February 01, 2026
●旧稿で恐縮ですが…
ゴルフ雑誌購読をやめ、ゴルフ本も購入しなくなり、ラウンド数も減っているので、ネタが少なくなって来ました。このサイトもいつまで続けられるか分かりません。
以前、私が雑誌やメルマガのために執筆した原稿を見つけました。私の読書歴の中で発見した秘訣を筋道を立てて再構築したもので、既にこのサイトで紹介した本ではあるものの紹介の仕方は異なっています。あまり多くの目にふれなかった筈ですし、内容は古びていませんので、当サイトでリサイクルすることにしました。お楽しみ頂けると幸いです。
(February 01, 2026)
●努力しないで80を切る方法(1/5)
・プロローグ
多分、あなたも私も同じでしょう。ワン・ラウンドの半分以上は結構満足出来るショットです。時にはプロ顔負けの寄せだって出来ます。しかし「ここぞ!」という時にダフったり、トップしたりするミス、あるいはパットをベラボーにショートするようなミスが出たりして、全てをぶち壊します。
私はそう練習熱心というわけではないので、100%いいスウィングが出来るわけではありません(当然ですが)。しかし自惚れかも知れませんが、いいとこ行く実力は既に備わっている、ポカミスさえ減らせれば常に80を切って当然と思えるのです。
何故、《常時80を切る》が達成出来ないのか?ポカミスは集中心の欠如であったり、期待、恐れや欲望によるテンションで起るものだと思われます。“いいとこ行く”実力を、自分自身のメンタル部分が邪魔をしているという構図に違いありません。とすれば、メンタル面の訓練抜きで肉体的訓練をいくらやっても、飛躍はあり得ないでしょう。…と云うと、しんどい肉体的訓練をさぼって、メンタル面の改善で楽して上達しようという魂胆ではないかという御比判もあるでしょうが、実はそう思って頂いて結構なのです:-)。出来れば汗を流さないで、いい結果を得たい。私は怠け者なのです。
'The Brain and Golf'
by C.W. Bailey (Small, Maynard and Co., 1924)
この本の著者C. W. ベイリーは「精神は筋肉の主人である」と云っています。つまり、筋肉は下僕なのです。主人の栄達なくして、下僕の出世はあり得ません。精神の探究、メンタル克服は、“楽して上達”のためだけでなくゴルフ修得の必修科目であると云えそうです。
メンタル研究を始めて、沢山の素晴らしい本に出会いました。私は1995年からアメリカに住んでいますが、こちらにはスポーツ心理学をゴルフに応用した読み応えのある本が勢揃いしています。日本でも有名なボブ・ロテラ博士の本などは氷山の一角に過ぎません。読みながらアンダーラインを引いた要点や著者の名言などを抜き書きした、私のインターネット・ウェブサイトの「ゴルフ『80を切る!』日記」は、今や世界に類を見ない“メンタル・ゴルフtips”の宝庫となっています。「自己コントロール」と題したセクションだけで330項目を越え、他のセクションにちりばめられたメンタル関連tipsも入れれば400近い数になろうとしています。では、「汗はかきたくない、本も読みたくない…」という超怠け者のあなたのために、私が学んだメンタル攻略ノートをお見せしましょう。
・集中する
私はいいティーショットが出るとすぐ自惚れて舞い上がってしまい、上の空で次打をトップしたりします。三打目を何とかピンハイのグリーン・エッジにつけても、高望みでチップインをめざしたウェッジ・ショットをチョロしたりしてしまいます。こういう失態は集中心の欠如によるものと猛省し、必死で集中しようと努めました。念仏のように「集中、集中」と唱えながら。しかし、これは間違いだったのです。
'The Golfing Mind'
by Robert Brown, Ph.D. (Lyons & Burford, 1994, $22.95)
この本の著者ロバート・ブラウン博士によれば、「『集中しよう』と自分に語りかけるのは、実行しようとする事柄(スウィング)にではなく集中しようとする“想念”に意識を集中する。集中というのは受動的なものであって、何かを起こすものではない」とのこと。
現シニアPGAツァー・プロのリー・トレヴィノは、若い時から近くの観客とやりとりして笑わせるので有名です。「5時間も集中しっ放しなんて出来ない。そんなことしたら死んじゃうよ。オレは打つ時の5秒間だけ集中するんだ。それ以外は観客やパートナーと軽口を云ってる。もっとも、その5秒間の集中は並みのもんじゃないけどね」 チェスや囲碁、将棋の名人達は自分の番だけ一心不乱に手を読み、その一手を打って時計を押したら、相手の長考の間ボーっとしていると聞きます。集中、弛緩、集中、弛緩の繰り返しが理想のようです。では、それはどうやって達成出来るのでしょうか?
'Mind Over Golf'
by Dr. Richard Coop with Bill Fields (Macmillan, 1993, $12.95)
スポーツ心理学のディック・クープ博士は故ペイン・スチュアートやコーリイ・ペイヴンのメンタル面のコーチでした。プレショット・ルーティーン(ショット前の準備動作)の重要性は周知の事実ですが、クープ博士は'Mind Over Golf'(ゴルフに克つ心)という本の中で、プレショット・ルーティーンの前に「これから集中ゾーンに入るぞ!」というシグナルを作りなさいと勧めます。以下がそのシグナルの数例。
・手袋のヴェルクロを開閉する。
・特定回数ズボンを引っぱり上げる。
・クラブで靴の横をポンポンと叩く。
・腕の毛を引っ張る。
・ネックレスに沿って指でなぞる。
・耳たぶを引っ張る。
同博士は、続けて次のようなポイントを挙げています。
「集中ゾーンに入るシグナルからスウィング開始までの時間経過は、30秒以内が望ましい。長過ぎるかどうか、友人に計測して貰うべきである。
プレショット・ルーティーンに磨きをかけるため、練習場でも五打に一度は本式に実行すること。コースでは、どんなに気楽なラウンドでもプレショット・ルーティーン抜きでショットしてはいけない。
もし同伴プレイヤーの叫び声、車の警笛、突風など周辺の妨害があったら、直ちに動作をストップし、ルーティーンを再実行する。こういう場合、故ペイン・スチュアートはタオルを取ってグリップを拭った。たとえ、グリップが濡れていなくても…。彼にとって、それが再度プレショット・ルーティーンに突入するシグナルだったのだ」
'Golf: The Mind Game'
by Marlin M. Mackenzie, Ed.D. with Ken Denlinger (Dell Publishing, 1990, $12.90)
この本の著者マーリン・M・マッケンジー博士は、「自分の経験であるが、インパクトでのスウィング・スピードを上げようとすると腕は緊張し、スウィングを急いでトップから打ちに行ってしまって、望んだパワーと飛距離は失われる。しかし、ボールの後ろをクラブがヒットするところを見ようと集中した場合、スウィングは満足出来るものとなり、かなりのパワーを生み出す」と述べています。何か一つのことに関心を絞ることが集中の秘訣のようです。
スポーツ心理学者トム・ドーセル博士は'The Complete Golfer'(完璧なゴルファー)に次のように書いています。「何ホールにわたって集中心が持続するか注意してみよう。昨日No.7迄であったら、今日はNo.8まで頑張る。そこで失敗したら、残りの全ホールに挑戦する。次のラウンドに継続してもよい」一度や二度の失敗にめげず、粘り強くラウンドせよという教えです。
(February 01, 2026)
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