どうしても「落下」させられないのです。つい打ちに行ってしまう。落下させるのがレイト・ヒットのコツであることは解っているのですが…。
【おことわり】画像はhttps://www.australiangolfdigest.com.au/にリンクして表示させて頂いています。
(October 11, 2019)
●雨中のラウンド
その日の天気予報は昼過ぎから雨となっていたので、われわれの10時からのラウンドの終盤(昼過ぎ)に降られる公算はありました。しかし、こういう場合でも経験から云って雨が降り出すのはわれわれのラウンド終了後となることが多いので、シニアはいつも通り集まりました。
三組でプレイすることになり、私は最初の組のキャプテンにされました。ここのところ二連勝していた私は、「勝ちたい!」とも「負けたくない!」とも思わず、ただキャプテンとして恥ずかしくないプレイをしようと考えました。
雨は意外に早くNo. 4に差し掛かる頃ぽつりぽつりし始め、幸い本降りにはならなかったものの、最後までしとしとと降り続きました。本降りならどの組かの誰かが「今日はもうやめようや!」とか云い出すのですが、雨足が見えるほどではないので、全ての組が“完走”しました。アメリカ人たちが、多少の雨に濡れるのを厭わないせいです。日本人の私は濡れるのが鬱陶しかったです。
この日、私のGuerin Rife 2Bar(ゲリン・ライフ・2バー)パターによるパットは好調で、アウトは1バーディの3オーヴァー・パー(パット数計10)、インは1バーディの2オーヴァー(パット数計15)。トータル5オーヴァーで、パット総数は25でした。
市営ゴルフ場のグリーンは普通は早いのですが、小雨模様で少し遅くなっていました。予算不足、人手不足、その結果の手入れ不足で、現在のグリーンは雑草が混じって盛り上がっているし、芝の禿げたところもあって凸凹しています。しかし、湿ったグリーン上で少し強めに打つことが、それらの障害を克服してくれた感じ。
パット以外では、「正確無比なショットの秘訣」(tips_185.html)の実行に努力しました。その割にパーオン率は高くないのですが、二つのバーディはこのtipのお蔭でした。大分以前に好調だった時もこのtipの実行に専念していた記憶があります。「ガニ股」をダウンスウィングの切っ掛けとしてこの「秘訣」を併用すると、うまく行けば惚れ惚れするような軌道でピンに向かうショットが生まれます。
わがチームは三打差でゲームに勝利しました。
【おことわり】画像はhttps://dks.scene7.com/にリンクして表示させて頂いています。
(October 25, 2019)
●私の現在のパッティング・ストローク
ここのところ、私のパッティングは悪くなかったのですが、先日パット総数25で廻れたので(トータル5オーヴァー)、現在のストローク法は間違っていない思われます。で、忘れないうちに私のストロークの“方法”をメモしておきます。
もともと私のストローク法は「弾く」スタイルではありません。最近成功しているのは、ビリヤードの球を撞くように、低く滑走するように転がす感じ。
典型的なパッティング・ストロークの連続写真を見ると、芝に僅かでも沈んでいるボールはパターのロフトによって打ち上げられ、その後少しの間滑走(skid)し、やおらトップスピンで転がり出します。普通は滑走区間を出来るだけ短くし、早目にトップスピンによって転がすものとされています。その方が勢いがあり、地面の凸凹などに左右されず、コントロールされた転がりになるからです。
私のストロークは低くバックスウィングし、低くフォローを出すので、ビリヤードに似ているのですが、ビリヤードのようにボールの上を撞いたり(ボールが順回転する)、ボールの下を撞いたり(バックスピンがかかってボールが逆回転する)なんてことはしません。さらに、実際にどの程度の距離を滑走しているのかも不明。カップに届く頃にはまともに順回転しています。ですから、「滑走させるように打つ」というのは、私の単なる思い込みかも知れません。しかし、弾くのでもなく順回転させようと打ち上げるのでもなく、ボールを地面の上で長く押し出すようにしているのは事実です。それが私にとっては「滑走」というイメージなのです。 理論と実際の違いはどうあれ、結果が良好なのですからこの方式をずっと継続すべきだと思っています。 【私の手順】 |
(October 25, 2019)
●Moe Norman(モゥ・ノーマン)のバンカー・ショット私はカナダの異才Moe Norman(モゥ・ノーマン)のスウィングを収録したDVDを持っているのですが、これまで主に彼のドライヴァーやアイアンのスウィングだけに注目し、彼のバンカー・ショットを研究しようと思ったことはありませんでした。最近、ゴルフ仲間の一人にこのDVDを見せようかと考えながら再見した時、この特異なプロがどんなバンカー・ショットをしていたっけ?と思い、じっくり見ました。そして驚きました。
写真は、レンズの具合で遠くに見えるものの、ボールからピン(赤丸)までおよそ20ヤードと思われます。Moe Normanはバウンスの多いサンドウェッジを使っていますが、大袈裟なオープン・スタンスではなく、またウェッジのリーディング・エッジもピンをダイレクトに狙っていて、アウトサイド・インのスウィングではありません。
ここからが凄いところです。彼のスウィングは非常に短いのです。彼はウッドやアイアンのバックスウィングも短いのですが、何と写真の位置がバンカー・ショットのトップなのです。20ヤードのバンカー・ショットでこれですから、もっと短い場合はどうするんでしょう?多分、クラブを短く持つんでしょう。彼のリズムは1・2の二拍子です。1でこの写真のトップに達したら、すぐ振り下ろします。砂は取りますが、浅く1ドル紙幣大の砂を払う程度です。
ゴルフ界の山下 清画伯みたいな存在であるMoe Normanは、ひたすら打ちまくるだけで何も解説などしません。ですから、われわれは彼のスウィングを外側から観察して学ぶしかありません。彼のバックスウィングは短いですが、手首がフルにコックされていることに御注目下さい。長いバックスウィングでなくとも、フルにコックしさえすればボールは飛ぶのです。
このヴィデオを見た後、コースのバンカーで試してみました。私の場合は15ヤード離れたピンでしたが、Moe Normanスタイルで何個かのボールを1ピン以内に寄せることが出来ました。短いバックスウィングの利点は勢いがつくことです。長いバックスウィングをすると、われわれの脳に「これじゃ飛び過ぎるんじゃないか?」という余計な心配が忍び入り、インパクト直前で減速してしまったりすることがあります。この短いバックスウィングだと、脳には「これじゃ足りないんじゃないか?」という恐れしか浮かばないので、ダウンスウィングの勢いが増す一方となります。この勢いがバンカー・ショットを成功させる秘訣だと思います。
(November 08, 2019)
●バンカー、私の秘訣
先日、1ラウンドで二回バンカーに入れ、二回ともピン傍30センチにつけ、"sandy"(サンディ:バンカーからの寄せワン)を達成しました。
私は「バンカー・ショットの距離調節・完全版」(tips_195.html)に記したように、距離に応じて三種類のクラブとそれを持つ長さを使い分けます(スウィングの長さ、強さは変えない)。ただし、Moe Norman(モゥ・ノーマン)風のトップだと、私はショート気味になります。多分、手首のパワーの違いでしょう。私は彼のトップよりもう少し上げないと、ちゃんと距離を出せません。
・No. 3(パー4)
このホール、私は二打目の65ヤードの寄せに失敗し、ボールをグリーン左のバンカーに入れてしまいました。ボールからピンまでは約10ヤード。これは上の「バンカー・ショットの距離調節・完全版」に書いたように、60°ウェッジを普通に握って打つ距離です。
最近の私のバンカー・ショットは、思い切ってクラブをドスンと砂に打ち込めないこと。その結果、ボールを直接打ってホームランになるミス、打ち切れずに(出すことは出せても)かなりショートするミス、そのどちらかに見舞われていました。 私はバンカーでは砂の抵抗を撥ね除けるため、チッピングの十倍のパワーで打つという「十倍の法則」を実践しています。最初は「三倍」にしていたのですが、これではパワー不足なので「十倍」に変更しました。しかし、それだけではホームランは防止出来ません。そこで、この日の作戦は「十倍の法則で、砂にクラブをドスンと落とす」と唱えることでした。「ドスン!」と落とさないと十倍のパワーのホームランになっちゃいます。 私は安定した低重心にするためガニ股の体勢を取り、ボール位置はスタンスのやや左側とし、ボール後方約10センチの身体の中心でクラブヘッドを構え、「十倍の法則で、砂にクラブをドスンと落とす」と唱えました。そして、Moe Normanスタイルのやや短めのバックスウィングで、ドスンとクラブヘッドを砂に落下させました。ボールはピン傍30センチにつき、我ながら見事な"sandy"(サンディ)となりました。 |
・No. 18(パー4)
このホールの二打目のクラブ選択を誤り、ボールはガード・バンカーへ。このバンカーは顎が高くピンの根元は見えません。この時の距離はボールからピンまで15ヤード。これは「バンカー・ショットの距離調節・完全版」に書いたように、ギャップ・ウェッジを7センチ短く持って打つ距離です。私は実はこのバンカーからのショットはかなり頻繁に練習しており、15ヤードでも20ヤードでも(方向は別として)距離ぴったりに出せることは判っています。しかし、それは練習の場合であって、本番ではショート気味になるのが常でした。
この日、私は「十倍、ドスン」という呪文を頭の中で繰り返し唱えました。距離はクラブに任せればよい、「十倍、ドスンだぞ」 私はギャップ・ウェッジをボール後方約10センチで構え、ドスンと打ち下ろしました。ボールはピン傍30センチについて、またもや見事な"sandy"。
その数日後のNo.14(パー5)。私の三打目は数センチ足りずガード・バンカーに捉まって、ピンまで約10ヤード。私にとってこの距離はロブ・ウェッジを普通の長さに握って打つ距離です。「十倍、ドスン」を念頭に置いたショットは、ピンの手前に着地し、ころころと二回転してカップイン、バーディ。
「十倍、ドスン」 、これいいです。
(November 08, 2019)
●短いパットを成功させる法この記事の筆者Dr. Bob Winters(ボブ・ウィンターズ博士)はスポーツ心理学者です。
'Green genius'
by Dr. Bob Winters ('Golf Week,' December 2017)
「短いパットの失敗は永久に取り返しがつかない。以下は、それを防ぐための幾つかのアイデアである。
1) 絶対に急いではならない
プレパット・ルーティーンを省略せず実行し、短いパットを軽んじてはいけない。急ぐなとは云っても、常に退屈な手続きを遂行せよとか、スロー・プレイを奨励するものではない。だが、多くの短いパットのミスは不安や恐怖によるものではなく、急いだせいか不注意によるものである。プランに従ってストロークを遂行すべきである。
2) カップのどこから転げ込ませるか、入口を選定せよ
パットは瞬間で終了するものなので、どこからスタートし、どこで完結するかという正確さがパット成功にとって不可欠である。
【編者の蛇足】これは素晴らしいtipです。漠然とカップ全体を目標にするのでなく、カップの右外側とか、右端、右内側、真ん中…などとカップへの狭い入口を厳密に指定することはラインの読みの総仕上げです。また、これは「カップの端の草の一本を凝視せよ」というtipと同じように、カップの一ヶ所に焦点を合わせることで、明確な距離感を手・腕の筋肉に伝えることになります。
3) パッティング・ルーティーンは流麗であるべきだ
それだけでなく、動作を司る筋肉と目は、ストロークを開始するまで絶え間なく動き続けるべきである。ショートパットに際し静止状態で身体を固くし、緊張するのは自殺行為である。
4) ストローク開始前にボールの後部(打つ場所)を凝視せよ
パターヘッドとボールが接触するポイントを注視すると、ボールとのスクウェアでソリッドなコンタクトが確実なものとなる。
5) 呼吸せよ
カップへの進入地点に最後の一瞥をくれてから目をボールに戻しストロークを始める前に、口を開けて穏やかに息を吐く。息を止めていると胸と肩に緊張を作り出す。
6) 決断せよ
明確なプランを持ち、それを遂行することは、スクウェアにボールを打つことを確実にする。
7) 大胆な態度で臨め
このパットを今どのように打つのかを強調することによって、パットを成功させるチャンスを生み出すべきである。もし、パットにミスするとしても、パットを成功させる信念を抱きながらミスすべきだ。
8) ミスするのも素晴らしいパットの一部である
全ての偉大なパット名人もパットをミスするが、彼らはそれによってパットに関する自信を失ったりしない。彼らがミスしても、次のパットを成功させるべく挑戦をやめない。
【おことわり】画像はhttps://usatftw.files.wordpress.com/にリンクして表示させて頂いています。
(November 17, 2019)
●一つのテンポでパットせよ
この記事の筆者Scott Wickham(スコット・ウィッカム)は「'Golf Digest'誌選出ベスト若手インストラクター」に選ばれたレッスン・プロ。
'Coming up short'
by Scott Wickham ('Golf Digest,' August 2019)
「誰だって『このパットをショートしたい』などと考えたりしない。だが、ショートするのはアマチュアにとって疫病のようなものだ。
ショートする原因は何なのか?私の想像だが、原因はあなたのテンポ(あるいは複数のテンポ)にある。あなたはパットの度にストロークの早さを変えるので、距離感をコントロール出来ないのだ。
全てのパットは同じテンポで打たれなくてはならない(それも、どんなテンポでもいいというわけではない)。ストロークのスピードを計測するためにメトロノームを用いた研究では、パット名人たちは一分間に72〜80拍の早さでストロークを完了させている。彼らは距離調節のために、ストロークの幅を変化させるだけである。【註:短い距離でストロークの幅が短い時はゆっくり、長い距離でストロークの幅が長い時は早く。ストロークに費やす時間は常に同一…ということ】
このスピードの感覚を得たいなら、あなたのスマートフォンでプレイ出来る「メトロノームApp」をダウンロードし、一定の拍子の音を聞くことが出来る。
もし、あなたがローテク好みのタイプなら、次の方法を覚えておくとよい。「一、二、三、四」と数え、三でパターを後退させ、四でボールを打つ。これは距離をコントロールするプロのリズムである」
【参考】
・「自分固有のテンポでパットせよ」(tips_163.html)
・「メトロノームでパット」(tips_189.html)
(November 17, 2019)
●パットの目の位置
パットする時の目の位置については「ターゲットラインの真上に目を置く」というのが定説となっています。私はそれに反して目をターゲットラインからかなり内側に置いてパットしています。
「ターゲットラインの真上に目を置け」という論拠は、目をターゲットラインの外や内側に置くと、頭を廻してターゲット(カップや中間目標)を見た時に目線がターゲットラインを横切るため、狙いをつけるのに誤差が出る、その誤差を頭脳で補正しなければならないが、それは非常に困難である…という理由です。【右図】
私の場合、ボールに描いた線で狙いをつけ、その線に直角にパターフェースを合わせるので、誤差など出ないし補正する必要もありません。ターゲットを見直すのは、単に距離の再確認に過ぎません。ですから、私にとってターゲットラインの内側に目を置くマイナス要素は、全くないのです。
また、目をターゲットラインの内側に置くのは、円弧型(インサイドに引き、インパクトでスクウェアにし、インサイドにフォローを出す)のストロークを推奨するインストラクターStan Utley(スタン・アトリィ)や、インサイドに引きストレートに出すBen Crenshaw(ベン・クレンショー)などで、彼らは目をターゲットラインの内側(身体に近い方)に位置させています。私は終始ターゲットライン上でストレートにパターを動かすストレート・ストロークをしているので、上の二人のメソッドとは異なるのですが、何故か目をボールの下方に置く方が真っ直ぐ打てるのです。
以前、「常識外れのパッティング」(tips_193.html)という記事を書いた頃は、私はボールから28センチも下に目を置いていました。その時はシャフトが普通の長さであるOdyssey Rossie II(オディセイ・ロズィー・トゥー)だったのでそんなに離れていたのですが、Guerin Rife 2Bar(ゲリン・ライフ・2バー)はシャフト長が短いので、先日は17センチ離れてパットし、ハーフだけですがパット数計10で廻れたので、このメソッドが間違っていないことを実感出来ました。
しかし、実際にどの程度目をターゲットラインの内側に置くのがいいのか、テストしたことは全くないので、「17センチ」というのも甚だいい加減な決定でした。これは結構重大な要素かも知れないと思われたので、急遽テストすることにしました。 「完璧なストロークの探究」(tips_193.html)で紹介した練習法を用いました。これはボールも練習道具も要らず、室内でもコースのラウンド前でも気軽に実行出来る簡便な練習法です。私の場合、広めのスタンスで、背筋を伸ばし股関節から上体を折り、体重を踵に掛けるようにして立つと姿勢が安定出来ます。それを基盤として、両手・腕とパター・シャフトを一線にし、ターゲットラインと目の距離を少しずつ変えながら、バックストロークからフォローまで、床(地面)に置いたシャフトから逸れる頻度が少ない距離を探し求めました。それは私の場合、ターゲットラインから13センチ下方でした。ボール下端からだと10.5センチ下方になります。 奇しくも、私のGuerin Rife 2Barのパター・ヘッドの上下の長さは10.5センチなので、「さて、ボールと目の距離は良かったろうか?」と気になったら、ボールの下方にヘッドを置いてその下端に目が来るようにすればいいわけです。 「ターゲットラインと目の距離」について、これまで真剣に取り組んだことはありませんでした。私のパットの好・不調の原因はてっきりストローク法によるものとだけ考えていたのですが、ひょっとするとパットの成功・不成功は「ターゲットラインと目の距離」が何センチなのかに左右されるのかも知れません。そうだとすると、今回の結論によってパズルの最後の一片が嵌め込まれたことになり、私のパッティングに光明が訪れてくれるかも? 現在、追い蒔きした芝が育ってグリーンを覆っているのですが、その若い芝が強くなるまで短く刈れないそうで、われわれはまともにパット出来ない状態です。光明の有無はしばらくお預けです。 |
【参考】「パッティング・コーチ御三家のメソッド比較」(tips_141.html)
(November 17, 2019)
●パー3では左手一本これまでパー3の攻め方については、無数の試みをして来ました。「こうすりゃいいのか!」という発見は何度かあったものの、一度や二度はよくても、長期にわたって成功を収めるまでには行きませんでした。
例えば私がプレイしているコースのNo. 4(134ヤード、パー3)です。距離は短いのですが、グリーン手前20ヤード位から徐々に上りになっており、距離そのままでは絶対にショートします。私の場合、平地であれば5番アイアンでも飛び過ぎる筈ですが、どうしてどうして、5番ではグリーン手前のエッジにすら届きません。3番アイアンで乗せたことはありますが、3番アイアンはムラがあるので、現在は18°ハイブリッドで打っています。グリーンは郵便切手のように小さく、しかも右から左へ傾斜しており、距離ぴったりに打つと左にこぼれてしまいます。
苦闘していたある日、試みに18°ハイブリッドを左腕主体で打ってみました。右手のパワーを使うとプルし、そのパワーを緩めるとプッシュするので、右手は添えるだけにしてみたのです。オーヴァラッピングでもなく、インターロックでもありません。右手の指はクラブを握らず、掌を当てるだけ。私はこれをバンカー・ショットでやっていますが、パー3にも応用してみたわけです。これまでになく(完全にではないですが)真っ直ぐ飛びました。ただし、20ヤード以上ショートでした。いかに左手が弱いか判ります。その距離を補うには長いクラブ(3番ウッド)を使うしかありません。
やってみました。3番ウッドをフルに握ったのでは飛び過ぎました。約16センチ短く持って打つ必要があることが判りました。【註】
【註】私のほとんどのクラブのハンドルには1.25cmずつ目印がつけてあり、いちいち物差しで計るわけではありません。《1インチ(2.5cm)短く持つと、ワン・クラブ短いものに相当する》という公式があるのです。【参照】「中間クラブ対策」(tips_87.html)
ついでなので、他のパー3も試してみました。No. 7(150ヤード)は下りなのですが、ティーグラウンドも左足下がりなので3番アイアンでも飛距離が不足するデザイン。先ず3番ウッドを左腕主体で打ってみますと、真っ直ぐピンに向かいましたがグリーン・オーヴァー。結局、18°ハイブリッドを約21センチ短く持って打つとオンさせられることが判りました。
No.12(102ヤード)は、いつも7番アイアンを約16センチ短く持って打つホール。「左腕主体で打つと飛距離が減る」と思い込んでいた私は、6番アイアンでテストを始めたのですが、打ったボールは全部オーヴァー。結局、いつも通り7番アイアンを短く持って打つのがいいということになり、「どうして飛距離が減らないんだろう?」と不思議でした。
きつい上りのNo.13(184ヤード)の砲台グリーンへは、これまでドライヴァーを21センチほど短く持って打っていたのですが、ここは3番ウッドを普通の長さで握り、左腕主体で打つのが適切という結果でした。
今回の私の試みは、先ず真っ直ぐピンに向かうクラブを探す。その際、飛距離は問題にしない。真っ直ぐ打てるクラブが見つかったら、クラブを持つ長さで飛距離を調整する…という方法です。150ヤードのホールに3番ウッドであろうがドライヴァーであろうが、私は気にしません。「乗れば官軍」なのです。短いクラブで打っても乗らないのでは自慢になりません。
次の練習ラウンドで、No.13(184ヤード)での左腕主体のスウィングは功を奏し、ピン手前1メートルにワン・オンさせることが出来ました。
「右手は添えるだけなんて、聞いたこともないし破天荒過ぎる!」と思う方もおられるでしょう。私自身、破天荒だと思っていました。ところが、たまたま再読中、いや三読中の本『ゴルフの大事』中部銀次郎×三好 徹・共著(ゴルフダイジェスト社、2006)に次のような中部銀次郎の言葉が出て来るのです。
【要旨】「大方の右利きゴルファーの左手・腕のパワーは弱過ぎる。左の方が弱いと、どうしても右手で打ちに行くことになる。これが左右のバランスを悪くする。左を鍛えるべきだと云っても、アマチュアに左を鍛える時間なんてない。だったら、右手を使えなくすればいい。右手を添えるだけにするとか」
どうです?日本のアマチュアの最高峰だった中部銀次郎がこう云ってるんです。方向を重視するなら右手を使わない方がいいんです。これがパー3での打ち方を助けてくれます。
練習ではなく、本番のラウンドでの成果を期待したのですが、なかなかうまく行きませんでした。左手主導だと、私の場合プルが多発するのです。
ある日の本番のNo.4。私はプルに備えてグリーンの右を狙いました。短く持った3番ウッドで打ったボールは右に出て、緩く左にカーヴしグリーン奥にオン!ついに成功。No.7はプルし、No.12はショート…で失敗でしたが、No.13は(やはり右を狙って)グリーン中央にオン。やっと、研究の成果が実りました。
【おことわり】右上の画像はhttps://s-media-cache-ak0.pinimg.comにリンクして表示させて頂いています。
(December 02, 2019)
●トップ・ショットの大きな誤解Greg Ducharme(グレッグ・ドゥシャーム)は、'Golf Digest'(ゴルフダイジェスト)誌選出の若手インストラクターのベストの一人。
'Stop the top' 「ほとんどのゴルファーが、トップするのはボールの上半分をかすめるようなダウンスウィングをするからだと誤解する。ゴルファーはボールのターゲット方向を打ったと考えるが、実のところは全く逆である。スウィング弧の最低点がボールの手前の地面(かなり手前だったりする)で、クラブは先ず地面を打ち、その後で上昇しながらボールの頭を打つのだ。 【編註】バンカーでホームランも全く同じ原理だそうです。われわれはボールを直接打ってしまったと思いがちですが(それもあり得るものの)、大方のホームランは先ずボール手前の砂を打ち、ヘッドが固い砂で撥ね返され、上昇軌道でボールの上半分を打って発生するそうです。雨の後などの固くなった砂は要注意です。 トップする人を見ていると、バックスウィングで身体をターゲットと反対方向に泳がし、体重を右足に掛けたままダウンスウィングしていることに気づくだろう。だから、ティーアップしたボールを打つティー・ショットではトップは珍しく、地面からのショットだとしょっちゅうお目にかかることになる。もしあなたがトップするようなら、スウィング弧の最低点を変更すべきなのだ。 |
これを矯正する方法はいくつかある。
1) 左足下がりのライを見つけ、本番同様のポスチャーを取って素振りをする。フォロースルーで右足を坂の下方に動かす。あなたは、身体がターゲットに向かって動く必要性を感じ取り、スウィング弧の最低点もそちらに移ることになる。
2) 上のドリルを行った後でも、まだトップの恐れを抱いているかも知れない。コツ:《背骨をターゲット方向にシフトせよ》 こうするとスウィング弧の最低点を改善出来る」
【参考】
・「トップよさらば!」(tips_109.html)
・「トップする原因」(tips_122.html)
・「トップを根絶する練習法」(tips_193.html)
(December 11, 2019)
●パー3に乗せる法・解決篇
ある夜、就寝前に「どうして、パー3となると真っ直ぐ飛ばないのか?」と考えました。同じ距離のアプローチ・ショットなら真っ直ぐ飛ばせるのに…。
パー3のグリーンは右や左に傾いでいたり、かなり小さかったり、お椀を伏せたような構造だったりして、ボールを止めるのが難しい。距離は短くても、そうしたグリーンの難しさがわれわれの安易な攻撃を拒んでおり、パー4やパー5のアプローチより正確な攻め方が求められます(傾斜の読みも必要です)。
その晩思ったのは、パー3での私のショットが右に行ったり左に行ったりするのは、スウィング軌道に問題があるのではないか?ということでした。私は真っ直ぐなショット、スクウェアなコンタクトを求めて、クラブをストレートに引き、ストレートにフォローを出すスウィングをしていました。いや、していたつもりだった…と云うべきでしょうか。私の寝床での結論は、いずれにしても私のクラブフェースはターゲットにスクウェアになっていない…というものでした。Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)は「ストレートなボールを打つことほど難しいものはない」と云い、彼はフェード専門です。私もストレートなスウィング軌道をやめ、初心にかえってインサイド・アウトのスウィングをすべきではないか?と思われました。
翌日、コースに行ってパー3のいくつかで練習してみました。すぐ望ましい成果が得られたわけではありませんが、インサイド・アウトのスウィングなら真っ直ぐ飛ぶ確率が高いことが分りました。プッシュも出ましたが、ショート目ではあるもののピンの下方に飛ぶことが多かったのです。後は適切なクラブを選ぶだけ(楽天的希望^^)。
その翌日のラウンド、No.4では短く持った3番ウッドのインサイド・アウトのスウィングで、ピンの左横2メートルにつけ、パーを得ることが出来ました。No.12でもワンオンしましたが3メートル以上離れていて、パーを得るのが精一杯。他の二つのパー3ではワンオンさせられずボギー。しかし、五割の成功率は悪くないと思っています。
迂闊でしたが、未発表の私の「日記」を読み返して、合点がいきました。以前、'Swingyde'(スウィンガイド)という練習道具を試した際、正しいコック(トップ)に向かうためには、両手は「右足の(脛から)上」を横切るべきであることが分ったのです。それは、とりもなおさずインサイド・アウトのバックスウィングに他ならないのです。すっかり忘れていました。「日記」を読み返したお蔭で、裏が取れました。
(December 11, 2019)
●パターのライ角を変えるな私は常に完璧なパッティング・ポスチャーおよびパッティング・ストロークの方法を模索していますが、ふとライ角の重要性を思い出しました。当サイトの「パターの長さとライ角」(tips_93.html)という記事で、ショートゲーム・インストラクターDave Pelz(デイヴ・ペルツ)は「ライ角が変わるとスウィート・スポットの位置を変えてしまう。パターがアップライト(写真左の例)だと、アドレスでトゥが浮き、ヒールが接地することになり、スウィート・スポットはヒール寄りとなる。ライ角が過度にフラット(写真右の例)だと、ヒールが浮き、スウィート・スポットはトゥ方向に移動する」と述べています。
本当は購入時に自分の身長に合ったシャフトの長さ、自分のポスチャーに合ったライ角のパターを選ぶべきなのですが、デザインとか打感とかが優先し、ついライ角の重要性は無視されたりします。かといって、不注意に買ってしまって自分に合わないライ角のパターだから…と捨てる訳にもいきません。なぜライ角がそうも重要なのか?ライ角によって狙い方やボールの転がる方向に影響が出るからです。
パターのトゥが浮いたアドレスだと、ターゲットの左を狙いがちになり易く、さらにヒール寄りのスウィート・スポットで打つことになるため、ボールをプルしがちになります。逆にヒールが浮いたアドレスだと、トゥ寄りのスウィート・スポットで打つことになり、ボールをプッシュしがちになります。図の青木 功のようにトゥを立てたストロークだとスウィート・スポットはヒール寄りとなるため、コントロールが難しい。現役時代の青木 功は毎日のようにラウンドし、練習も頻繁にしていたでしょうから、こうしたプロにとってはトゥを上げようが下げようが問題なかったでしょう。われわれは違います。われわれは、スウィート・スポットを移動させず、パターヘッドに描かれたスウィート・スポットの線(あるいは点)でボールを真っ直ぐ打とうと努力するのが賢明です。
ある日のラウンド、私は正しいライ角で通してパットする決意をしました。右手で持ったパターをボールの後ろに配置し、先ずパター・ヘッドの底面を真っ平らに置くことから始めました。ヘッドを水平に置いたパター・シャフトの角度を変えずに、左前腕とシャフトが一直線になるように左手を添える。つまりライ角優先でセットアップし、ストロークしてみたのです。
アウトのスコアは秘密ですが【ひどかった(;へ;)】、インは計11パットでハーフ・パー・プレイが出来ました。チップインがあったわけでもなく、長いパットが入ったわけでもなく(最も長いので3メートル)、毎回OKの距離にぴたぴた寄せたわけでもありません。バーディも皆無。インのパーオンはたった二ホールで、寄せワン七つでしのぎました。つまり、中・近距離のパットの成功率が高かったと云えます。そして、この日努力していた唯一のことはライ角を変えないでパットすることでした。
(December 18, 2019)
●生命線は“生命線”である
「パターのライ角を変えるな」という発見によってハーフ11パットを達成した直後のラウンド。記録更新の期待が大きかったのに反し、パッティングは最低でした。アウトは各ホール全てで2パットという体たらく。No. 11ではうまく寄せられパットするのを回避出来たせいで(^^;;、やっと1パットで済みました。ほぼラウンド終了近くとなって、私はなぜパットが不調なのか、その原因に気づきました。
私は、左手の生命線を右図の③の角に当て、右手の生命線を⑥の角に当ててパターを握ることにしています。ところが、最近実行中のシングル・プレーン・スウィングはパームで握る必要があり、両方が酷似しているのでいつの間にかごっちゃにして、パットする時もフル・スウィングのグリップをしていたのです。パッティングの際の左手は、写真右の赤線で示した生命線でパターの③の角を握るべきなのに、写真の黒いハンドルのところで握っていました。繊細なパッティング・ストロークをするには、この違いは非常に大きい。
その間違いに気づいてから、やっとNo.18でバーディを射止めましたが、そうでなければ「エイジはパッティング・スランプだな」と仲間から思われたことでしょう。シングル・プレーン・スウィングは真っ直ぐ飛び、距離も出るので感謝していたのですが、とんだ副作用に見舞われたものです。生命線でパターを握る方法は私のパッティング・メソッドの“生命線”であり、絶対に変えてはいけないものであることを痛感しました。
(December 18, 2019)
驚きました。先ず左の写真を御覧下さい。'Putting Navigator'という商品で、米Amazonの価格は約50ドルです。これはどんなタイプのパターにも装着出来るのと、この器具をつけてボールを打てるのがいい点ですが、こんなものに50ドル出す必要はありません。
以前、Odyssey Rossie II用にも作ったことがありますが、今回はGuerin Rife 2Barのために製作したものをご紹介します。パターヘッド上部の錘(おもり)調節用の弾丸みたいな二つの凸起の間にすっぽり嵌(は)まるように切ったスタイロフォームに、鉛筆をガムテープで貼り付けただけ。超軽量で、我ながら傑作です。着脱も簡単。材料費はタダです。
なぜ、これがクラブシャフトの上に置かれているかは、「完璧なストロークの探究」(tps_193.html)を御覧下さい。床(あるいはコースの芝)の上に寝せたクラブのシャフトの上で、このような器具を装着したパターによってストローク動作をします。ストレート・ストロークを志向する場合、インパクト〜フォローにかけて鉛筆の先端がターゲットを向き続け、寝せたシャフト上でスクウェアに留まっていなくてはなりません。
パターに描かれた線だけだと一見フェースがターゲットにスクウェアのようでも、僅かな誤差でもズレを拡大して見せてくれる鉛筆やペンの先を誤摩化すことは出来ません。こうした器具を用いる素振りは非常にシビアです。グリップ、スタンス、ポスチャー、ボールの位置、目の位置などのどれかを変更したら、その都度その方法で正しくストローク出来るかどうか、必ずこのテストを実行して確認すべきです。何しろ、タダで出来るのですから、利用しないテはありません。
(December 18, 2019)
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