March 10, 2024
●スクワット体勢で飛距離増
これはインストラクターLaird Small(レアド・スモール)のtip。
'Golf Magazine's Play Like A Pro''
edited by David DeNunzio (TimeHome Entertainment Inc, 2013, $32.95)
「あなたの飛距離不足は、トップで準備したパワーを効果的に下降する動きへと移していないからだ。Sam Snead(サム・スニード)は、インパクトにかけてスクワット(しゃがみ込み)の体勢でエフォートレスなパワーを生むことで有名だった。あなた方の多くはSam Sneadのショットを見たことがないだろうが、その動きはあなたがPGAツァー・トーナメントのTV中継で毎週見ているものだ。
実際にはこれは野球のピッチングやテニスのサーヴとさほど変わらない(ボールが地面にあるということ以外には)。私のスクワット・ドリルを用いてパワー増を図るべきだ。
・ステップ1
お尻の右後ろにベンチか椅子があるようにし、いつものスウィングをする。トップで左右の膝(特に右膝)が柔軟であるように。腰はターゲット・ラインに対しクローズになる。
・ステップ2
ダウンスウィングで下半身をターゲットに向かって廻しながらさらに両方の膝を曲げ、あたかも後方のベンチか椅子に座る感じにする。このパワー・スクワットを用いれば、インパクトで大量の弾性(バネの力)が得られる」
写真の二人ですが、スクワットだけでなく、右腕がいかに身体の右横に引きつけられているかにもご注目。これがダウンスウィングでスウィング·プレーンをフラットにし、インサイドアウトの軌道でスクウェアなインパクトを迎える秘訣の一つです。Brooke Henderson(ブルック·ヘンダースン、カナダ)のパワー角度【註】の度合いも凄い。彼女の飛距離の秘密でしょう。【註】「パワー角度」はインストラクターMichael Breed(マイケル・ブリード)の造語で「シャフトと前腕の間の角度」を指します。
【参考】
・「スニードの 飛ばしたきゃケツを突き出せ」(tips_159.html)
・「スウィングのトップで為すべきこと」(tips_203.html)
(March 10, 2024)
●正しいトップの見つけ方
これはインストラクターRick McCord(リック・マッコード)のtip。
'Golf Magazine's Play Like A Pro''
edited by David DeNunzio (TimeHome Entertainment Inc, 2013, $32.95)
「クラブを持ち上げたりインサイドに引っ張ったりして、いつもバックスイングのトップが定まらないとしたら、プレーンに沿ったダウンスウィングは不可能である。
完璧なトップを作るには、次の各ステップを行う。
・ステップ1
6番アイアンを逆さにし、ハンドル(普通握る方)を下にする。左手だけでクラブヘッドの下を握る。これだと軽くてスウィングし易いはずだ。
・ステップ2
肩を廻しながらバックスウィングする。左腕だけでのトップの位置と、いかにスムーズにトップが作られるかを感じ取る。
・ステップ3
上のステップで作られたトップに右手を添える。これがあなたの身体にとって自然なトップである。魔法のように、ソリッドなバックスウィングに必要なものが一挙に得られたことになる。これを信じて用いること」
【参考】「Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)式トップの作り方【詳説】」(tips_207.html)
(March 10, 2024)
●左踵を上げる際の注意
左踵を挙げるスウィングは最近流行りませんが、私は頭を動かさないためとダウンで左踵を地面に戻すことを下半身主導のダウンスウィングの切っ掛けとするために利用しています。以下はインストラクターでCBS-TVのトーナメント中継の一員でもあったPeter Kostis(ピーター・コスティス)のtip。
'Golf Magazine's Play Like A Pro''
edited by David DeNunzio (TimeHome Entertainment Inc, 2013, $32.95)
「Tiger Woods(タイガー・ウッズ)は彼の驚異的な柔軟性によってスウィングに偉大な幅を作り出す(プロ仲間は彼をTVシリーズの主人公になぞらえて粘土人形と呼んでいる)。われわれは彼のようにストレッチ出来ないわけだが、だからといって彼のように捻転出来ないわけではない。
左踵を地面から離せばいいのだ。左踵を地面につけたままにすることはゴルフ・スウィングの基本ではないが、適切に捻転することは基本である。
多くのゴルファーがバックスウィングで左踵を上げるとスウェイしてコントロール不能に陥るのではないかと恐れる。だが、踵を正しく上げればそんな心配は不要である。
大事なのは単に踵を上げるだけでなく左足を廻すことだ。こうすれば左膝を正しく動かし、腰と肩をトップへと廻すことが出来る」
Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)はごく狭いスタンスで左膝を右膝の近くまで折るという、当時でも珍しいぐらいの捻転をしていました。それでもスウェイなどせず頭を静止させていたのです。私は頭を静止させることが主眼なので、左膝を前方に折るだけにしていました。しかし、よく写真を見ると、Bobby Jonesも踵を上げるだけでなく左足全体を捻っていますね。私は左足を意識的に廻すことまでは考えていませんでした。どのような効果があるか、練習してみます。
(March 10, 2024)
●無欲の勝利
「飛ばそう!」と思うと力みます。「ピン傍につけよう!と思うと心身が緊張します。そうではなく、「自分に可能な最上のスウィングをしよう!」と思うべきなのだと悟りました。
ひたすら「いいスウィングをしよう!」とだけ考えると、仲間の喝采を期待する気持ちなど失せてしまい、ボールとの正確な接触だけを望む気持になります。欲張らないわけですから、自然にスムーズなテンポとリズムによって気持ちのいい振り抜きになります。その結果、「飛ばそう!」と力んだ時よりも飛び、ボールとの正確なコンタクトのせいでピン傍に寄ったりします。
ある日のシニア・グループのラウンド、No.12(102ヤード)パー3。私のティー・ショットはグリーンを25ヤードほどオーヴァー。最近の私のチッピングはトップすることが多かったので、ひたすらボールの下部を打つことと、クラブを低く滑らせてフォローを出すことだけを考えました。どれだけカップに寄せるかなど全く考えませんでした。「無欲」の境地。するすると転がったボールはコロンとチップイン、バーディ! 同じ日のNo.16(200ヤード)パー4。私より六歳若い仲間がティー・ショットをピンハイのグリーン右横に飛ばしました。私は彼のショットを褒め称えました。しかし、私は自分の力量を弁えていますから「じゃ、おれも」という競争心など湧かず、ただ「いいスウィングをしよう!」とだけ念じました。完璧に頭を残していたせいで私はボールの行方を見失いました。仲間たちは「右方向だが、大丈夫!」と安心させてくれました。 いつも着地する地点のあたりでボールを探しましたが見当たりません。うろうろしていると、例のピンハイに打った仲間が私のボールを指差しています。なんと、あと1メートルでガードバンカーに突入という、私としては近来稀な飛距離を得たのでした。ピンハイの彼と10ヤードの違い。「おれも飛ばそう!」などと思ったら絶対にそういう結果にはならなかったでしょう。まさに「無欲の勝利」です。 パットでも同じです。「1パットで沈めてバーディをせしめよう!」などと考えると、カップを大オーヴァーしたりびびってショートしたりします。結果を考えてはいけないのです。プロセスに集中し、「ボールの真ん中をパターの真ん中で打とう」とだけ考えるべきです。「いいストロークをしよう。それで失敗したら諦めるしかない」という謙虚な姿勢は、力んで妙にプッシュしたりプルすることを防いでくれ、早期にルックアップしないで頭を固定し続ける理想的なストロークを実現してくれます。 |
いいショットをしよう!いいスウィングをしよう!いいストロークをしよう!結果は考えず、自分の任務であるプロセスを完璧に遂行することに集中する。プロセスに最善を尽くし、どうなるか結果は天に任せる。「無欲」の境地がゴルフの秘訣と思えました。
(March 10, 2024)
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