September 20, 2024

正しいコックのトップで飛ばす

 

卒中前の私の画期的飛距離増の真の要因はずっと謎のままでした。《インパクトで胸を張れ》や《トゥ寄りでアドレスせよ》というtipsを用い、《トップの間(ま)》を実行してさえもNo.1(320ヤード)パー4で残り118ヤードまで飛んだショットは再現出来ません。夢だったら諦めますが、202ヤード飛んだのは事実なのです。No.14(360ヤード)パー5では210ヤード飛びました。それが再現出来ないのが口惜しいのです。途方に暮れていたある夜、「コックだ!コックに違いない!」と閃きました。それ以外に自己最高の飛距離を達成出来た要因は考えられません。

[cocks]

私にはコックだと思い込んで左手首を凹の形に折ったり(図Bフェースがオープンになるので結果はプッシュ)、凸の形に折ったり(図Cフェースがクローズになるので結果はプル)した苦い過去があり、コック恐怖症となったためその後意識的にはコックしないスウィングをして来ました。

一緒にプレイする仲間のスウィングを見ていて、明らかに深いコックで飛ばしている姿を見ると、「ああ、おれもちゃんとコックしなきゃな…」と思わされるのですが、そういう仲間が隣のホールへのスライスやフックを打ってトラブルに陥るのを目撃すると、「やっぱり止めとこう」となったのでした^^。

私の画期的飛距離増にはインストラクターPaul Wilson(ポール・ウィルスン)のYoutubeヴィデオが大きく影響しています。彼は「(左肘を折ってもいいから)力まないでバックスウィングし、下半身主導でダウンスウィングせよ」と説くのですが、このスムーズそのもののバックスウィングは自然に深いコックを形成します。多分、彼の感化で力まないバックスウィングをして充分なコックをしたのが飛距離増の要因だったろうと思われました。

[Swingyde]

しかし、だからといって飛距離増を求めて意識的にコックするのはためらわれました。コック恐怖症は未だ健在なのです。で、当サイトで「コック」をキーワードにして検索し、ヒットする見出しの記事を読みまくりました。そして「正しいコックのトップを作る」(tips_197.html)という記事にぶつかりました。これは'Swingyde'(スウィンガイド)という練習器具を用いて正しいコックを身につけるというものです。この器具を使うと鏡を見る必要もなく、自分が正しいコックをしているかどうかが文字通り肌で判ります。この'Swingyde'を用いる練習ではボールを打つ必要はありません。ひたすら素振りで正しいコックを身につければいいのです。

[planes]

ドライヴァーのスクウェアなフェースに揃えてSwingydeをハンドルに装着して、裏庭で練習。なかなかうまくいきません。長い間意識的にコックをしていなかったせいでしょう。左手甲を厳密に平らにして伸ばさないとSwingydeのアームが正しく左前腕に当たりません。アームが左前腕に接触しないということはコックが浅過ぎるということを意味し、アームが左前腕を逸れるということは左手甲を凸や凹に曲げている証拠です。「こりゃ時間がかかるわい」と思ったので、Swingydeをドライヴァーから外して練習用の短く重いクラブに付け替えてTVの傍に置き、CMの度に振ることにしました。先ずアームを正しく腕に当ててトップを作る練習から始めました。最終的なトップの形(角度)を身体に覚え込ませることが先決と考えたからです。

バックスウィングのトップに至る軌道によってゴルファーのスウィング・プレーンは右図のように高・中・低と分類されます。【参照:「体型別スウィング(プレーン篇)」(tips_137.html)】私は体型的に中プレーンに属し、トップでの左腕の高さは右肩の下になります。左腕が右肩の下に向かってしっかり伸ばされた時、Swingydeのアームがぴたりと左前腕の真上にかぶさります。右肩の上だったり下だったりするとアームは左前腕を逸れてしまうので、正しくコックされていないことが判ります。ただし、アームが左前腕に正しく当たったとしても手首が凸や凹になったのでは、クラブフェースがスクウェアではないのでプッシュやプルを生じてしまいます。下図のように穏やかなスウィングで、左手甲をすらりと平らに伸ばしたトップが理想的です。これならフェースをスクウェアに保てます。

[flat_wrist]

驚いたことにこの正しいコックによるトップは、私の場合「Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)式トップの作り方【詳説】」(tips_207.html)で紹介した低めのトップと同じ形に納まります。

Swingydeのアームが左前腕に完全にかぶさるのが理想的な最も深いコックなのですが、私はそれにこだわらないことにしました。深くコックすれば飛距離は伸びるとしても、飛距離を望むあまり間違って手首を凸や凹にしてしまっては方向性が乱れます。方向は飛距離よりも大事ですから、無難な浅めのコックでも悪くないと考えるべきでしょう。

なお、正しいコックを習得するとドライヴァーだけでなくフェアウェイウッド、ハイブリッド、アイアンに至るまでご利益があるので、ゴルフの全面的改善が期待出来ます。

ただし、インストラクターDave Pelz(デイヴ・ペルツ)によれば、「マスル・メモリに新しいスウィングを記憶させるには10,000回の練習が必要」だそうです。10,000回!生きているうちに達成出来るものかどうか…。

(September 20, 2024)

ヤーデージ視認法

 

[yardage]

以下の方法は多分誰もがやっていることでしょうが、私としては最近になって始めたことです。

アプローチ・ショットする時ボールの傍に立ち、先ずロブウェッジ(LW)で打ったらどこまで届くかを視覚化します。私の場合、ロブウェッジの2/3スウィングによる飛距離は、地面が平らなら約60ヤードです。そして私のクラブは10ヤード刻みで打てるようになっているので、サンドウェッジ(SW)で打つとすれば約70ヤード、ギャップウェッジ(GW)では約80ヤード、ピッチング・ウェッジ(PW)では約90ヤード、それでも(目測で)グリーンに届かないとすれば9番アイアン。この視覚化をLWから始めて(頭の中で)グリーンに届くクラブになるまで続けます。

私は数年間の実績にもとづいたデータの蓄積から割り出した100ヤード以内のクラブ選択表を携帯しています。パー3を除く14ホールの虎の巻です。

最近になってその虎の巻だけでは充分ではないことが判りました。虎の巻がGWであると示していても、その日の体調と実績によって、1クラブ足すべきだと脳に囁やく声がするのです。あるいは、虎の巻がGWだと述べていても、目で見た感じでGWではオーヴァーすると感じられる日もあります。そして、どの場合も上の方法で目測した結果は常に正しいのです。

Tiger Woods(タイガー・ウッズ)は「本能は絶対に嘘をつかない」と云ったそうですが、目で見た時にどのクラブが必要かを教えてくれるのはまさしくその本能(潜在意識)であり、その日の体調やスウィングの実績から割り出された答えだと思います。それを確認し納得する作業が、上のLW→SW→GW→PW…という視覚化なのです。これは普通誰しもがやっていることでしょうが、虎の巻に依存するよりも確実であると実感しています。

(September 20, 2024)

リズムとテンポの研究・最終回【6. パッティングにおけるテンポ】

 

パッティングでもリズムとテンポが重要であることは云うまでもありません。トム・ワトスンは「二つまで数えられる人間なら、だれでもいいパットが出来る」と公言しています。二拍子でパットしろというわけです。振り子式ストロークが全盛の昨今ですから、リズムは二拍子で決まりでしょう。三拍子の振り子なんてありませんからね。

問題はテンポです。面白い調査結果を入手しました。アメリカのグランド・サイプレス・ゴルフ・アカデミーのテキストですが、パッティングの項にグレッグ・ノーマンやトム・カイトなどPGAツァー・プロ十数人のパッティングに要した時間を計測したデータがあるのです。

このテキストが説くポイントは「『バック・ストロークとフォロースルーの長さを同じにせよ』という古い言い伝えは間違いだ」というものです。

・PGAツァー・プロたちのバック・スイングとフォロースルーの距離を調べた結果、バック・スイングのほぼ二倍のフォロースルーを行っていることが判明。

・パット名人たちの平均バック・ストロークは 0.67秒、平均ダウン・スイングは 0.27秒である。ダウン・スイングのテンポはバック・ストロークの二倍速い。それはボールとの接触までの十分な加速を意味している。

・プロたちのパッティングに要する所要時間は常に一定である。その距離の如何にかかわらず、ストロークの初めからボールと接触するまでの時間は同じ。全ての距離で同一時間ということは、長いパットのテンポは短いパットより速いということである。

テキストの編者たちは、次のように主張します。「パッティング・ストロークには三つの要素が絡む。距離、テンポ、所要時間である。最初の二つは常に変わるが、所要時間は同一である。所要時間が同じである以上、テンポが変わらざるを得ない。4.6 メートルのパットのテンポは1メートル のパットのテンポよりずっと速くストロークされなければならない」

ゴルフ用メトロノームを販売している会社のウェブサイトにも、「スイングが短かければテンポは速くなる。パッティングには70~95拍(70~90 beat/minute)が妥当であろう」と書かれています。

 

(September 20, 2024)



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