March 01, 2024

オーヴァースピンでパットせよ

 

”奇跡のコーチ”と呼ばれたインストラクターPhil Galvano(フィル・ガルヴァノ)のパッティング・アドレス手順。パットに理想的なオーヴァースピンをかけることに特化したスタイルです。

[Galvano]

''Secrets of Accurate Putting and Chipping''
by Phil Galvano (Prentice-Hall, 1957)

「パッティングに最適なのはオーヴァースピンである。ボール位置を左爪先前方にすれば、自動的に理想的なオーヴァースピンがかけられる。パターヘッドは(下降ではなく)上昇軌道でストロークされる。

1) ボール中央からカップまでのターゲットラインを利き目で視覚化する。
2) パターのトゥをボール後部の中心に合わせる。【編註:なぜパターのスウィートスポットでなくトゥなのか不思議ですが、原文のまま】目をボールの真上にする。
3) ボールと左足爪先との間隔は体型によって変わるものの、目をボールの真上にするという条件からすれば、ほぼ10センチであろう(13センチというのは稀)。
4) ボールの下方(身体側)に左足爪先を配置する。【写真(本の表紙)参照】
5) 右足を左と平行にする。
6) 両足の外側を腰の幅に開く。
7) 両方の膝をわずかに緩める。【これは身体の緊張を解く】
8) 体重は左足の踵にかける。【これは身体の動きを最小限にしてくれる】

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Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のボール位置も左足前方だったので、それを試したことがありました。いい結果ではありませんでした。しかし、科学的にパッティングではオーヴァースピンが正しいことは立証されているので、スタンス中央よりもターゲット寄りにすべきだとは思います。

ある日、練習グリーンで試しました。距離は私が常に成功させたいと念願している1.5メートル。1) ボール位置を左爪先前方で三個のボールを打ち、その後、2) ボール位置はスタンス中央でまた三個をパット。二つのメソッドの対抗戦を行ったわけです。この対戦を何度か繰り返しましたが、結果的に私のポスチャー、ストローク法では後者のスタンス中央が圧勝しました。単に慣れているだけからかも知れませんが。

セオリーとしてはオーヴァースピンをかけるには左爪先の前にボールを置くのが最適だとは思うので、これを採用出来ないのは残念です。

(March 01, 2024)

グリーンの水路を見つけてラインを読め

 

科学的グリーンの読み方。これをマスターすれば左右どちらに切れるかが明らかになるので、あとは打つスピードとブレイクの幅だけを考えればいいことになります。

'The Best Instruction Book Ever!'
by Golf Magazine's Top 100 Teachers (Time Home Entertainment Inc., 2012, $29.95)

AimPoint(エイム・ポイント)テクニックの開発者Mark Sweeney(マーク・スウィーニィ)の解説。

「ゴルフ・チャネルのTV中継アナウンサーがパットのラインに言及する時、”fall line”(フォール・ライン)という言葉を口にするのを聞いたことがあると思う。それは特定のカップの位置についての指針のことを云っているのだ。fall line(フォール・ライン=最大傾斜線、ここでは便宜上「水路」と呼ぶことにします)は、ほとんどどのパットにも影響する。これはラインを解読するためのロゼッタストーンと考えるべきだ。いったんfall lineを見極めたら、直面するパットがどうなるか充分理解出来る」

以下はインストラクターFred Griffin (フレッド・グリフィン)の解説。

「どのグリーンにも水(雨水や灌水)が流れ出るべき排水ポイントというものがあらかじめ設計されている。そのポイントを知るのが水路を見つける鍵である。カップの上の最も高いところを見つけ、そこまで歩く。水道のホースを持っていてカップ目掛けて放水するところを想像をする。水はカップ方向に流れて排水ポイントへと進む。そのラインが水路である。

 

・どのグリーンにも複数の水路が存在するが、一つのカップに対しては一つの水路があるだけである。それは排水のための道筋である。

・ボールが水路から遠いほどブレイク(曲がり)は大きくなる。水路に向かって90°のパットをする時と、水路から最も遠い場合に最大のブレイクがある。勾配によってブレイクは変動するが、下り坂だと1.5~3メートルのブレイクがあるかも知れない。

・上り坂で水路の左にあるボールは左から右へブレイクする。水路に近いボールはより真っ直ぐ転がる。【この項と次項は、山腹から谷川へと雨水が流れる勾配を想像すると理解し易い】

・ボールが水路の右にある場合は右から左にブレイクする」

【参考】「細貝さんの『パット・エイミング教本』」(tips_124.html)

(March 01, 2024)

パッティング名言集・2

 

パッティングに関する名言を集めた本より。

'The Putter Principle'
compiled by Criswell Freeman (Walnut Grove Press, 1997)

「数センチのタップインも280ヤードのティー・ショットと同じ一打である」Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)

「統計で見る限り、ラウンドの68%はパットである」Gary MacCord(ゲアリ・マッコード、元ツァー・プロでCBS-TVの解説者の一人でもあった)

「どう打つか決定してアドレスをしたら、余分なワッグルをしたり、もう一度カップを見たりしないこと」Henry Longhurst (ヘンリィ・ロングハースト、英国のゴルフ・ライター、解説者)

[Palmer]

「Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)のパッティング・ポスチャーを見よ。内股で、両膝をくっつけている。手と前腕しか動かない。これぞ秘訣である」Byron Nelson(バイロン・ネルスン)

「フォロースルーで気をつけていることは、パターフェースがスクウェアであることと、頭を上げないことだ」Bobby Locke(ボビィ・ロック、南アのパット名人)

「偉大なパット名人たちは結果よりも理由に集中する」Cary Middlecoff(ケアリィ・ミドルコフ、ツァーで39勝、うちメイジャー二勝したプロ)

「私は呼吸が安定するまでは決して重要なパットをしない決意をした」Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)

「長いセカンド・パットを打つことは、最初のパットと同じように精神を消耗させる【=だから最初のパットをOKの距離に寄せるべきだ】」Cary Middlecoff(ケアリィ・ミドルコフ)

「ショート・パットをする時はカップではなくボールに焦点を合わせよ」Judy Rankin(ジュディ・ランキン、LPGAツァー他で28勝したプロ、TV解説者)

「短いパットをする時は絶対に頭を動かさず、ボールがどう転がるか見たりしない」Nick Faldo(ニック・ファルド)

「カップを覗き込め。芝がカップの端から中へ伸びていれば、それが芝目の方向である」Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)

「芝目は芝が伸びる午後になって影響大となる」Nancy Lopez(ナンスィ・ロペス、LPGAツァー他で48勝したプロ)

「どれだけきつくパターを握るべきか?可能な限り軽くだ」Ian Woosnam(イアン・ウーズナム、英国のプロ、1991年マスターズ優勝者)

【参考】「パッティング名言集」(tips_192.html)

(March 01, 2024)



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