May 10, 2024
●キレないための方策
'The Grand Slam:Bobby Jones, America and the Story of Golf'
by Mark Frost (Hyperion, 2004, $15.95)
面白い話を読みました。Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の伝記の中の一挿話です。若い頃のBobby Jonesは自分の失策に我慢出来ず、癇癪を起こすのが常でした。その頂点は1921年にセント・アンドリューズで開催された全英オープンでした。三日日のNo.11で ボールをバンカーに入れたBobby Jonesは三打かかってもバンカーから脱出出来ず、自分のボールを拾い上げてしまい(=失格)、スコアカードを千切って川に投げ捨てました。
その直後のU.S.オープンで、Bobby Jonesは名人Gene Sarazen(ジーン・サラゼン)と組み合わされました。Gene Sarazenも自分の失敗にキレてしまう性分であり、自分と廻ることになった若者(Bobby Jones)も同じ傾向であることを知っていました。で、ラウンド開始前Gene SarazenはBobby Jonesにこう申し出ました。「最初にキレた方が相手に10ドル払うってのはどうかね?」Bobby Jonesはこの賭けを受けました。
Bobby Jonesはその日不出来で78も叩いてしまいましたが、Gene Sarazenとの賭けがあったのでキレずに済ませたそうです。
この方法はわれわれのゴルフにも応用出来ます。腕前が同レベルの仲良しと次のような賭けをするというのはどうでしょう?
・3パットしたら1ホールにつき相手に1,000円払う。
・バンカーから一打で脱出出来なかったら(あるいはホームランを放ったら)一回につき相手に1,000円払う。
・チョロを打ったら一打につき100円払う。(ゴロは結構距離が出るので不問に付す)【註】これは頻繁に出そうなので安いレート^^。
・【中~上級者】80が切れなかったら相手に1,000円払う(引き分けの場合もあり得る)。
あくまでもキレたりその日のゲームを投げたりしないため防止策です。誰しも賭けに負けるのは嫌なので、真剣にプレイすることになるのではないでしょうか?
【おことわり】画像はhttps://golf.com/にリンクして表示させて頂いています。
(May 10, 2024)
●アームロック・パッティングを試す
2024年のThe Masters(マスターズ)序盤におけるBryson Deshanbeau(ブライスン・デシャンボー)の快進撃は印象的でした。特に彼のパッティング・スタイルが…。 これは"arm-lock"(アーム・ロック)とか"arm-anchoring"(アーム・アンカーリング)と呼ばれる技法で、前腕にパター・ハンドルをくっつけて固定するメソッドです。 顎や胸にグリップエンドを固定するロング・パターや、お腹に固定するベリィ・パターは一時多数のツァー優勝者を産み出しました。Webb Simpson(ウェブ・シンプスン)、Kegan Bradley(キーガン・ブラッドリー)、Matt Kuchar(マット・クチャー)、Adam Scott(アダム・スコット)等々。しかし、2016年にR&AとUSGAは身体の不動部分にパターを固定するスタイルを禁止しました。 その当時も今もパター・ハンドルを前腕に固定する手法は認められています。なぜなら動かない胴体の一部と異なり前腕は動く部分だからいいのだそうです。 前腕にハンドルを固定する方法はBernhard Langer(ベルンハード・ランガー)が1988年に開発し、彼のThe Masters(マスターズ)優勝を初め長年にわたって彼の成功に貢献しました。ですから、これは別に新しい方法ではありません。 私もランガー・グリップを試したことがありますし、それに類したグリップを考案して実践したこともありますから、これに移行するのはそう難しいことではありません。 |
なんとアーム・ロック用のパターまで売られているそうです。私の現在のパターをアーム・ロック方式で使うことも出来ますが、以前購入したベリィ・パターの方が9センチほど長いので、使ってみることにしました。
しかし、ベリィ・パターはフィーリングも良くなく、パターヘッドのデザインも気に入らないので没。現在使っているパターをアーム・ロック方式で使うことにしました。問題は確固たる基盤でストローク出来るせいか、常にオーヴァー目になってしまうことです。数10センチぐらいならまだましなのですが、1メートルもオーヴァーだと返しのパットの成功も危うくなります。これはまずい。これまでよりバックストロークを短くするようにしました。
距離はぴったりになったのですが、ボール1個分右へ行ったり左へ行ったりします。しかし、頭を動かさずに「結果は音で知れ」を実行したら入り出しました^^。
(May 10, 2024)
●仮説・飛距離増の謎の解明
「脱力のゴルフ」(04/20)、「間違いなく飛距離増(続・脱力のゴルフ)」(05/01)と続いた飛距離増ですが、ラグ(レイト・アンコック)の効果ではありませんでした。では、何が飛距離増をもたらしたのか?
その後のラウンドで飛んだホールとそうでないホールを分析してみました。飛んだホールのティー・ショットでは、私は伸び伸びと胸を張り、付随的に腕を目一杯延ばしていました。これは「義父の秘伝」として読者から寄せられたtipの一つでもあります。胸を張ると両腕が伸び、飛距離も伸びるのです。投稿して下さった志茂さん(東京)のお話では、通常220ヤードぐらいだったドライヴァー・ショットが胸を張ることによって練習場で250ヤードぐらいに伸びたそうです。
シニアの私の場合、180ヤードだったのが200~220ヤード程度の伸びですが、それでも今まで到達出来なかった地点に届いて感激しています。ラグのお蔭ではないわけですから、多分これが飛距離増の立役者でしょう。
これはジュニア・ゴルフのスウィングと同じです。体力も腕力もない子供たちは、大きく身体全体を使ったスウィングで飛ばすしかありません。シニアの私がジュニアの真似をしなければならないという皮肉^^。
その後、No.11(232ヤード)パー4で意識的に「胸を張って」打ってみました。前回残り40ヤード地点まで届いて大喜びしたのですが、今回はピンまで36ヤードの距離に届きました(さらに4ヤード増)。
最近のラウンドのNo.13(184ヤード)上りのパー3。ドライヴァーをやや短く持って「胸を張って」打ちました。真っ直ぐ飛んだボールはピンを2メートル通過して停止。胸を張ると方向も良くなるらしいです^^。ブレイクする下りの難しいバーディは逃してしまいましたが、非常に嬉しいワン・オンでした。
同じ日のNo.16(200ヤード)上りのパー4。私の「胸を張って」打ったティーショットはグリーン正面のバンカー手前、ピンまで約20ヤード地点に届きました。この距離のチッピングは慣れています。バンカー越えを寄せて1.5メートルのパットを沈めてバーディ。飛距離の恩恵を堪能しました。
ラグが実行出来ない場合はこれです、《インパクトで胸を張れ》。
【参考】「義父の秘伝」(tips_43.html)【他にも有意義なtip多数】
(May 10, 2024)
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