April 20, 2024
●Alex Morrison(アレックス・モリスン)の《顎をボール後方に釘づけにせよ》
Alex Morrisonは”コーチを教えたコーチ”とでも云うべき存在です。彼の弟子でBen Hogan(ベン・ホーガン)を教えたHenry Picard(ヘンリィ・ピカード、1906~1997)、そしてHenry Picardが教えたJack Grout(ジャック・グラウト、1910~1989)という系列は有名です。御存知のようにジャック・グラウトはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の師匠でした。
'A New Way to Better Golf'
by Alex Morrison (Simon and Schuster, 1932)
「顎を全ての動作から独立させ、ボールの後ろの一点に向け、ボールが充分飛び去るまで動かしてはならない。あなたがどんなスウィング・メソッドを用いていようが、これを実行しない限り成功は望めない。
間違えないでほしい。私は有名な格言『頭を下げ続けろ』とか『ボールから目を離すな』ということを話しているのではない。私が云っているのは文字通り、《ボールの後ろの一点に顎を向け、全ての動作から独立させてボールが打たれた後まで動かしてはならない》ということだ。これは正しいスウィングにとって最も重要なことであり、どれほど強調しても足りないほどだ」
彼の云う通りです。頭を下げ続けてもボールをから目を離していては意味がないし、ボールを凝視し続けながら頭を10センチ、いや30センチでも左右に動かすことが出来ます。ボールを見つめることと、頭を動かさないことは全く別物なのです。
そこへいくと、Alex Morrisonの「ボール後方に顎を向けて動かすな」は、頭を動かさないことに完全に役に立ちます。これこそ、正確にボールを打つ秘訣と云えます。ダフったりトップしたりしたら、このAlex Morrisonの金言を思い出すべきです。
【参考】「名人たちを教えた名人の教え」(tips_131.html)
(April 20, 2024)
●ヒットダウンの方法
これはイギリス随一のインストラクターJohn Jacobs(ジョン・ジェイコブズ)がSandy Lyle(サンディ・ライル、スコットランド)のテクニックを紹介した記事の一部です。Sandy Lyleは常にオープン・フェースでスウィングしました。
’50 Greates Golf Lessons of the Century’
by John Jacobs (HarperCollins Publishers, 1999, $25.00)
「あなたが理解すべきことは、ボールの軌道を上げるためには、クラブを下降させながら打たなければならないということだ。
いいスウィングの鍵となるべき想念は、普通のチップショットをする際、クラブヘッドを地面すれすれに低いフィニッシュをするというものだ。これは、正しく下降する攻撃角度を助け、手をクラブヘッドに先行させたフィニッシュを実現する。これはまたボールを掬い上げようとする危険を排除してくれる。
上のスウィングの鍵で足りないとすれば、練習の際に役立つドリルがある。打つボールの背後20センチにもう一個別のボールを置く。その二個目のボールとの接触を避けるには、クラブヘッドは正しく下降する攻撃角度によってインパクトを迎えなくてはならない。
あなたがややオープン・フェースで身体全体使ったスウィングをすれば、手と手首が独立した動きをするのを阻止し、ソフトに着地するピッチ・ショットとなる。保証する」
(April 20, 2024)
●フェアウェイ・ウッドでも僅かにヒットダウン
Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)によるフェアウェイ・ウッドのtip。
'The Basic Golf Swing'
by Robert T. (Bobby) Jones (Doubleday & Company, Inc., 1969)
「一般ゴルファーがフェアウェイからウッドで打とうとする時、バックスピンのことなど考えない。彼らはボールを宙に浮かべるべくボールの下を打とうとする。結果:彼らは地面を打つか、地面を打たない場合はトップしてしまう。
フェアウェイでウッドを使う基本的方針も、ロフトのあるアイアンを打つのと変わりはない。ボールに向かうヘッド軌道は下降気味であるべきだ。ただ、地面の上の芝の表面をこするだけあってディヴォットをとるほど急角度ではない。
ロフトの少ないウッド・クラブであってもボールを上げるに充分なスピンを生み出せる。もし一般ゴルファーが単純にクラブを信じて上のように打てば、もはやフェアウェイ・ウッドのプレイに恐怖を感じることは皆無となる筈だ」
私の経験でも素振りで地面を擦った地点がスタンス中央だった時には、迷わずそこをボール位置として立って打ちます。場合によっては中央より後方のこともあります。ボールを左踵前方にした時よりも下降軌道のヘッドで打てるため、ボールをカッチリと捉えられ、予期した以上に飛んだりします。
(April 20, 2024)
●脱力のゴルフ
パットする時、インパクトでふっと脱力してみました。ボールは真っ直ぐカップへと転がりました。手でパターを操縦しようとするから微妙な方向のズレが起きるので、脱力して重力にパターヘッドを向かわせるのが一番いいわけです。
しかし、どのタイミングで脱力するかが問題です。早過ぎれば大幅ショート、遅過ぎれば既に手が定めた方向に向かうだけで、脱力の効果は得られません。
当サイトの過去のTipには「息を吐きながら脱力してストロークする」というのがあります。排気はフォワード・ストローク開始と共にすればいいのですが、どの時点で脱力すべきかの切っ掛けが難しい。
そんなことを考えながらラウンドしていた日のNo.11(232ヤード)パー4。私のティー・ショットは古今未曾有の残り40ヤード地点まで飛びました。目一杯力んだわけではなく、反対に脱力して振り抜いたのです。地面が乾いてパカチカだったわけでもなく、数日前の雨のせいでどちらかと云えばソフト気味でした。
続くNo.12(102ヤード)上りのパー3では、いつもだと6番アイアンを打つのですが、この日のティーマーカーが10ヤード後退していたため5番アイアンで打ちました。いいショットだったのですが、20ヤードも飛び過ぎてしまいました。(ただし、チップインのバーディにしましたが…)
次のNo.13(184ヤード)パー3。ドライヴァーで打ってもいつもショートするので、「どうせショートするなら正面へ」と意気込まずに打ちました。なんと、今度は40ヤードもオーヴァー。
ジム通いの頻度を高めたわけではなく、どちらかと云えばサボりがちの今日この頃。ですから、パワーではありません。純粋に脱力したスウィングの効果だったと思われます。これは凄いヒントです。《飛ばしたければ脱力せよ》 「飛ばそう!」とか「寄せよう!」と意気込むのではなく、「いいスウィングをしよう!」と思えば力むこともなく、いいスウィングには結果的にいい飛距離がついて来るという構図です^^。
(April 20, 2024)
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