November 20, 2025

『ホーガンの魔法のデヴァイス』の著者がまとめたBen Hogan（ベン・ホーガン）のバンカー・ショット。

'Ben Hogan's Magical Device'
by Ted Hunt (Skyhorse, 2009, $16.95)

「ホーガンのキャディの一人だった男に、ホーガンのバンカー・ショットについて尋ねたら、男は困惑してしばらく無言だった。そして云った、『ミスター・ホーガンのバンカー・ショットって記憶にない』それほど、ホーガンはバンカーにボールを入れなかったのだ。

以下はバンカーのインパクト・ゾーンでのホーガンの両腕の特徴である。

・左肘の内側の窪みは天を向いている。
・右肘は骨盤の右のてっぺんを押し続ける。右肘の内側の窪みも天を向き、左手の近くで動く。
・左手首は凸型に盛り上がって弓形を形成し、左手の親指は下方を向いてボールを指す。左手甲は膨らんでターゲットを指す。
・右手も盛り上がり、手首は凹型になる。
・両腕の三角形は左右の上腕二頭筋の内側が上体を押すことによって胸郭に密着する。
・上体のコントロールされた回転によって、三角形がパワフルに動く。
・平らになった左足の上で左膝が弾かれるように動くや否や左肩が上方に突き出される」

（November 0, 2025）

●砂を打つ地点の考え方

LPGAツァーほかで98勝、PGAツァーをも含めた最多勝利記録を達成し、ゴルフ名誉の殿堂入りを果たしたKathy Whitworth（キャスィ・ウィットワース、1939～2022）のtip。

'100 Classic Golf Tips'【LPGA version】
edited by Christopher Obetz (Universe Publishing, 2008, $24.95)

「バンカー・ショットがエクスプロージョンと呼ばれる理由は、先ず砂を打ち、次いでボールを打つからだ。ボールはサンドウェッジが砂を爆発させ、ボールは砂の座布団に乗ってバンカーを出て行く。

問題はどれだけボールの後方を打つかだ。人々は1インチ（約2.5センチ）とか1.5インチ（約4センチ）とか云う。

最もいい方法は自分のスウィング弧の最低点を見極め、その1インチ（約2.5センチ）前方をボール位置とすることだ。スウィング弧の最低点は、ショート・アイアンを打つ際、普通スタンス中央である。だから、あなたがスタンス中央より前方にボールを位置させれば、ボールの後ろを打つことになり、これはボールをスタンス後方に位置させてその1インチ後ろを打って、そこをほじくるより遥かにいい方法だ」

（November 10, 2025）

●砂をグリーンに届ける練習

LPGA名誉の殿堂入りしているインストラクターJane Frost（ジェイン・フロスト）のtip。

'100 Classic Golf Tips'【LPGA version】
edited by Christopher Obetz (Universe Publishing, 2008, $24.95)

「バンカー・ショットは、ボールを砂の座布団に載せてグリーンに届けるものなので、クラブフェースはボールと接触しない。だからこのショットの鍵は砂を移動させることである。

これに慣れるにはバンカーに赴き、ボール無しでスウィングしてみることだ。できるだけ遠くへ砂を飛ばす。クラブが砂で捉えられる感覚を得よ。フル・フィニッシュへとクラブを動かせ。大きなバックスウィングをしたとしても、大きなフォロースルーをしない限りボールはバンカーから出て行かない」

ある日の練習ラウンドで、バンカーでボールなしでスウィングしてみました。驚いたことにクラブヘッドが砂と接触した地点はスタンス中央ではなくスタンス後方（ほぼ右足踵の前方）でした。

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で、そこをボール位置にしてギャップウェッジ（ロフト52°、バウンス9°＝日本ではバンスと呼ぶ）で打ったのですが、固い地面で弾かれてトップして飛び過ぎました。私のコースでエクスプロージョン出来るのはほんの数ホールで、多くのバンカーは砂の層が薄く、ほとんど裸地に近いようなものなので、「砂の座布団」なんて飛ばせません。クラブをバウンスの少ないサンドウェッジ（ロフト56°、バウンス8°）に替えたら、今度は及第点の距離に寄りました。

普通、バンカー・ショットのボール位置にはスタンス前方と云われるのですが、私の場合は違うのです。今回、私は自分の癖を直すのではなく、自分の癖を受け入れることにしました。ボール位置をスタンス後方（左足踵近くの前方）と決めました。

その後の研究の結果、より正確な距離コントロールが出来るようになりました。私のクラブには1.25センチ間隔で白、緑、赤などのマークをつけてあります。サンドウェッジも例外ではありません。このマークを利用すると芝の上で打つ時には同じ一定のスウィングで5ヤード刻みの距離を打ち分けられるテクニックですが、これをバンカーにも応用したのです。

バンカー・ショットの場合、手が右肩へと上がるトップのスウィングで、ウェッジをフルに握って30ヤード、1.25センチ短く持って20ヤード、2.50センチ短く持って10ヤードという感じ。もちろん、顎の高さや傾斜（上りか下りか）によって塩梅しなくてはなりませんが…。

自分のバンカー・ショットのスウィング弧の最低点を知ることはとても重要です。一度、ボール無しでやってみることをお薦めします。

【参考】「ピッチングとチッピングの距離調節」簡略版（tips_195.html）

（November 20, 2025）