March 17, 2023

ロング・パットではグリーンを確実に読め

 

これはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)がいろいろな雑誌に書いたパットのコツを集成した本からのtip。

[Nicklaus]

'Putting My Way'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (John Wiley & Sons, Inc., 2009, $25.95)

「プロ・アマでの経験だが、アマチュアはかなり長いパットにもかかわらず地形を一瞥しただけでボールに歩み寄ってパットしたりする。そして、大幅ショートしたり、オーヴァーしたり、カップの横に打ってしまった結果を嘆く。

ボールとカップとの間の地面を見るだけでパットするのは、遊びのラウンドではいいかも知れない。だが、あなたのベストのゴルフをしようとする際の習慣としては最悪のものだ。

なぜなら、距離が長くなればなるほどダブル・ブレイクや湿った箇所、からからに乾いた箇所、芝の長さや密度、無視出来ない芝目…などの要素が入り込んで来る可能性が高いからだ。そういう要素に加えて強い風もボールの転がりに影響する。

私は非常に長いパットの場合、ボールの後ろやラインの横から見たりするだけでなく、ほぼ常にパットの距離を歩く。歩くことはしばしばボールがカップに転がるまでに必要とするストロークの”重さ”の感覚の醸成を助けてくれる。

【編註】Jack Nicklausはバックストロークの幅で距離コントロールすることを好み、打つ強弱によるコントロールを嫌っています。それで、普通なら”強さ”と表現するところを”重さ”と云っているわけです。”重さ”はバックストロークの幅の長さと置き換えられます。青木 功のパッティング・コーチは、「ボールをカップまで目で押せ」と云ったそうです。これはまさしく”重さ”ですね。

パットが手強いものであればあるほど、私は懸命に読む。ストロークする前に、それをどう処理するか完全に確信出来るまで。

あなたにとって快適な範囲でボールの上で背を伸ばした姿勢で立ち、あなたの位置からカップまでの地形全体を見渡し、容易に距離の判断が出来るようにする。これは小さな調整だが、パターをフルにそして自由に振ることを助けてくれる。

ボールを正確にラインに乗せることよりも、ボールとのしっかりしたコンタクトに集中する。なぜなら、3メートルカップの横に行くよりも3メートルショートしたりオーヴァーしたりするミスの方が絶対に多いからだ。

私にとって最も大事なものだが、カップの周りに半径1メートルの円を強力に視覚化する。ボールはその円内で”死ぬ”べきであって、その円を越えないことが重要なのだ。

最後に、貪欲になってはいけない。偉大なパット名人でさえ15メートルなら1メートルに寄せて満足していることを知るべきだ。だから、あなたの目標はカップそのものではなく半径1メートルの円とすべきである」

(March 17, 2023)

ミスの罪滅ぼしを過剰にするべからず

 

スポーツ心理学者Dr. Joe Parent(ジョー・ペアレント博士)執筆のメンタルtips集より。

[mistake]

'Golf: The Art of the Mental Game'
by Dr. Joseph Parent (Universe, 2009, $24.95)

「良いショットをする時の障害の一つは、悪いショットの記憶である。直面しているショットを単純にプレイする代わりに、直前のお粗末なショットを繰り返すのを避けることを重要視してしまう。

6メートルのパットをした時に1メートルもショートさせると、後のホールで似たような距離を打つ際、あなたは『ショートだけはしないぞ!』と決意する。あなたは自分が望むパットのイメージを自分の脳に伝えるよりも、『ショートだけは駄目!』というメッセージを自分の脳に送る。ショートしない確実な途は2メートルもオーヴァーすることだ。ショートしなかったから大成功(???)。

以前の失敗を償おうとするパターンを防止するには、次のようなポストショット・ルーティーン(ショット後の儀式)をせずにミスを犯した場所を離れてはならない。ミスの原因を熟考し、正しい判断をし直すか良いショットが可能であったろうスウィングの鍵(tip)を思い起こし、それを適用してスウィングする。こうすれば失敗の悪い記憶を過去のものとし、正しいショットの感覚が得られる。似たような状況に直面した時、あなたはポジティヴなプランを考えることが出来、恐らく良いショットが出来るはずである」

(March 17, 2023)

私がレフトハンド・ローを捨てた理由(わけ)

 

レフトハンド・ローが流行した理由の一つは、強さを司る右手ではなく方向性重視で左手に主導権を与えてストロークする…というものでしたが、もう一つの理由は両肩が水平になる…という点でした。何故肩の高さが重要かというと、それによってストローク軌道の高低が変わるからです。

パット名人Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)は「低くバック、低くフォロー」というメソッドですから、完全に水平志向です。Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)も水平。

パット名人でプロ相手のインストラクターだったGeorge Low(ジョージ・ロウ)は、「ボールを打ち下ろす」メソッドでしたから右高左低だったでしょう。

[shoulders]

Jack Nicklaus(ジャック・二クラス)は「上昇軌道で打て」と云っていましたし、左高右低であると自著に書いています。パット名人Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)も左高右低派。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)も左高右低。パット巧者のSteve Stricker(スティーヴ・ストリッカー)、Rory Mcilroy(ロリィ・マカロイ)も僅かですが左高右低。Lydia Ko(リディア・コゥ、写真)も左高右低。

マスターズ優勝などでFred Couples(フレッド・カプルズ)がレフトハンド・ローを流行(はやら)せて以来、ツァー・プロの多くがレフトハンド・ローを採用するようになりました。LPGAは100%と云っていいほどです。

右利きの私もその流行に乗って長いことレフトハンド・ローでパットして来ました。パットでは方向性が重要であり、右手のパワーは必要ない、パッティング・ストロークは左手が主導権を握るべきである…というのがレフトハンド・ローのメリットとされていました。しかし、最近私はこの方法を捨てました。

私の調理台の電気コンロは台所の左隅にあります。ヤカンの湯が湧くと自然に左手でヤカンを掴み、右の調理台に置いた器(急須とか湯呑みとか)に注ぐことになるのですが、何度か器を逸らして湯を調理台にこぼしてしまったことがあります。つまり、私の左手はあまり器用・正確でないのです。

また、私の身体はほんの僅かですが左手・左脚の長さが短い。短い左手をレフトハンド・ローにすると、当然ですが右高左低になってしまいます。

パッティングほど精妙な方向性が求められるものはありません。ストレート・ストロークの場合手と手首は殺して、肩と腕でストロークするのですが、それでも湯をこぼすような左手に主導権を与えるのは幼稚園の子供に料理をさせるような危険があると懸念されました。やはり、右利きは右手・右腕で作業を行うべきだと思います。そして、上昇軌道で打つためにもライトハンド・ローにすべきだと考えたのです。

【参考】
・「パットは上昇軌道で打て」(tips_126.html)
・「George Low(ジョージ・ロウ)のインサイド←→インサイド・ストロークの草分け」(tips_98.html)
・「Bobby Locke(ボビィ・ロック)のパッティング」(tips_109.html)

(March 17, 2023)

COVID-19

 

「マスクはもう必要ない」と云われても外出時には必ずマスクをしていました。それなのに、なぜかCOVID-19に感染してしまい、それ用の薬を五日間服み、その後五日間蟄居し、ぶり返しの有無をチェックし、最終のテストで晴れて陰性になりました。ワクチンを四回接種していたので軽く済んだのだと思っています。計二週間ゴルフ出来ませんでした。

昨日(3月16日)、天気の良い午後にゴルフ場に赴きました。身体にエネルギーは感じられず、多分飛ばないしミスの連続だろうと心配していました。その心配は杞憂でした。前回の記事「クラブを短く持って打つ」の趣旨で全てのパー4とパー5でドライヴァーを2.5センチ短く持って打ったのですが、大体において(全部ではないものの)いつもより飛んでいました。ハイブリッドも短く持って打ったらいつもより飛び過ぎてグリーン・オーヴァーする始末。

ダボが三つ、バーディが一つでトータル83でした。病後なので80を切ろうなどと高望みしていませんでしたが、「愚かなミス」が七つもありましたので、これを猛省しなくてはなりません。

(March 17, 2023)



[Anim

 Copyright © 1998−2023   Eiji Takano    高野英二
[Mail]
 Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.