October 20, 2023

Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のチッピング

 

[Bobbyn]

Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)がパッティングやチッピング、バンカー・ショットなどの未公開の写真につけた簡潔な解説が発掘されました。今回は彼のチッピングに関する解説の紹介。

'Classic Instruction'
by Bobby Jones and Ben Crenshaw (American Golfer and Broadway Books, 1998, $25.00)

「・ピンに近い場合には4番か5番アイアンを使って通常のランを得る。充分なバックスウィングをすれば、急速なギクシャクしたスウィングでなく、スムーズにクラブを動かせる【本の写真のバックスウィングは膝下の高さ】

・ピンからやや遠くなっても、スピン無しでグリーンにオンさせたいので、8番アイアンのようにロフトのあるクラブを選び、正確にボールを打つ。小細工せず単純にスウィングすることが常に安全な途である。【本の写真ではシャフトが地面と平行になるバックスウィング】

・チッピングも他のスウィングの基本と変わらない。充分快適に立ち両足を近づけて揃え、若干の腰の回転をし、バックスウィングで充分に手を使う。【編註:「充分に手を使う」というのはコックすることのようです。Bobby Jonesは手・腕を後方に伸ばすのではなく、右足の前方に留めた両手でクラブをコックしています】

そしてスムーズで流れるような、かつカッチリ断固としたダウンスウィングをする。

【編註:ここからはバンカー越えの40~50ヤードぐらいのショットの説明です。Bobby Jonesはピッチングとは云っていないのですが、コックが不可欠なピッチングを指しているのは間違いありません】

・この距離になるとniblick(ニブリック、現在の9番アイアンに相当)を選ぶ。大事なのは完全にコックすることと、左腕を伸ばし充分な長さのバックスウィングをすることだ」

(October 20, 2023)

Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のチッピング【映像分析篇】

 

[Bobby]

'Bobby Jones: How I Play Golf'(Warner Home Video, 2012)というDVDを見てみましょう。これはBobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)が引退直後に撮影され、当時映画館での添え物として上映されたシリーズで、その中の'Chip Shot'という一篇です。

写真右のような距離で、多分ピンまでおよそ30ヤード。

Bobby Jonesはボールを右爪先の前に置き、4番アイアンを手に「ロングパットのように打てばよい」と説明します。屈み込まず、ゆったりと立った姿勢。この距離だと写真左のようにクラブシャフトは水平以下の角度のトップ。「やや下降気味に打つのがコツ」だそうです。ボールはグリーンの内側に着地し、ころころころころと長く転がってピン傍へ。

ピンから40ヤードほど遠ざかると、トップは少し水平より上になります。またもグリーン内側に着地させ、ランの多いアプローチ。

「チッピングをマスターする」(tips_207.html)のメソッドと全く同じで、(次の記事のテーマである”三角形”を除けば)食い違う点はありません。

なお、この短編映画シリーズに「ピッチング篇」はありません。彼の全盛時代、ピッチング・ウェッジというものもありませんでした。9番アイアンに相当するロフトの多いクラブで、3/4スウィングをするだけだったのです。


(October 20, 2023)

三角形を崩さずチッピングするのは無理

 

[chipping]

腕と肩で形成される三角形を崩さずにパッティングすることは、なんとか実行しています(もちろん、まだまだ完璧ではありません)。折りに触れ二本の棒をパターに装着した「三角形を崩さずにパットする練習法」(tips_208.html)を実行し、それを本番で再現しようと努力しています。

パッティングはいいのです。チッピングとなるとこれはとても難しい。これまでの私のやり方はテイクアウェイと同時に左右の手首をコックして、クラブシャフトを飛行線と平行にしていました。三角形を崩さないでバックスウィングするということは膝を廻し左肩を廻し、手首を折らずに両手を後方に伸ばさなくてはなりません。10ヤードや15ヤードはまあなんとか。しかし、20ヤード、30ヤードとなると途方もなく手・腕を後方に伸ばす感じで、「これじゃ飛び過ぎるんでないかい?」という恐れを抱いでしまいます。以前に較べてトップのクラブヘッドが高く遠いところにあるので、正確にボールをヒット出来るか?という心配も湧きます。

そこで上の最初の記事で参考にしたBobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の'Classic Instruction'(1998)という本を読み返しました。彼はチッピングにおける「三角形」なんぞに言及していないばかりか、写真を見るとバックスウィングでコックしており(写真)、手首を殺せなどとは云っていません。これなら私が前からやっていた方法と変わらないわけです(安堵)。写真は40ヤードのチッピングですが、かなりコックしています(私は40〜50ヤードはロブ・ウェッジの3/4スウィングでピッチしますが)。

思うに「三角形を保て」はJones以降の誰かが云い出したことのようです。私にとってはパッティングには役立つセオリーですが、チッピングにはどうも…。

しかし、試した範囲では三角形を維持すると方向性は抜群ですので、まだチッピングのメソッドを確立していない方はこれを試すといいかも知れません。

(October 20, 2023)



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