November 20, 2023

Stay behind the ball(ボール後方に留まれ)

 

八月一杯ゴルフしなかったので、再開してからも安全第一を考えて、8.3センチのティーではなく7センチのティーを使っていました。7センチのティーでのドライヴァーに自信がついたので、8.3センチのティーを使ってみました。

[Brook]

結果は凄いプル。私がプルするのは身体がターゲット方向にスライドした時と決まっています。打ち直しの二打目は"Stay behind the ball"(ボール後方に留まれ)という文句を念頭に打ち、フェアウェイをキープ出来ました。

"Stay behind the ball"は、Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)などを教えた伝説的コーチHarvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)が出版した最初の本'Harvey Penick's Little Red Book'(1992)に出て来る文句です。その記事を読み直してみました。

「スウィングの最中に頭を動かさないチャンピオンは存在しない。誰しも頭を動かす。しかし、偉大なプレイヤーはインパクト前後で頭を若干後方に動かすのであって、前方にではない。ホームラン・バッターも同じだ。

頭をターゲット方向に動かしたら、蝿叩きでハエを殺すことも出来ない。蝿叩きに力を篭めるには頭を動かさないか、後方に引くしかない。Byron Nelson(バイロン・ネルスン)はインパクトの瞬間、頭を約30センチ後方にしていた。

ボールの後方に留まるには、先ずアドレスでボールの後ろに頭をセットし、そこに頭を釘付けにするのだ。インパクトまでに頭をターゲット側に動かしたら、弱々しいショット、醜いショット、プル・スライス…のどれかと決まっている」

[icon]

ある日、前半で何度かミスをしたので後半は"Stay behind the ball"と唱えながらラウンドしました。そしたらNo.12(パー3)、14(パー5)、16(パー4)と三つのホールでバーディが転げ込んで来ました。No.12の25ヤードのチップインはまぐれかも知れませんが、No.14はピン傍30センチ、No.16は1.5メートルのパットを沈めたのでまぐれではありません。"Stay behind the ball"は頭を動かさないだけでなく、ボールを見据えた目もボールから逸らさないという素晴らしい効果があるようです。

"Stay behind the ball"(ボール後方に留まれ)は金言です。

(November 20, 2023)

短いパット成功の秘訣

 

これは伝説的インストラクターHarvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)のtip。

'100 Classic Golf Tips'
edited by Christopher Obetz (Universe Publishing, 2007, $24.95)

「4フィート(約1.2メートル)ぐらいのパットをミスする原因はあなたの心にある。あなたはそれをとっくに知っていることだろう。だが、あなたが知らないであろうことは、どのように心を静め、可能な限り不安を除去するために自身の思考を整理することだ。

あなたが考える最悪の事柄は、『結果』である。もしミスしたらどれほどの損害になるか、もし成功したらどれだけの利益があるか等々。

ひたすら集中せよ。そういう『結果』に関する想念を全て心から洗い流してしまえ」


(November 20, 2023)

Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のスタンス

 

[Bobby's stance]

以前から気がついていたことですが、Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のスタンスは狭いなんてんじゃありません。現在彼のようなスタンスでプレイするプロは皆無ですし、彼が活躍した時代でも彼は異質なまでに狭かったそうです。

一つには彼の少年時代に見たスコットランド生まれ・育ちのレッスン・プロの真似をしたせいもありますが、下半身をフルに捻転するスウィングをするためでもあったでしょう。幅広いスタンスをしていると左膝が完全に飛行線後方を向くようなスウィングは出来ません。彼にとってはどのショットをする場合でも(パッティングでも)下半身を捻転することが欠かせないものでした。

・ドライヴァー

現在の潮流は両踵を肩幅に広げるというものですが、Bobby Jones(図の左端)は肩幅よりずっと狭いスタンスです。かろうじて爪先を肩幅に開いている感じ。

ミドル・アイアン(図の中央)

アイアンになるとスタンスはさらに縮まり、両踵の間隔は約30センチです。

・チッピング

チッピングになると、両踵はくっつくほど近づきます。【注目】この時の右爪先前方のボール位置に注目して下さい。転がしではなく、Bobby Jonesはこのボール位置からボールを上げるチップアンド・ランをしました。パットをする時には、彼は逆にボールを左踵の前方に位置させています。

Bobby Jonesは、自著'Bobby Jones on Golf'(1966)で次のように述べています。「私の確固とした意見であるが、バックスウィングの間に左足から右足へと体重移動する必要はない。私は最上級のプレイヤーたちの数多くの写真を検討したが、明確に認識出来る体重移動は見つけられなかった。だが、ボールを打つ間に(腕やクラブに先行した)右から左への体重移動は起こるべきである」

つまり、Bobby Jonesは主に捻転・逆転でボールを飛ばしていたわけです。だからといって飛ばないわけではなく、彼は平均260ヤード飛ばし、必要とあれば300ヤード飛ばせたそうです(ヒッコリー・シャフトとパーシモン・ヘッドで)。

'Classic Instruction'
by Bobby Jones and Ben Crenshaw (American Golfer, 1998, $25.00)

上記の本でBen Crenshaw(ベン・クレンショー)はこう云っています。「最近のスウィングの傾向は広いスタンスで腰の回転を45°に抑え、肩を90°廻すというものだ。スウィングの間に身体をフルに使いたいなら狭いスタンスを選び、抑制したスウィングをしたければ広いスタンス。どちらも正しい。両方試してみて自分に合った方を選ぶべきだ」

(November 20, 2023)



[Anim

 Copyright © 1998−2023   Eiji Takano    高野英二
[Mail]
 Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.