December 01, 2024
●スナップで飛ばす
’The Most Powerful Move in the Golf Swing'(ゴルフ・スウィングの最もパワフルな動き)というYouTubeヴィデオには「奴らはあなたにこの技を使ってほしくないと思ってる」という副題がついています。”奴ら”とはクラブ・メーカーかPGAツァー・プロなのでしょう。
'Golf Magazine: How to Hit Every Shots'
edited by David DeNunzio (Time Inc., 2008)
「パー5でのティー・ショットが丈の短いラフに飛んでしまった、しかし是が非でも二打でグリーンに乗せたい…という場合。
あなたのスウィング速度が47m/sで、ドライヴァーで270ヤード飛ばせるなら、以下を実行出来る。さもなければ3番ウッドで刻む方が安全である。
・ステップ1
ライを調べよ。ボールが草の中に沈んでおらず、草の上に浮いているなら成功する可能性はある。最近のデカヘッドのドライヴァーではこのショットは難しい。まるでティー・アップしたようにボールが草の上にちょこんと座っている場合だけ可能性がある。
・ステップ2
3番ウッドを構えるように立つ。ボール位置はスタンス中央。
【注意】ロフトを減らしてしまうのでハンド・ファーストで構えてはならない。
クラブフェースをオープンにし、僅かに左を狙うこと。この手順がボールを宙に浮かべる要素である。10°のドライヴァーのロフトをオープンにすると3番ウッドのロフトになるが、シャフトが長いのでボールは3番ウッドより遠くに飛ぶ。
・ステップ3
浅い角度のインパクトが重要。ディヴォットを取ったりせず、ボールの下の草を薙ぎ払う。このショットは低く出て着地後もの凄く転がる。
クラブのヒールで地面を掘ると、フェースが急速にクローズになるためフックを生む。草を払うことに最善を尽くせ。
【注意】このショットで最悪なのは、(浅い角度でなく)急角度でボールに向かうこと、それとアウトサイド・インの軌道で向かうことだ。これらはダフってロフトを減らすため、ボールを宙に浮かべる可能性がゼロとなってしまう」
パー5のティー・ショットに失敗し(てんぷらとかゴロで)たった100ヤードぐらいしか飛ばなかったという時、「出来ればここからドライヴァーで打って距離を稼ぎたい」ということがままあるものです。ただし、私がプレイするコースは草も薄くどこも裸地に近いので「ボールが草の上にちょこんと座っている」などということはありません^^。
百戦錬磨のタイガーが「(ボールが草の上に乗っていなければ)3番ウッドで刻む方が安全」と云っているのですから、かなり難しいショットです。実際、フェアウェイでドライヴァーを打ってみると、ボールは低く出て転がるだけです。3番ウッドでボールを宙に浮かべる方が、飛距離が稼げるような気がします。ま、やってみて下さい。
【参考】
・「フェアウェイ・ドライヴ」(tips_57.html)
・「続・フェアウェイ・ドライヴ」(tips_92.html)
・「Corey Pavin(コリィ・ペイヴン)の フェアウェイでドライヴァーを打つ」(tips_167.html)
・「フェアウェイでドライヴァーを使う前の注意点」(tips_185.html)
【おことわり】画像はhttps://www.golfdigest.com/にリンクして掲載させて頂いています。
(December 01, 2024)
●Moe Norman(モゥ・ノーマン)のスウィング
Moe Norman(モゥ・ノーマン、1929~2004)はカナダのプロで、しばしば”異才”と形容されます。なぜなら、やや奇人に属する存在で、一日に何百発ものボールを打つことを日課にしたりしていたからです。しかし、彼の正確なヒッティングは抜群であり、誰しも舌を巻くほどでした。
久し振りに彼がドライヴァーで練習ボールを打つヴィデオを見ました。もう何度か見たことがあるので、今回は以前気が付かなかった細部に目が行きました。
次から次へとボールを打つのですが、驚いたことに、彼は全くティーを失くさないのです。刺さったままのティーにボールを乗せる、打つ、新たなボールを乗せる…この繰り返し。
われわれだと、打つ度にティーはあっちゃこっちゃに飛んだり、折れたり、失くなったりするものですが、彼の場合、ティーはずっと同じ位置に刺さったまま。彼はクラブでティーには触れずボールだけを毎回打っているわけです。ボールがほぼ同じ場所に着地するところから推察して、常にスウィート・スポットで打っていると考えられます。凄いことです。
彼は生涯55のトーナメントに優勝し、33のコース新記録を達成したそうです。
ある年、私がドライヴァーのフェースのどこでボールを打っているかを調べた時、それはヒール寄りでした。ヒールで打たれたボールは左へ飛んで行きます。その原因として、アドレスで折れていた肘がインパクトで伸びるためであろうと考え、以後腕を伸ばしたアドレスをしています。これはMoe Norman風アドレスでもあります。
私は「先行捻転」といって、ボールから27センチ離したところでドライヴァー・ヘッドを構えますが、Moe Normanは30センチ以上ボール後方でドライヴァーを構えます。
私はMoe Normanのショットの正確さを羨んでいますから、彼のスウィングに近づいて行くことはいいことだと考えています。
【参考】「発射角度より重要なもの」(tips_199.html)
(December 01, 2024)
●ディヴォット・ホールからの脱出
よく間違われるのですが、抉(えぐ)られて飛んだターフの小片が「ディヴォット」であり、削られて凹んだ地面は「ディヴォット跡」あるいは「ディヴォット・ホール」と呼ぶのが正しい。USGAのルール・ブックでも後者を"divot hole"と表現しています。
’Golf Magazine's Complete Book of Golf Instruction'
edited by George Peper et al.(Harry N. Abrams Inc., 1997, $45.00)
「ゴルフでガックリすることの一つは、フェアウェイど真ん中にいいティー・ショットを放ったのに、それがディヴォット・ホールに転げ込んでしまうことだ。
ディヴォット・ホールの影響を最小限にするには、いいライで打つよりもロフトの少ないクラブを選び、ボールをスタンス後方にすることだ。これがディヴォット・ホールのどこかに触れずにボールの天辺を打つことを確実にしてくれる。
バックスウィングは急角度に上げられるべきだ。クラブヘッド・スピードを最高にするために充分に捻転する。
ダウンスウィングではボールの後ろにクラブヘッドを叩きつける。あたかもディヴォット・ホールをさらに深くするかのようにボールを地面に打ち込む。ボールは低く、弾き出されてキャリーは少ないが長く転がる。
【おことわり】画像はhttps://cdn.mos.cms.futurecdn.net/にリンクして掲載させて頂いています。
(December 01, 2024)
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