December 10, 2024

スナップで飛ばす

 

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’The Most Powerful Move in the Golf Swing'(ゴルフ・スウィングの最もパワフルな動き)というYouTubeヴィデオには「奴らはあなたにこの技を使ってほしくないと思ってる」という副題がついています。”奴ら”とはPGAツァー・プロたちなのでしょう。https://www.youtube.com/watch?v=4AVbwNI8dPM

講師のSteve Pratt(スティーヴ・プラット)は様々なスポーツに共通する動きを見せ、「ゴルフも同じであるべきだ」と説きます。その動きとはsnap(スナップ)です。野球の投手は振りかぶった手の掌を空に向けて曲げ、それを一気に下向きにして投球します。ソフトボールの投手は下向きにした掌を一気に上向きにしてボールを抛ります。テニスのサーヴも空に向けた掌を一気に下向きにしてボールを打ちます。野球のバッターも飛んで来るボールに向けて掌を一気に弾きます。

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この一気に弾くような動作がsnap(スナップ)です。いずれも「掌」をスナップしているのであって、これまでゴルフのコーチや本が説明していたようなコック・アンコックではありません。左手の親指側にクラブを曲げ(=コック)、それをアンコックすることがパワーの源泉だ…と云われて来ました。これは掌のスナップとは異なります。掌の動きに着目したのはスティーヴ・プラット独自の発見です。

インストラクターPaul Wilson(ポール・ウィルスン)もYouTubuヴィデオ'You Can Get to 100mph Clubhead Speed'(あなたも44.7m/secのクラブヘッド・スピードが出せる)で、「クラブヘッド・スピードを増すにはスナップが必要だ」と説いています。ご覧のように、空を向いていた彼の掌が一気にターゲットに向けてスナップされています。この段階では手首のコックは既に解除されており、スナップには全く関与していません。コック・アンコックとスナップは完全に別物です。

ポール・ウィルスンは同じヴィデオでこのスナップを身につけるドリルを教えてくれます。「バックスウィングでLの字にクラブを曲げ、フォローでまたクラブをLの字に曲げる。インパクト・ゾーンでのスナップがクラブヘッド・スピードを速める」そうです。さらに「このドリルは座っていても出来る」とも云っています。

二人の理論はsnap(スナップ)という点で一致します。ただし、ポール・ウィルスンは下半身の動きが先で、「手は下半身に遅れて動く」という点を強調しています。

【参照】'https://www.youtube.com/watch?v=Q_LW7nm4ssk'

【参考】「トップの間(ま)で飛ばす」(tips_213.html)

(December 01, 2024)


寄せの高低をボール位置で打ち分ける

 

LPGAツァーほかで計28勝してゴルフ名誉の殿堂入りを果たし、長くゴルフ・チャネルで解説を務めたJudy Rankin(ジュディ・ランキン、1945~)のtip。

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'100 Classic Golf Tips'【LPGA version】
edited by Christopher Obetz (Universe Publishing, 2008, $24.95)

「多くのゴルファーが認識しないのだが、異なる種類のショットを遂行する鍵はボール位置なのだ。

高く上げたい時、私はボールをスタンスの中央寄りにする。こうするとクラブ(=サンドウェッジ)はボールの下をスライドし、空中に高く上げ、グリーンにソフトに着地させる。

バンプ・アンド・ランの場合、私は7番アイアンを手に、ボールをややスタンス後方にする。この後方のボール位置だと、自動的にハンド・ファースト(両手がクラブヘッドよりもターゲット側)になり、ロフトが減り(7番アイアンが5番アイアンのロフトになる)、ボールは低く飛んでハードに着地し、カップに向かって転がる」

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普通、「ボールを高く上げたい時はボール位置をスタンス前方(ターゲット寄り)にする」と説かれますが、上の説は逆ですね。しかし、ボール位置をスタンス中央にすればヒットダウンして、クラブのロフトを充分に活かすことが出来るので、サンドウェッジやロブウェッジなら高く上がるでしょう。一理あります。

(December 10, 2024)

パット前の素振り

 

「パチン!」とボールを弾(はじ)くパッティング・スタイルのゴルファーは、この記事を無視して下さい。あなたには関係ない内容ですから。

弾くストロークは手・腕のパワーの強弱で距離をコントロールします。これは天才でもない限り非常に難しいテクニックです。

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弾くストロークの対極は振り子運動のような、あるいはブランコのようなイメージです。この手法は打つ強さではなくストロークの幅で距離をコントロールします。

この場合、重要なのはバックストロークの幅です。弾かない代わり、ストロークの強さはバックストロークの幅によって決まり、それが転がる距離となります。素振りではバックストローク、フォワードストロークの両方を行うとしても、フォワードストロークはさほど重要ではありません。大事なのはバックストロークの幅です。

バックストロークのトップに達したら、重力(引力)がパターヘッドをボール方向に引き戻す動きを待ちます。人間がフォワードストロークをコントロールするとろくなことはありません。人間は重力のリードに追随してストロークを後押しする程度の参加度が適切です。

重力にリードさせると云っても、脱力してはいけません。重力と二人三脚するぐらいの力は必要です。脱力すると大幅ショーㇳしてしまいます。

フォワードストロークの終点は重力が決めます。バックストロークの長さと同じぐらいになることでしょう。

【参考】Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス) の「パットの距離はバックストロークの長さで制御せよ」(tips_213.html)

(December 10, 2024)



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