Jun 10, 2026

テンションを和らげる方策いくつか

 

[Bobby]

1930年に過去現在を通じて唯一人年間グランドスラムを達成した名人Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ、1902~1971)のアイデアの数々。

【註】1930年当時のグランドスラムは現在のツァー・プロのそれとは異なり、全米アマ、全英アマ、全英オープン、全米オープンの四つでした。「なーんだ、アマチュアのトーナメントか」と馬鹿にしてはいけません。当時のゴルフのプロは貧しい家の生まれ・育ちの人々ばかりで「身分が違う」とクラブハウスに入れないほど卑しいと思われていたのです。ですから、いい家柄の育ちでゴルフが上手い人々はプロになどなりたがらず、アマチュアのまま毎年大きなトーナメントに出場していました。ボビィ・ジョーンズの父親は弁護士だったので、いい家柄とは云えませんが裕福ではありました。

'Bobby Jones on Golf'
by Bobby Jones (Broadway Books, 1966, $18.95)

「テンション(緊張)はゴルファーの最大の敵で、リズミカルに果たさなければならない難しい仕事(スウィング)をリラックスして遂行すべき際の妨げとなる。以下に、どうすればゆったり出来るかの助けとなるであろう法則をいくつか述べてみる。

1) グリップを主に指で握れば完全にコントロール可能であり、強張った前腕の筋肉の影響を受けずに済む。軽くグリップしても、スウィングが進行するにつれ両手は自動的に締まる。その際、クラブヘッドの重みを感じ取れなくてはいけない。

2) ボールにアドレスする際、ポスチャーは可能な限り自然で快適でなくてはならない。緊張を生じる姿勢を避けよ。過度に屈み込んではいけない。ボールに向かって手を伸ばしてもいけない。脚を強張らせてはいけない。両足を広げ過ぎてもいけない。あれも駄目、これも駄目に聞こえるかも知れないが、実際には単に《直立気味に立ち、両腕は肩から自然に垂れ、ボールに快適に届くほど近くに立て》と云っているだけである。

3) バックスウィングは両脚と腰で始めよ。手と腕でクラブを持ち上げてはいけない。クラブは腰でフルに後方に巻き上げる。もし腰と背の重要な筋肉が充分に用いられれば、その努力は報われスムーズなスウィングが出来ることだろう。

[timing]

4) バックスウィングを確実に長く行うこと。そうすればダウンスウィングでインパクトまでに加速する時間を作れる。あまりに短いバックスウィングは慌てふためき、緊張を伴ったスウィングになりかねない。

5)ダウンスウィングはのったりと始めよ。トップから打ちに行ってはいけない。バックスウィングが充分に長ければ、ダウンスウィングを急ぐ必要はない。加速をスムーズでゆるやかに進行させよ。

6) ボールを打つ段階となっても、ボールに躍りかかってはならない。ボールを打つのはクラブヘッドの仕事だ。クラブヘッドにスピードを与え、ボールを宙に浮かべる。ニュートンの法則を覚えてる?《外部要因がなければ運動はストレートに動作する》。最後の最後に余分の飛距離を得ようと欲張るのは”外部要因”に当たるので、注意すること。ボールが真っ直ぐフェアウェイに向かうまでスウィングし続けること。

ひどいスウィングの持ち主ではあるが、よいリズムとタイミングを備えたゴルファーが、緊張さえしなければ驚くほど遠くに飛ばせるという事実を知っている。スウィングのパワーを増そうというのでなく、出来るだけハードに打とうという努力は早漏に堕してしまう。のったりとしたスウィングはエネルギーを温存し、最適の瞬間にエネルギーを解放し、かなり少ない努力でさらなる飛距離を生み出すのだ」


【おことわり】最初の画像はhttps://www.investors.com/にリンクして表示させて頂いています。

(June 10, 2026)

私がBen Hogan(ベン・ホーガン)から学んだこと

 

[Ben]

著者Ken Venturi(ケン・ヴェンチュリ、1931~2013)は1964年のU.S.オープンをはじめPGAツァーで14勝、後年はCBS-TVゴルフ中継のメインの解説者を長く勤めました。

’Ken Venturi's Stroke Savers'>
by Ken Venturi with Don Wade (Contenporary Books, 1995, $14.95)

「・私のプロ生活の初期、緊張下でのプレイについてベン・ホーガンから価値ある教えを受けたことがある。

彼は、緊張しているけれど長くスムーズなスウィングをしなければならない時、可能な限り長めにクラブを握るのだと語ったのだ。彼の小指がハンドルの最先端に位置するほどに。これはクラブ・コントロールを失う恐れを抱かせるので、否応なく長くスムーズなスウィングを強制する。

緊張下のゴルファーがコントロールを増そうとすると、多くの場合クラブを短く持つものだ。それは野球には役立つかも知れないが、ゴルフでは助けとならない。

・ツァーに参加した当時、私はベン・ホーガンとよくプレイしたものだ。彼のゴルフのあらゆる分野における分析は、私を魅了して止まなかった。人々はベン以外の誰もゴルフコースを解剖することは出来ないと云ったが、全く同感だ。彼の些細なことにまで注目する態度は伝説的だった。

私はベンとプレイしたある年の全米オープンの練習ラウンドを忘れられない。われわれがあるフェアウェイに立っていた時、彼はグリーンを指さし、私にある一方にミスすることを避けよと云った。私にはそこに障害物やトラブルの原因など見えなかったので、何故なのか理由を尋ねた。彼はその方角が次のホールに向かう道筋なので、草が踏み潰されているはずで、グリーンと反対方向にボールが転がるのだ…と答えた。つまり、その地域でピッチ・ショットする場合は目に逆らって打たねばならず、とても難しいショットになる、特にラフを異常に長くした全米オープン開催時には…と説明した。

これが些細なことに注目するということだ」

【おことわり】画像はhttps://i.ytimg.com/にリンクして表示させて頂いています。

(June 10, 2026)


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