October 01, 2024
●良いフィニッシュはボーナスをくれる
ヴィデオで様々なプロのスウィングを見ているうち、自分に確実に欠けているものがあることに気づきました。フィニッシュのポスチャーです。私のベルトバックルは写真のプロのように完全にターゲットを向いておらず、ターゲットの右10°付近を向いている程度です。両手も頭の左横まで届くか届かないかであり、プロのように大きく振り抜いていません。
もちろん、若い女性のしなやかな身体とシニア男性の硬い身体条件を一緒には出来ないので、私に写真のようなフィニッシュは不可能でしょう。しかし、ターゲットにベルトバックル(あるいは臍)を向け、右爪先で立つことぐらいは出来るはずです。というか、やらなくてはならないことです。
女子プロのすっくと立ったフィニッシュは見た目に美しいだけでなく、全てのエネルギーを解き放った解放感に満ち溢れています。これはボールを打った後も止めようと思っても止まらない推進力・勢いがもたらした結果です。爪先で立った右足はボールに与えたエネルギーの強さを示し、ターゲットに向けたベルトバックル(あるいは臍)は、「ターゲットに向かってボールを飛ばすのだ!」という意思の表れです。
私自身のフィニッシュを振り返ると、確実にフェアウェイにボールを打とうとしてスウィングの舵を取ろうとし、無理やりターゲット方向に振り抜いている気がします(クラブをターゲットに向かって投げ出す感じ)。手・腕がターゲットに向くだけで、ベルトバックルはターゲットではなくその右を向く程度なのです。両手が頭の左でストップするのはさらに振り抜くとプルしそうで恐いという気持から来ています。中途半端なスウィングであり、エネルギーを解放していない。
とにかく、エネルギーの全てをターゲットに向かって解き放つべきだと思いました。初心者の頃は、ターゲットに背中を向けるバックスウィングが恐かったものですが、それは克服出来ました。大きく振り抜くフィニッシュもやってやれないはずはありません。
ある日、完全なフィニッシュでスウィングを完結させることを目標にしてプレイしたところ、驚くべきことを発見しました。いいフィニッシュを達成すると飛距離が20~30ヤード伸びるのです\(^o^)/。
英国の高名なインストラクターPercy Boomer(パースィ・ブーマー、1885~1949)は「ボールの位置がスウィング軌道の中心と考えてはいけない。ボールの直前ではなく、ボールを通過した直後に最大のヘッド・スピードになるようにすべきである」と説いています。ボールが終点だと考えるとその手前でクラブヘッドは減速してしまいます。神田駅で停車する電車がそのずっと前から減速するように…。そうではなく、神田駅でボールを打っても電車を停めず東京駅まで突っ走るべきなのです。
ゴルフでは上の写真のようなフィニッシュが終点であり、ボールはスウィングの途中にある邪魔物に過ぎないのです。こう考えればボールは最高のスピードの最中(さなか)に打たれることになります。完全なフィニッシュは美しいポーズを作り出すだけでなく、飛距離増をもボーナスとして恵んでくれるのです。これを利用しない手はありません。
(October 01, 2024)
●ダブル・ブレイクの処理法
パットのラインの曲がりが単純ではなく、(例えば)最初右へ曲がり、ある地点から左へ曲がるようなパットを”ダブル・ブレイク”と云います。
これはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)がいろいろな雑誌に書いたパットのコツを集成した本からのtip。
'Putting My Way'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (John Wiley & Sons, Inc., 2009, $25.95)
「私は短いパットではボールの数10センチほどターゲット方向に中間目標を見つけ、ロング・パットではライン全体を視覚化することを好む。
しかし、ダブル・ブレイクの場合も中間目標を見定めることが助けとなることを学んだ。
最初のブレイク(曲がり)と最後のブレイクとの分岐点が判明するまで、それら二つを別個に読む。
ボールを打つに当たって、最初のブレイクだけ考えその分岐点めがけてストロークする。
ただし、カップまで届く強さが必要なことは云うまでもない」
(October 01, 2024)
●教え魔撃退法
スポーツ心理学者Dr. Joe Parent(ジョー・ペアレント博士)執筆のメンタルtips集より。
'Golf: The Art of the Mental Game'
by Dr. Joseph Parent (Universe, 2009, $24.95)
「ゴルファーというものは屡々善意で助け合おうとするものだ。そうした善意は時折ラウンド中に気軽に与えられる助言となって現れる。不幸なことに、多くの場合助言者はインストラクターではなく単なる月一ゴルファーであり、彼はTVか雑誌で知ったゴルフtipを披露したくてたまらないだけなのだ。そのtipは正しいとしても、そういうものはスウィングの機械的動作に関するものが多く、あなたがそれに囚われると抱えている問題を解決するどころか、さらに泥沼にはまり込んでしまう。
では、勝手にインストラクターに変身した友人に対してどうするか?安全な途は彼がこちらの抱えている問題に関心を示してくれたことと、価値ある情報をシェアしてくれたことに感謝することだ。そして彼の助言はきっぱり忘れ、自分に出来るベストを尽くすことである。
もし彼が(こちらは望んでもいないのに)さらにどうたらこうたらぐだぐだ云うのであれば、『レッスン・プロから迷わず今のままやれと云われてますんで…』と云えばよい。
礼儀正しくあるべきだが、自分の流儀でプレイすべきだ」
レッスン・プロに教わってなどいないことがバレバレである場合は、『いまボビィ・ジョーンズのスタイルを勉強中なもんで…』とか、『ラウンド中に急に直すわけにもいかないんで、今度練習場で試してみます』などとはぐらかすべきです。でないと、その日のラウンド中の一打一打についてうるさく云われる恐れがあります。
(October 01, 2024)
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