August 10, 2025
●Ben Hogan(ベン・ホーガン)の練習
'The Front Nine'
by Barry LeBrock (Triumph Books, 2008, $22.95)
この本は、歴史に残る九つのラウンドの名ショットを選んで詳述したもので、その一章は1950年の全米オープンに優勝したBen Hogan(ベン・ホーガン)のプレイに割かれています。彼は長く二位、三位ばかりで優勝とは縁がなく、失意の日々を送っていました。その彼の練習にかけた執念が分かる記述を紹介します。
「Hoganの友人でありライヴァルでもあったTommy Bolt(トミィ・ボルト)は次のように云う。『Ben Hogan以前、ゴルフ練習場は"Misery Hill"(みじめな丘)と呼ばれており、そこへは誰一人いい心理状態で向かわなかった。誰しもが一体全体どうしてうまくスウィング出来ないのか見極めるために行ったからだ。Hoganは全く別で、彼は自分のスウィングがなぜ正しいのか見極めるために行ったのだ。考えてもみろ、これは革命的な違いだ!他人の二倍もの練習量によって、彼はミス・ショットの数をゼロに近く減らしていたんだ。彼が”みじめな丘”で打ったことのないショットはなく(なんせ、何千発も打つんだから)、初めて見るようなショットがトーナメントで彼を驚かすことはなかった。これが彼を他と峻別していたことだ』
1940年代に入ったが、Ben Hoganの二位三位どまりという腹立たしい状態は続いていた。優勝のチャンスに近づけば近づくほど彼は練習した。どこかに完璧なゴルフ・スウィングが隠れている筈だ、それを見つけ出そう…と彼は決意していたのだ。彼は文字通り練習場に住んでいたと云って過言ではなかった。毎朝毎夕三時間半、一分間に三個のボールを打つ。一日に七時間、一時間に180個のボール。彼の目標は、正しいスウィングをマスル・メモリに刻み込もうというものだった。
トーナメントの重圧のもとでも、彼はスウィングについて考える必要はなかった。以前に打った何万発と同じようにスウィングすればいいのだ。このマラソンのような長丁場の練習によって、彼の長年の宿敵であった厄介なフックは絶滅し、安定したフェードが打てるようになった。これはやや飛距離を減らしたものの、彼のトレードマークとなるほど究極の安定性が得られたのだった」
Ben Hoganの手の平が固くなる前、過度の練習で血が出るほどだったそうです。”血の滲むような努力”という表現がありますが、実際に出血したそうです。
その努力の甲斐あってついに優勝に漕ぎ着けましたが、そこへ降って湧いた交通事故。あわや彼のゴルフ生命の終わりかと思われましたが、またしても”血の滲むような”リハビリによってトーナメントに復帰出来たのでした。Ben Hoganは努力の塊みたいな人間だったようです。
【参考】
・「Ben Hogan(ベン・ホーガン)の精密さ」(tips_166.html)
・「Ben Hogan(ベン・ホーガン)の正確無比なアイアン・ショット」(tips_145.html)
(August 10, 2025)
●久々のパー4、イーグル
久方ぶりのイーグルで、スコアも6オーヴァーでしたから、正直お赤飯を炊きたい気分です^^。
昨年脳卒中を患ってからラウンド数も少なくなり、ラウンドが少なくなるとゴルフが下手になるのは必然で、最近スコアを合計する気にもなれない日々が続いていました。
イーグルというのは普通パー5で出る頻度が高いのですが、私はパー4で何度かイーグルを記録しています。覚えている範囲ではNo.3(186ヤード)、No.9(286ヤード)、No.15(400ヤード)などで、いずれも二打目がチップインしました。今回のはNo.16(200ヤード)パー4でした。
私は普通は薄緑色のCallawayのSuper Softを使っているのですが、この日のボールはどこかで拾った赤いSuper Softでした。このホール、谷越えで上り勾配と来ているので距離は短いのですが、そう簡単ではありません。別に特別な考えも工夫もせずに、ただ真っ直ぐ打とうとだけ考えたボールは、なんと二打目をギャップ・ウェッジで打つ距離まで飛びました。老いた今日このごろここまで飛ぶことは皆無でしたから、ボールのせいであることは間違いありません。
ギャップ・ウェッジによる寄せは70ヤードほどで、ひたすらボールとのいいコンタクトだけ考え、ピン傍とかチップインなどと欲張った気持ちなどありませんでした。狙い通りバンカーを越えピン方向に向かったあとボールの姿が見えなくなったので、「え?オーヴァーしてこぼれてしまったのか?」と思いました。そんな強く打った覚えはないので、オーヴァーする筈はありませんでしたが…。グリーンに上がると、赤いSuper Softがカップの中にちょこんと座っていました。
このハーフ、1オーヴァーで廻れました(パット総数12)。残りのハーフは不出来で、5オーヴァー(パット総数15)。私の目標は7オーヴァーで廻ることなので、6オーヴァーは望外の幸せです。
(Aug 10, 2025)
●短いフィニッシュで正確なピッチング
LPGAプロChristie Kerr(クリスティ・カー、1977~)のtip。 '100 Classic Golf Tips'【LPGA version】 「ピッチングは正確さと距離コントロールの一語に尽きる。だから、ドライヴァーやアイアンよりも短くコンパクトであるべきだ。 バックスウィングの長さとフォワードスウィングの長さを同一にする。例えば30ヤードのピッチングなら大雑把に右腰までのバックスウィング、左腰までのフォワードスウィングという風に。 短縮したフィニッシュとはスウィングから過剰な動きを減らし、ボールをソリッドに打つことを意味する。 身体の前で両腕を伸ばしたフィニッシュをする。コントロールされた停止によって、インパクトで減速するお粗末なボールとの接触という一般的なミスを防ぐことが出来る」 |
(Aug 10, 2025)
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