October 01, 2023
●Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のパット前の手順
これはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)がいろいろな雑誌に書いたパットのコツを集成した本からのtip。
'Putting My Way'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (John Wiley & Sons, Inc., 2009, $25.95)
「1. グリーンに歩み寄りながら、その周囲の地形の険しさを見定める。特に丘陵コースで重要なのだが、地面全体の勾配を知ることはラインとスピード(打つ強さ)を決定する助けとなる。多くのパットはグリーンの主たる勾配によって曲がるからである。
2. グリーン全体の傾斜と勾配、芝目の方向、芝の長さと肌理(きめ)、芝の質、湿り気や風の要素…などを調べる。
3. 次に、ボールの後ろでしゃがんだり腰を折ったりした姿勢でボールとカップとの間を検討する。立っていたのでは微妙なうねりも平らに見えるからだ。逆に、腹這いの姿勢では直近の地形の上り下りしか見えない。
あまり理想的とは云えないグリーンや、長いダブル・ブレイクの場合、カップの周囲の地域を注意深く査定する。私が見つけ出そうとするのはボールの勢いを減じるようなグリーン表面の凸凹だ。パッティングの基礎だが、ゆっくり転がるボールは傾斜の影響を受けて曲がりやすい。
もし他のプレイヤーが先にパットする場合、私のラインに共通するなら私は彼のボールの動きをその速度とブレイクの観点から注視する。(私は読みに時間を取られないよう注意する。他のプレイヤーがパットする間に読みを終了すれば、時間を短縮出来る)
4. ボールに歩み寄りながら、私はここまでに読んだことの全てを、ボールをカップインさせるかその近くへ寄せるために凝縮してメンタルなイメージを描く。そうしながらボールの背後で何度か素振りをし、私が頭の中で決定したストロークを再現するように務める。
5. 首を廻して左肩越しにラインを見ながら私のスタンスと体勢に必要と思われる微調整を行うが、絶対に頭を持ち上げたりしない。
6. ほぼ準備は完了である。息を止め、心の中でボールがカップインするかタップインの領域で止まるところを視覚化する。
最後に、100%準備完了と感じたらストロークする」
画像はttps://southernfairwaysgolf.com/にリンクして表示させて頂いています。
(October 01, 2023)
●ショートパット成功の鍵【距離篇】
前回の「ショートパット成功の鍵」は方向性についてでした。今回のは距離感の鍵です。
われわれが誰かのボールを拾って上げてポンと投げる時、その距離感は極めて正確で、めったに短か過ぎたり遠過ぎたりすることはありません。これは潜在意識がコントロールする《アイ=ハンド・コーディネーション》のなせる業です。パットでもカップを見ただけで身体がバックストロークの幅や打つ強さを思い浮かべてくれればいいのですが、そうは問屋が卸しません。
現在の私は1.5メートルの距離を全て成功させたいという願望があるのですが、一口に1.5メートルと云ってもグリーンとピンの配置によって上りだったり下りだったり、雨の後や朝露に覆われていたりする場合もあるので、常に同じように打てるものではありません。
私が考えたアイデアは、自分に視認出来る尺度を単位として、カップに届くまでの素振りをリハーサルするというものです。例えば、私は小学生の頃から30センチの物差しに慣れ親しんでいるので、30センチなら単位として視覚化し易い。で、カップが図の①の30センチ先にあるとしてバックストロークし、次にその倍の②の先までの60センチの距離を転がすバックストロークの素振り、③までの90センチ先まで届くバックストロークの素振り…という風に全五回の素振りで1.5メートル先のカップに届かせるバックストロークの幅を身体に覚え込ませ、それを本番で再現します。
これは漠然と1.5メートル先のカップを見ながら素振りするよりも効果的です。
私のように練習でカップから1.5メートルの距離に立つことに慣れていれば、上のテクニックはロングパットにも応用出来ます。例えば6メートルの距離なら全体を四分割して1.5メートル単位の素振りをすればいいわけです。
(October 01, 2023)
●ラウンド前、カップを狙わず練習せよ
スポーツ心理学者Dr. Joe Parent(ジョー・ペアレント博士)執筆のメンタルtips集より。 'Golf: The Art of the Mental Game' 「ラウンド前にパッティングのウォームアップをする時は、先ずカップを狙わずにパットする。これだとカップを狙う時のようにプッシュしたりプルしたりせず、自然なストロークが出来る。この方式で毎回スウィートスポットで打て、ボールが順回転【註】で転がるようになるまで練習する。 【編註】「順回転」とは、ボールに描かれた直線がぐらぐら揺れずに一線となって転がる状態。 次に、ロングパットの練習をする。正しい距離を転がすために、どれだけ大きなスウィングをしなければならないか感じ取る。 サイド・スロープの中位の距離でカップを狙い、打つ強さとブレイク(曲がり)との関係を感じ取る。様々な強さとボール軌道の組み合わせを試す。 最後に60センチの距離のパットを数回行う。頭を動かさないことと、ボールがカップに転げ込む音を聞くことに集中する。そのストロークは実際上50センチや1メートルのパットと変わらない。ボールがカップに転げ込む『コロコローン』という成功の甘き音色によって自信が構築されることであろう」 |
(October 01, 2023)
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