September 01, 2025

凸型左手首のインパクトが正確なショットの鍵

 

[supination]

『ホーガンの魔法のデヴァイス』と題された本を見つけたので読んでみました。走り読みしても、どこが魔法のデヴァイスなのか解りません。”review,書名”でググってみると、やはり本の内容に失望したという感想が多くヒットしました。

'Ben Hogan's Magical Device'
by Ted Hunt (Skyhorse, 2009, $ 16.95)

しかし、最近になって出版するからには何かHoganの正確なショットの秘密の解明があるのではないか?と念入りに読んでみると、”魔法のデヴァイス”とはHoganの手、手首、前腕の状態にあるとのこと。それはとりもなおさず図のように左手首を凸型にすることです。なあんだ、それならHoganの'Five Lessons'(邦題『モダンゴルフ』)という本に書かれていたことではないですか。

Hoganはこの状態を"supination" 回外(かいがい)と呼び、「インパクトで手首の骨はターゲットに向かって盛り上がる」と云っていますが、この本の著者はこの用語は間違いで、"palmar-flexion" 掌屈(しょうくつ)と呼ぶべきだと云っています。ややこしいし解りにくいので、私は単に”凸型の手首”と書くことにします。

ご存知のように、Hoganの本はフックに悩んでいたHoganが、猛練習の末フェードを身に着け、それを”秘密”として公開したもの。ですから、ボールを真っ直ぐ打てる人がこの本の通りにスウィングするとスライスやプッシュを生みます。全部を鵜呑みにしてはいけません。

[5 Lessons]

しかし、インパクトで左手首を真っ直ぐにする、あるいは凸型にすると、それがクラブフェースをスクウェアに保ってくれることは間違いありません。ただ、それが簡単に出来るかというとそうとは云えません。無理に凸型にしようとすると、チキン・ウィングになったりしてしまいます。この本の著者によれば左手の最後の三本指(中・薬・小)を手の平の方にきつく引き締めながら内側に巻き込むと自然に左手首が凸型になるそうです。

著者はこのコツをロング・ゲームだけでなく、バンカー・ショットやチッピング、パッティングでも用いるべきだと主張します。

【チェック・ポイント】(本の表紙参照)
・インパクト・ゾーンで右肘は右腰を擦る。
・インパクトで右手首は凹型のままである。
・インパクトで左右の肘の窪みは天を向いている。
インパクトで左手首を凸型にする

【ご注意】'The Fundamentals of Hogan' by David Leadbetter (Sleeping Bear Press, 2000)『モダン・ゴルフ徹底検証』という本のレッドベターによる分析。「ホーガンはウィーク・グリップを採用していたのでスウィングのトップでクラブフェースはオープンだった。それをスクウェアにするためインパクトで左手首を凸型にしたのだが、ストロング・グリップのゴルファーが凸型の左手首のインパクトを指向するとフックになってしまう。100人が100人凸型の左手首にすればいいというものではない」

[dumbell]

この本を読んだ直後のラウンド、私は凸型の左手首によるショットを心掛けました。No.1(300ヤード)パー4の三打目のピッチング・ウェッジがピンに1.5メートルに寄りました。パー。No.2(275ヤード)パー4の二打目は残り140ヤードぐらいでしたが、急な上りの寄せなので21°ハイブリッドを使いました。凸型の左手首を心掛けたショットは真っ直ぐピンに向かっただけでなく、グリーンに近づくとカップの手前1メートルについていて、自分でも驚いてしまいました。まさにホーガンもどき。バーディ。このハーフは4オーヴァー(パット総数13)で廻れました。

ロング・ゲームもショート・ゲームも、さらにはパッティングでも左手首をスクウェアに保つことが正確なインパクトの秘訣であることは間違いありません。凸型の左手首はクラブフェースがねじ曲がることを断固拒否します。これが素晴らしい点です。

この本の著者のお薦めの練習法の一つは、運転中にハンドルを左手の最後の三本指で締め付けること。

もう一つは、アニメのようにダンベルを持った左手を身体の前で左右に動かすことです。練習用の重いクラブを振るのも良さそうです。重要なのはインパクトにかけて最後の三本指をぎゅっと握り締めて掌側に巻き込むこと。左手首は自然に赤線のように凸型に盛り上がるので、意識的に盛り上げようとしなくても大丈夫。これがマスル・メモリに定着すれば常にホーガンのようなショットが打てるかも…。意識的にこうしようとするのではなく、無意識にこうなるという境地が望まれます。私はこの凸型の左手首のインパクトが身につくよう、TVのCMの度に8 lbs(約3.6 kg)のダンベルを連続20回振ることにしています。


(September 01, 2025)

先行捻転の復活

 

[flying_start]

ゴルフって忘却との戦いですね。何か新しいtipを仕入れると、既存のテクニックのどれかを忘れてしまう。最近の私は「先行捻転」というテクニックをすっかり忘れていました。

八月の日記に書いたことですが、No.16(200ヤード)のティー・ショットがグリーンまでギャップ・ウェッジの距離に届いて大喜びしました。しかし、その後、「先行捻転」のテクニックを用いたらグリーンまでロブ・ウェッジの距離に届きました(約20ヤード増)。

【先行捻転テクニック】
・アドレス:実際のボールにアドレスした後、クラブヘッドをボール後方約27センチに引きます(自然にややオープン・フェースになる)。
・そのクラブフェースのすぐ前にボールがあると想定します(仮想ボール)。
・テイクアウェイ:目は(実際のボールではなく)仮想ボールの位置に据えたまま、約40センチクラブを後方に引きます。クラブフェースと腰が自然に廻るようであれば、回転させます。一旦停止
・そこから本格的バックスウィングを開始します。

この結果、バックスウィング全体の長さが短くなります。つまり、バックスウィングのトップは通常でありながら、スウィング時間全体が短縮されます。これがスウィング速度を上げるため、飛距離増につながるのだと考えられます。

その次のラウンド、No. 14(360ヤード)パー5の私のティー・ショットは目標の残り170ヤードの木を越えて飛びました。普段より30ヤード伸びたのは先行捻転の成果です。残り160ヤード。グリーン手前のバンカー横まで飛ばそうと目論んだ21°ハイブリッドのショットはごろんごろん転がり、狙ったよりもずっとグリーンに近いバンカー横のエッジに到達。これは左手首を凸型にした正確なショットのお蔭です。うまく寄せてバーディが得られました。

【参照】「先行捻転の素晴らしさに改めて驚嘆」(tips_211.html)

(September 01, 2025)

パットの方向性を改善する

 

[stroke]

ここのところ、左右の手の四本の指をインターロックにしたグリップを採用していたのですが、あまりいい成果が得られませんでした。ある時は右に、ある時は左に逸れ、一定していないのです。どちらか一方なら対処法もありますが、左右両方にバラけるのでは手の施しようがありません。。

右のアニメの練習法でストロークを点検してみました。最近はクラブの上でパターを滑らすのではなく、練習マットに描かれた直線の上で練習しています。カシャカシャ音もせず、同じ効果が得られます。

[grip]

この練習をしてみると、予想通りフォローでパター・フェースがオープンになったりクローズになったり滅茶苦茶でした。原因はすぐ解りました。左肘と左手首が固定しておらず、勝手気ままに動いていたのです。

で、以前やっていたようにスプリット・ハンズ(両手を離したグリップ)に戻すことにしました(写真)。これだと左手首は労せずして凸型になって固定されます。第一関門突破。

第二の関門は左肘です。右手で左上腕を抑えられれば左肘も固定出来るのですが、それだとポスチャーが窮屈になるので不可能。止むなく左前腕を左に捻って左肘をロックすることにしました。

このグリップで《左肩で(後方に)押し、左手甲で(ターゲットに向けて)引く》ようにすると、方向は乱れなくなりました。

ある日のこの方式によるラウンドのハーフは2オーヴァー、3パット一回込みで合計15パットでした。今後もこの方法で通すべきだと確信しました。

【参照】「パット練習でスコアを減らす」(tips_205.html)

(September 01, 2025)



[Anim

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