August 01, 2025
●”未来の”パッティング
”未来のゴルフ・スウィング”のMindy Blake(ミンディ・ブレイク)のパッティングtips。
’The Golf Swing of The Future'
by Mindy Blake (W.W. Norton, 1972)
「ビリヤードではボールの中心の少し上を突くと狙った通りのラインで転がる。
ゴルフのパターの多くには約5°のロフトがついているため、垂直な角度のシャフトでボールを打つと、ボールは1メートル前後滑走してしまう。
滑走させないためにはロフトがマイナスのパターを使えばよい。ただし、これは短いパットには最適だが、長いパットをしようとするとインパクトでボールがジャンプしてしまう。
普通のロフトのパターを使うコツは、先行気味の左手甲によってやや上昇軌道でボールを打つことだ。これはパター・フェースをやや伏せ目にする効果があり、インパクト直後からボールを真っ直ぐ転がすことが出来る。
私の推奨手順:
1) ボールからカップへと視線を移し、カップからボールへと戻す。
2) ラインを見極め、芝の強さを感じ取る。
3) フル・ショットと同じように左足は30°、右足は10°オープンのスタンスをとるが、間隔を狭めにする。
4) 打つ前に、右目を左目の真下になるようにボールからカップへのラインを見る。
5) 膝をカップ方向に僅かにプレスして止め、パターをやや伏せ目にしてストロークする。
上のようにした膝が自動的にボールをターゲット方向に引く。
頭は静止したまま。
両手がパターをリードし、僅かに上昇軌道でボールを打つ」
現在このスタイルでパットする姿は数10センチの距離をポコンと入れる時ぐらいにしか見られません。しかし、上昇軌道で打つというのはJack Nicklaus(ジャック·ニクラス)も唱えていることなので参考になります。
(August 01, 2025)
●パッティング・ラインと速度を視覚化する
その日、のっけにNo.1(320ヤード)で三打目をショートさせバンカーの顎の直下につけてしまい、脱出に三打かかってクァドループル・ボギーにしてしまいました。そのせいで、二つのバーディを得たにも関わらずアウトは6オーヴァーでした。
インでも二つのバーディを得ました。こちらは3オーヴァー。嬉しかったのはこのハーフを13パットで済ませたことです。チップインはありませんでしたので、全てパットした結果です。
この日努力したのは、パットの行程とスピードを視覚化したことでした。これまでは、ボールからカップまでの距離を転がすための強さの見当をつけるために素振りするのがストローク前の手順でした。数ラウンド前、ボールが進むスピードを予測し、それがカップに転げ込むところを視覚化したら、全くその通りに事が運んだのでびっくり。その日のその後も、同じ手法でいい結果が得られました。
これは別に私のアイデアではなく、色んなプロが述べている手法です。距離感を得る素振りは以前同様にしますが、その後半にボールが進むスピードと進路をイメージするのです。行程の最初の1/3は早く転がるのでグリーンの勾配や芝目の影響はほぼありません。行程の半分を過ぎたところからが重要です。この付近から速度が落ち始め、ゆっくりになる最後の1/3は最も勾配と芝目の影響を受けます。
ですから、時間を短縮するなら最後の1/3だけでもいいと思います(私は1/2のところから視覚化しました)。スムーズに転がるボールが最後の1/3でとろとろというスピードになり、カップの左右・真ん中など狙った場所からころんと転げ込むところを視覚化します。そのスピードを再現すべく努力しながら実際にストロークします。
これだと、ボールに「ぐずぐずしてないでカップに入れ!」とか「頼むから入ってくれ」などという態度でなく、ボールの肩を抱いて一緒にカップに向かって進んで行く…という、落ち着いたスムーズなスピードと強さが得られます。今後もこの視覚化テクニックを深化させたいと願っています。
(Aug 01, 2025)
●右脳に任せろ
状況(距離、勾配、ライ、障害、風、雨など)の判断は左脳の領域ですが、身体的動作を司るのは右脳の領域です。右脳は過去の実績から最適の筋肉的運動を探し出し、「これでいい筈だ」という動作を遂行しようとします。ところが、打つ段になってもゴルファーが右脳に全権を委任せず、まだ左脳を働かせて「このラインは下りだから、あまり強く打つな」とか、「これを沈めないと80を切れないぞ!」とか自分に囁き続けると、右脳は錯乱状態になってしまいます。コーチが「ああせい、こうせい」とガミガミ怒鳴り続ければ、生徒は何に集中していいのか判らなくなり、カーッとなるだけで「もうどうでもいいや、打っちまお」ということになるのと同じです。
ある日のラウンド、私はパットする前に「右脳に任せろ」と呟き、左脳で考えることをきっぱりと遮断しました。すると、連続して寄せワンが達成出来ました。
(Aug 01, 2025)
●下りでもへろへろ球は打つな
下りのパットは恐ろしい。カップを遥かにオーヴァーし、返しのパットも難しくなって3パット…という事態は是が非でも避けたい。どうしても怖じ気づきます。「とにかく、オーヴァーはしたくない」という気持ちが恐る恐るのストロークを生み、そのように打たれたボールはへろへろと転がります。へろへろと転がるボールは、地面の凸凹やスパイクマークなど全ての影響を漏れなく受け、右や左へ酔っぱらいのような千鳥足の行進をし、巧みに(?)カップを避けてしまいます。
絶対にへろへろ球だけは打たないようにしましょう。短いバックストロークであっても、ボールの中心をパターのスウィート・スポットでしっかり打つべきです。このように打たれたボールは、弱く短く打たれても、正しいトップスピンによって迷わず直進します。多少の地面の凸凹も乗り越えてくれます。
ストロークの強さを和らげるにはパターのトゥで打つという方法がありますが、これはボールが右へ出易いので左を狙わなくてはなりません。そして、やはりへろへろと転がります。それよりは、パターをもの凄く短く持つという頭脳プレイがあります。これはストロークの強さを抑え、転がる距離を短く出来ます。
【参考】
・「下りのパット」(tips_66.html)
・「下りのパット、二つの工夫」(tips_135.html)
(Aug 01, 2025)
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