November 10, 2023
●悪いショットを忘れる方法
スポーツ心理学者Dr. Joe Parent(ジョー・ペアレント博士)執筆のメンタルtips集より。
'Golf: The Art of the Mental Game'
by Dr. Joseph Parent (Universe, 2009, $24.95)
「お粗末なショットに腹を立てることは理解出来る。数秒間の感情の高まりもさほど問題ではない。問題はあなたがその自分への怒りを捨てず、次のショットにも影響させてお粗末なショットを連続させてしまうことだ。
腹を立てるのは結構、だがそのネガティヴな情動を断ち切ってお粗末なプレイをストップさせなければいけない。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)は『10ヤード・ルール』(10ヤードは約10メートル)を自分に課していた。あるショットに腹を立てても、それは次のボール位置に向かう10ヤード以内で終わらせる。その地点を過ぎたら先程のショットのことは忘れ、次のショットだけに集中するのだ。
タイガー流をマスターする方法をお教えしよう。
最初の情動の激発の後、一度か二度深呼吸する。排気とともにネガティヴな感覚が流れ去るのを感じ、ポジティヴなプロセスにエネルギーを集める。先程ミスしたのとは異なるショットが出来るようになるまで数回素振りする。あなたが感じる二つの違いが次のベストなショットへの準備である。
このポストショット・ルーティーン(ショット後の儀式)にはまずかったショットから歩み去りながら得られる二つの利点がある。あなたの最後のスウィング(素振り)は悪いものではなく理想的なものである。そして、あなたの焦点はネガティヴな感情を離れ、次のショットを良いものにしようというポジティヴな方向に向かっていることだ」
(November 10, 2023)
●テクニカルなミスか、メンタルなミスか
ある日のラウンドで統計をとってみました。自分は一体テクニカル、メンタル、どっちの原因によるミスを多く犯すのか?
テクニカルなミスが多いのなら練習が必要だし、メンタルなミスが多いのなら打つ前に時間をかけてそれを回避しなければなりません。
ただ、テクニカルとメンタルの区別がつけにくいミスというものもあります。たとえば、ボールを見ないで打ってしまった…というような場合、これはメンタルな不注意でもあると同時に初歩的なテクニカル・ミスでもあると云えるからです。
で、両方混じっているものは「複合ミス」ということにして三種類のミスの結果を集計してみました。
結論から云えば、こんなことはしちゃいけませんでした。ミスを数えるという試みはミスを許容することでもあります。われわれのゴルフにミスはつきものですが、それにしても全面的にミスがあるのは当然だという態度は問題です。
この日、私のゴルフは最低でミスは12もありました。ほとんどのホールでミスしている感じ。全てテクニカルなミスでメンタルなミスはありませんでした。
どういうミスだったかというと、ショート・ゲームでのダフリが五回、手打ちが一回、ダウンスウィングでの左へのスライドが一回。あとは覚えていません(ミスの回数だけは数えましたが)。最近の私としては信じられないお粗末なラウンドでした。
こんなことはもう二度とやりませんorz。
(November 10, 2023)
●ミスを未然に防ぐ方策
以下は自戒です。打った後、「そうだよ、当然こうなるわな。おれは馬鹿だった」と思うことが多々あります。それを警戒し、事故を未然に防ぐようにしています。
・ロング・ショット
初めてのコースなら別ですが、何度もプレイしているコースでは各ホールの右か左、どちらが危険か分っているわけです。何よりもそちらに打たないことを優先すべきです。
もし、右に障害物があるなら、1) (フェアウェイやグリーンの)左を狙う、2) クローズ・スタンスにする、3) グリップをゆるくする、4) フック・グリップにする、5) クラブフェースを少しクローズにする、6) 両手を低く構える…などのいずれか(あるいは複数)を採用し、絶対に右には行かないようにすることが出来ます。
障害物を避けようと緊張するとグリップがきつくなりますが、きついグリップはプッシュへの招待状です。リラックスしないといけません。
左に障害物がある場合は、1) (フェアウェイやグリーンの)右を狙う、2) オープン・スタンスにする、3) グリップをきつくする、4) スライス・グリップにする、5) クラブフェースを少しオープンにする、6) 両手を高く構える…などのいずれか(あるいは複数)を採用し、絶対に左には行かないようにすることが出来ます。
スウィングのテンポが早過ぎるとフックになるので、テンポにも注意。
・寄せ
グリーンサイドであろうとフェアウェイの斜面だろうと、「砲台グリーンの斜面からのチップ」(tips_197.html)の法則は完全に当てはまります。左足上がりの斜面であれば高く上がることによって10°につき10ヤード飛距離が減ります。ですから、必ずその勾配の度合いを判定しなければいけません。もし、ウィンター・ルールでボールをワン・クラブ動かせるなら、斜面ではなく平らなライを選ぶのが賢明です。たとえ、ワン・クラブ後方に戻すとしても。
「ピッチングとチッピングの距離調節・簡略版」(tips_195.html)の手法を使うと5ヤード単位で寄せられます。逆に云えば5ヤードの誤差があるとちゃんと寄りません。必ずボールとカップの横に廻って正しい距離を得るべきです(GPSもピンの位置に合わせないと正確ではありません)。ボール後方から見ただけだと距離が短く見えるのでショートし易い。同伴競技者がプレイしている間に”計測”を済ませればスロー・プレイにならずに済みます。
・ピッチ
必ず下半身と連動したスウィングが不可欠。小手先で打つとシャンクしたりトップしたりしかねない。
・チップ
短い距離だからといって小手先であしらうのではなく、膝の動きと連動させるようにするのがベスト。
・パット
慣れ親しんだホームコースのグリーンであっても、打つ前に「このラインは上りか下りか?」と自問すべきです。パットしてかなりオーヴァーした後、「下りだってことを忘れてた!」な~んて、とても人に云えない愚かなミスです。ラインの読みやストローク法以前の問題です。胸の内で「これは上りだ」、「これは下りだ」と再確認する必要があります。その情報を噛み締めながら素振りします。下りならカップ手前まで届く強さの素振り、上りならカップを少し通過する強さの素振り。本番ではその素振りの強さを再現します。ストロークする際、意識的に強めたり弱めたりしない。
以上、自戒でした。
(November 10, 2023)
Copyright © 1998−2023 Eiji Takano 高野英二 |