October 10, 2023
●Byron Nelson(バイロン・ネルスン)の頭
Byron Nelson(バイロン・ネルスン)はPGAツァーで1945年に年間18勝(連続11週優勝)するという前人未到の業績を挙げたプロです。
'Shape Your Swing the Modern Way'
by Byron Nelson with Larry Dennis (Golf Digest Inc., 1976)
「どんなに強調してもし足りないのは、頭を比較的静止させつつ下半身でダウンスウィングをリードするということだ。腰と両脚がターゲット方向に動く時、頭を後方に留めながら、下半身が顎を通過する感覚を作り出すべきだ。
以上を端的に表現すれば、《スウィングを完全に頭の下で行う》ということだ。あなたの身体は顎を通過し、両腕は頭が動く前にフォロースルーへと向かう。
インパクトの瞬間、多くのゴルファーは左肩の回転に伴ってあまりにも急速に身体と頭を上げてしまう。彼らは立ち上がった姿勢でボールの行方を見送る。彼らもそういうスウィングでたまには真っ直ぐなショットが出来るかも知れないが、いったんプレッシャーがかかるとこの左側の伸びる傾向によってプルやトップを招いてしまう。
一方、上級者は柔軟な膝、左サイドのリード、後方に留まる頭…などによって、インパクト・ゾーンを低く長く延長する。右サイドは下降するのであって、上昇したり回転したりしない。そして、クラブヘッドの軌道はボールを追って可能な限り低く留まる。
私の膝は終始柔軟さを維持し、他の誰よりも長く水平に動く。この脚の動きは万人に推奨するものではないが、私にとっては強みであった。
誰もが開発すべきは、リラックスした左サイド、スウィングの間じゅう頭を後方に留めることだ。インパクトで右肩が最も低い位置に到達するまでボールを見送ってはならない」
Byron Nelsonは「頭を動かすな」とは云っておらず、「頭を”比較的”静止させる」と云っています。彼自身バックスウィングでは右に、ダウンスウィングでは下に頭を動かしていて、頑なではありません。しかし、彼がここで強調しているのは「頭を終始ボールの後方に留める」ということで、上体を(頭を含めて)左にスライドさせてはならない…と云っているわけです。
彼のバックスウィングでの上体の横移動は「スウェイではないか」と批判もされたそうですが、左にスライドしてはいないので実害はなく、ツァーで11連勝しているのですから勝てば官軍です^^。
(October 10, 2023)
●「頭の研究」の成果
「新・頭の研究」、「新・頭の研究【パート2】」、「新・頭の研究【パート3】」、「新・頭の研究【パート4】」(以上全てtips_207.html)と続いた研究は実を結びつつあります。ドライヴァーからアイアンまで、研究開始以前とは別人のような正確なショットが出るようになっています。もちろん、ミス・ショットも犯すので完璧とは程遠いですが(ツァー・プロでさえ完璧ではないですよね^^)。
ウッドもアイアンも手首を柔軟に保ってさえすれば、ストレートなショットを放てます。手首が強張っているとプッシュ、ゆる過ぎるとプルになります。
しかし、スウィングの間に頭(と上体)を左右に動かしていた時期に比べれば、物凄く正確になったと云えます。
最初頭を静止させてのスウィングを練習し始めた時は、「え?こんなんでいいの?」と思いました。左サイドに寄りかかる”リヴァースC”のスウィングのように思えたからです。しかし、鏡を見ながらスウィングすると、頭を静止させても身体が左にそっくり返っているわけではありません。そのまま背骨を軸として捻転すればいいのです。上体を左右に動かすスウィングはインパクトで見事アドレス時の背骨の位置に戻れればパワフルでしょうが、数センチでも左右どちらかにズレればボールの飛ぶ方向は「神のみぞ知る」という事態を招きます。頭を動かさなければインパクト時の背骨の位置を心配する必要はありません。
写真はLPGAプロLydia Ko(リディア・コゥ)のアドレス、トップ、インパクトですが、頭は左右には全く動かず、インパクトで少し下降しているだけです。Byron Nelsonよりいいスウィングと云えましょう^^。
慣れたとはいえ、折りに触れ点検は欠かしません。太陽を背に自分の頭の影を見ながら素振りします。その頭の影が左右に動かなければ「よしよし。これでいいのだ」と安心します。
(October 10, 2023)
●基本忘るべからず
八月一杯ゴルフを休み、九月一杯リハビリに励み、最近なんとか以前の状態に戻って”社会復帰”出来ました。そのプロセスで痛感した大事なポイントを書き留めておきます。
・下半身主導のスウィング
これを遂行する最も簡単な方法は《バックスウィングで左踵を上げ、ダウンスウィング開始前に左踵を地面に下ろす》ことです。完璧に真っ直ぐで充分な飛距離が得られます。
「いまどき左踵を上げるプロなんかいない。第一古臭いじゃないか!」とおっしゃる?その通り。プロは自分のスウィングを確立しており、下半身主導のスウィングをマスターしています。それでなければプロになんかなれません。われわれ素人は違います。殆どが手打ちだし、下半身主導のスウィングの効能は知ってはいるが、マスターなんてとてもとても…の状態です。
古臭い、格好悪いと思うなら、仕方がありません。左踵の上げ下げはあなたとは縁が無かったということです。お好きなようになさればよろしい。
・先行捻転
アドレス後、肩・腰・左膝を廻しながらクラブを手元で約30センチ後方に引くことを私は「先行捻転」と云っています(クラブフェースは当然僅かにオープンになります)。そこで1秒ほど静止した後、仮想ボール地点を凝視しながら本格的にバック・スウィングを開始します。
これはあるカナダのインストラクターが「ゴルフの最大の秘密」と公称していた技で、云ってみれば「合法的フライング」です。水泳ではルール違反ですがゴルフでは合法です。
私の場合、ドライヴァーの先行捻転は普通のスウィングより平均20~30ヤード遠くに飛びます。やらなければ損だと思います。
【参考】
・「先行捻転で飛ばす」(tips_161.html)
・「先行捻転の本格活用」(tips_195.html)
・パッティング
パットする時のボール位置には二種類の説があります。1) 目の下。これは圧倒的に多い。2) Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)を始めとするスタンス前方(左踵の前)派。
私は数ヶ月スタンス前方にしてパットしてみましたが、画期的な改善は見られませんでした。で、従前の目の真下に戻したら正確度が増しました。なーんだ。
パットする際のボール位置は、個人個人のポスチャーやストローク技法によって変わるので最大公約数はないようです。
また、私の場合「パチン!」と打つと距離感がでたらめになります。距離はあくまでもバックストロークの長さで調節するのが原則で、インパクトで力を加えるべきではないと思っています。ストロークは図のようなブランコの往復運動であるべきです。
左肘の関節を軽くロックし(強過ぎると手・腕が強張ってしまう)、両腕で形成される三角形を崩さずに、ブランコのイメージでストロークします。これを悟った直後10メートルのパットを成功させることが出来ました\(^o^)/。
(October 10, 2023)
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