November 10, 2025
●飛距離の研究
ここのところ、1ラウンドにつき1~2回は「われながらよく飛んだ」というケースがあるのですが、それがラウンドにつき数えるほどというのが寂しい限り。どんな風にスウィングした時によく飛んだのか解らないというのも情けない。五割打者は欲張りとしても三割打者ぐらいにはなりたい。で、飛距離が増すであろう要素をリストアップし、一つ一つ実践し消去法でいってみようと考えました。
・インパクトで胸を張れ
これが本命かと思われたのですが、今回これに集中しても飛距離は変わりませんでした。
・ダウンスウィングで排気する
インストラクターPaul Wilson(ポール・ウィルスン)は「齢をとるに従ってパワーは落ちる。だから、そうなったら身体を緩めるのだ。手首をドアの蝶番(ちょうつがい)だと考え、バックスウィングのトップで蝶番を締め、ダウンで緩め、フォローでまた締める」←「スウィング・スピードを上げる方法」(tips_215.html)
僅か数秒のスウィングの最中に身体の一部(手首)を締めたり緩めたり出来るものだろうか?と思われました。しかし、「息を吐けば緩むかも知れない」と閃きました。当サイトを「呼吸」で検索すると排気が飛距離に繋がるというtipがいくつかありました。私は「先行捻転」という手法を使っていますので、その手順と呼吸法をシンクロさせてみました。しかし、目立った変化は見られませんでした。
・力まないで打て
ある日のラウンド、ティー・ショットを《力まないで打つ》という方針で通してみました。以前《飛ばそうと思うと飛ばない》という経験があったので、逆にしてみたわけです。最近も「おお、ここまで飛ぶなんて信じられない!」というショットが何度か出たのですが、それは格別パワフルに打った時ではありませんでした。
私のゴル友の一人がかつてティー・グラウンドで彼自身にこう語りかけことがあります、「ヒットするんじゃない、スウィングするんだぞ。いいな」これは金言です。いわば腕力のない少年・少女のkids golfみたいなもので、捻(ねじ)った身体を逆転させるパワーに頼るわけです。もちろん、下半身主導。これだと方向性もよく飛距離も伸びます。
力まないスウィングを試したところ、No. 2(275ヤード)パー4では最近になくティー・ショットが飛び、残り100ヤード地点へ。最近出なかった飛距離。ただし、その後のホールでは左へ飛ぶミスが何度か出ました。上りのNo.16(200ヤード)パー4でグリーン中央のピンまで30ヤードまで飛んだ時、謎が解けました。それまでの私の左肩は捻転が不充分だったのです。左肩をちゃんとボール位置まで廻さないといけなかった。これが方向と飛距離に影響していたのです。
・左脇を締め挙げろ
これは過去に覿面に飛距離を増してくれたメソッドとして実績があります。もう20年も前の話で、すっかり忘れていました。これはチキンウィングを防ぎながら、左腕を右腕と同じ長さにして同時に(そしてパワフルに)インパクトに到達させるコツです。←「左脇を締め挙げろ」(tips_94.html)
その骨子は…「ダウンスウィングで両腕が右腰の上に近づく頃、左脇を締める。インパクト直前に左肩を挙げ(写真の赤矢印)、インパクト後すぐさま飛行線後方に引く(写真の青矢印)。こうすると両腕が伸び切る」
これは結果的に《インパクトで胸を張れ》と同じ効果をもたらします。胸を張るのは悪くするとそっくり返る危険がありますが、左脇を締め挙げる分には何ら弊害はなく、両腕が充分に伸び切ります。これがパワフルなショットに繋がるわけです。
毎回うまく行くとは限らないのですが、うまく行けば10~15ヤード増やすことが出来ます。飛距離が増えない場合でも、驚くほど真っ直ぐ飛んでくれるのがありがたい。
(November 10, 2025)
●ワイドスタンスで飛ばす
スペイン生まれのLPGAツァー・プロJulia Lopez Lamirez(フリア・ロペス・ラミレス、2003~)は私の住むミシシッピ州の大学に留学したそうで、親近感を抱きます。彼女のドライヴァーの平均飛距離は285ヤードだそうです。【https://news.golfdigest.co.jp/news/lpga/article/185768/1/】
写真を見ると、先ずその超ワイド・スタンスに驚かされます。そのスタンスは肩幅の倍近い広さ。身長は170センチで脚も長い。
真似したいところですが、「体型別スウィング」(tips_54.html)において私は「テコ型ゴルファー」と分類され、適切なスタンスは「肩幅」とされています。残念。真似しても無駄のようです。
彼女は「大事なのはボールをアッパーでとらえること。スタンスを広くしてボールを左寄りに置き、体の右サイドで叩く」と云っています。写真で見る限り、ダウンスウィングで右膝は定石通りターゲット方向に突進させていますが、左膝は突っ張っていて体重は右に残ったままに見えます。これはボールをアッパーに捉えるには最適だとしても、体重移動によるエネルギーをボールに伝えられないと思うので、非常に不思議です。
(November 10, 2025)
●パワーを得るにはワイド・スタンス
Tiger Woods(タイガー・ウッズ)の広めのスタンス推奨の弁。
'100 Classic Golf Tips'
edited by Christopher Obetz (Universe Publishing, 2007, $24.95)
「パワーを全開にする秘訣はセットアップにある。私がティーに乗せたボールを本気でかっ飛ばそうという時、私は右足を数インチ(2.5~5センチ)右に広げることによってワイド・スタンスにする。この手順は同時に頭をボール後方に移す。
通常のスウィングは私の持てる力の75~80%だが、かっ飛ばそうと思うと90%のパワーで打つ。それでも、ワイドなスタンスによってバランスを失うことはない。
ワイド・スタンスはまた、インパクトにかけて身体をボール後方に留めることを助けてくれる。私にとってのチェック・ポイントは「右肩」だ。右肩がインパクトの瞬間までボール後方に留まっていれば、他の残りの上半身もボール後方に留まっているに違いないからだ」
図のタイガーのスタンスは両足の踵の内側を肩幅に開いています。これは彼の通常のスタンスで、「かっ飛ばそう!」と思った時は右足をさらに2.5~5センチ右に広げるのです。それでも90%の力であって100%ではありません。あくまでもコントロールされたパワーの限界内に留めようというプロ意識です。
(November 10, 2025)
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