July 20, 2024
●Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の バンカー・ショットの秘訣
Youtubeで彼の9番アイアン(註)によるバンカー・ショットの妙技を見て頂ければ一目瞭然ですが、Bobby Jonesはバンカー・ショットの名人です。【註:彼はサンド・ウェッジ誕生以前の世代でした】【参照】https://www.youtube.com/watch?v=LD0t6RimKl8&list=PLue6m-yk2lf8bE89wKp-ZlyFcusL0Lspu&index=2
彼が生前に執筆・出版した本にバンカー・ショットの基本テクニックを書いたものは見掛けなかったのですが、没後に発見・発掘された写真とコメントを採録した本で、彼は数ページにわたってバンカー・ショットの基本を説いています。この本は1933年のBobby JonesのコメントにBen Crenshaw(ベン・クレンショー)が現代のテクニックを補うコメントを併載しています。
なお、編註で「ヴィデオ」と表記しているのは'Bobby Jones: How I Play Golf' (Warner Brothers, 2012)というDVDのことです。
'Classic Instruction'
by Bobby Jones and Ben Crenshaw (The American Golfer, 1998, $25.00)
「【Bobby Jones】 エクスプロージョン・ショットではカップに身体の向きを合わせ、オープンスタンスをとり、ロフトを増やすためにクラブフェースを寝せる。 【編註】左図のようにボールは左爪先の前方。
・バックスウィングは充分な長さで、しかも普通に寄せるショットよりもアップライトに挙げる。【編註】彼は右図のようにかなり急角度のコックをしています。私はこれほどまでに急なコックはしていませんでした。なお、この写真はやや俯瞰めで見下ろしているので低めのトップに見えますが、本の写真では左手が胸の真上になっています。
・クラブヘッドは飛行線をアウトサイド・イン(右から左へ)の軌道でボールを打ち、ボールが座っていた場所のかなりの量の砂を強打して弾き飛ばす。
【Ben Crenshawのコメント】
・ピンが近い場合にはボールを着地後すぐに停止させねばならない。そういう時、私はスタンスを広げ、膝をさらに折る。ボールを高く上げる最も簡単な方法は、アドレスで右膝の上に腰掛けるようにすることだ。広い基盤の上に立って、もっとボールの下に位置する感じを得るべきだ。
・目玉になっている場合は、両手を返したりせずカップ方向に動かし続ける必要がある。クレーター(噴火口)の後方の端に急角度でヒットダウンし、そのまま砂にめり込ませる。
・長いバンカー・ショットでは少しボールに近めの砂と接触することが重要。また、高い姿勢で立つことも大事だ。
【Bobby Jones】
ボールが固い砂の上にあり、顎がさほど高くなければ、クリーンなチップ・ショットで転がし上げることも可能だ。うまくいけば、これは打数を節約するいい方法だが、リスクもないではない。下降するスウィングをしないと、ボールを打つ前に砂と接触してしまい、悲惨な結果を招いてしまう。【編註】ヴィデオを見ると、7番アイアンを用いボール位置は右爪先前方で、クラブフェースは寝せず普通に構えています。
【Ben Crenshawのコメント】
これはフェアウェイ上で長い距離を転がすショットと同じものだ。ボールが右足の前になるようにアドレスし、ボール後方に力強く下降する一撃を与える。
【参考】「Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の バンカー・ショット」(tips_171.html)
(July 20, 2024)
●右手一本でバンカー・ショット
最近バンカー・ショットには不安を抱くことはなかったのですが、若干ショート気味なのが不満でした。
ある日、二打目をNo.3のガード・バンカーに入れた時、「ショートはごめんだ。ピン傍につけよう」と考えました。ピンまで7メートルですから難しい状況ではありません。しかし、結果はホームランでグリーン・オーヴァー。
土手の下からの15メートルの寄せもオーヴァーし、先刻のバンカーに再度舞い戻ることに。ど素人のようなミスの恥辱感を覚えながらの五打目はチョロして脱出出来ず、六打目でやっとオンさせられました。2パットしてトータルは8。ひどいなんてもんじゃありません。
その夜、眠れずにどうすればいいのか考えて、ふと思い出したのが「Paul Azinger(ポール・エイジンガー)のバンカー・ショット」(tips_173.html)というtipでした。これは右手一本でバンカー・ショットするという破天荒なアイデアです。
「バンカー・ショットの失敗はクラブフェースを返してしまうことだ。右手一本で打てばクラブフェースは回転しない」
これです!私はクラブフェースを返していたに違いありません。早速コースに行ってやってみました。駄目ですorz。さらさらの砂を入れた上等なコースなら右手一本で脱出出来るかも知れませんが、湿ると土になってしまう市営ゴルフ場のバンカーでは、右手一本でボールを出すなんてことは出来ません。砂の津波を起こすには両手の力が必要です。
このtipの骨子は手を返さず、オープンにしたフェースを維持することだと思います。
もちろん、これは練習法の一つであって本番でも右手だけでショットしろというtipではないでしょう。しかし、右手一本だけでいいショットが出来るなら二本の手を使っても結果はいいそうです。
(July 20, 2024)
●ゴルファーの眼鏡
昨年、処方箋で新しい眼鏡を作りました。近くも遠くもクリアに良く見えます。しかし、見え過ぎる気がして、TVの字幕を見る時以外は古い眼鏡を用いていました。ゴルフの際に新しい眼鏡を使うとアドレスした時のディストーション(歪み)が心配でした。過去に、平らな地面なのに傾斜しているように見え、打つのに困難を感じたことがあったのです。
最近ボールの着地点が良く見えないので、新しい眼鏡を掛けてみようかと思いました。目が弱っているのならディストーションも無いかも知れないと思ったのです。
その日、目を覆いたくなるようなミス・ショットが続きましたが、眼鏡のせいだなどと考える暇はありませんでした。ラウンド終了間近になって「こりゃ変だ!」と思いました。何度か左足下がりのライに遭遇したのですが、ある時実際には左足上がりの地形であることが自明なのに左足下がりに見えたのです。ご存知のように左足下がりのライから打つのは難しい。先ずボールが上がらないので地面の傾斜に沿ってクラブヘッドを滑らせなくてはならない。どう距離を見積もって打つかクラブ選択も難しい。ところが実際の地面は左足下がりではなかったとすれば?これだと話は別で、眼鏡の歪みのせいに違いありません。
眼鏡レンズは中心より縁の方が厚くなる構造だそうですので、地面のボールを見た場合、その周囲が歪んで見えることはあり得ます(度数にもよりますが)。私の場合、それが左足下がりに見えるわけです。
昨年眼鏡を作った眼鏡屋の主人と話しました。彼もゴルファーなので話がし易い。彼は私の悩みを即座に理解してくれました。そして彼が云うには、どんな眼鏡も8✕8センチぐらいの円形のレンズを用いて客の好みの縁に合わせて切り抜く。その際、レンズの周辺はやや歪んで見えるので、目の玉がレンズの中心となるようにする。大きいサイズの縁よりも小さい縁の方が常にレンズの中心で見ることになるので、ゴルファーの眼鏡には小さい縁が適している…とのこと。
数ヶ月後、定期検診で眼科医を訪れました。眼鏡屋の主人の説を話したところ医師は「その通りだ。小さい眼鏡のほうが歪まない」と裏書きしました。実はこの眼科医もゴルファーなのですが、よく見ると彼も小さいサイズの眼鏡を掛けていました。納得。
医師がくれた処方箋を持って眼鏡屋に行きました。小さめの横5センチ✕縦3.8センチの縁を選びました。眼鏡屋は正確に私の瞳孔の位置を測定し、私の目の構造に正しく合致するようにレンズを削り、真にオーダーメードの眼鏡を作ってくれました。ゴルファーとしての彼が私のゴルフに役立つ眼鏡を提供しようという真剣な努力でした。これは安売り店の眼鏡コーナーには期待出来ない努力の賜物です。
【参考】
・「眼鏡のハンディキャップ」(tips_73.html)
・「眼鏡を掛けたゴルファーの頭」(tips_188.html)
(July 20, 2024)
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