June 25, 2023

Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)が解説するBobby Jones(ボビィ・ジョーンズ):【パット篇】

 

私はBobby Jonesが書いた本を四冊、彼の書いたものから選り抜いた本を一冊、彼の伝記を一冊、彼の業績を写真で辿った大型本を一冊持っており、それで全部だと思っていました。ところが、まだ一冊あったのです。Bobby Jonesが自分のスウィングを撮らせ、短いコメントを書いた未公開のインストラクション素材が見つかり、それをBen Crenshawのスウィングおよび解説と対比させて編集した本です。

Ben CrenshawはBobby Jonesを尊敬する研究家であり、同じようにバックスウィングで左踵を上げますし、二人ともパット名人ですから、これは企画としては的を射ていると云っていいでしょう。Ben Crenshawがマスターズに二回優勝しているのも偶然とはいえ因縁めいています。

Bobby Jones自身による説明は既に紹介済ですから、今回はBen Crenshawが解説するBobby Jonesのパッティングの特徴にスポットを当ててみます。

'Classic Instruction'
by Bobby Jones and Ben Crenshaw (American Golfer and Broadway Books, 1998, $25.00)

・BobbyJonesのパッティング・スタンスは極端に狭い。両踵の間隔はおよそ10センチ。
・ボール位置は左踵の前方。
・腰から前傾する。
・目はラインの内側。ボールの真上ではなく、数センチ下(身体寄り)である。
・左右の肩の高さは地面と平行。
・両肘は曲げ、湾曲させて構える。
・パターヘッドをボールの前(ターゲット側)に置いてターゲットを一瞥する。
・右腕・右手主体にストロークするが、下半身(膝)も使う。
・低く、地面を掃くようにストロークする。
・バックストロークでは、ターゲットラインよりややインサイドに引き、フェースをオープンにする。

 

[Bobby]

以上がBen Crenshawが指摘するポイントです。

ここで注意しなければならないのは、Bobby JonesもBen Crenshawもインサイド→スクウェアのストロークをするということ。このストロークをする人は、目をターゲットラインの内側にするのがふさわしいのです。私のようにストレート・バック、ストレート・フォワードのストロークをする場合には、やはりターゲットラインの真上に目を据えるのがベストであると思います。

Bobby JonesもBen Crenshawもボールを左足踵の前方にしています。これもインサイド→スクウェア派の特徴です。私はストレート派ですが、両足の中間のやや前方(ターゲット寄り)にしています。様々な書物からこれまでに学んだ結果、背骨よりも若干ターゲット側がいいという判断です。

Bobby Jonesは両肘を曲げ、野球のホームベースのような形でパターを構えます(図の赤線)。Ben Crenshawはワイドなスタンスで左腕を伸ばし、あまり屈まずに構えます。

Bobby Jonesは生命線を無視し、左手は指の付け根の下、右手は指の付け根でグリップしています。

Bobby Jonesは「地面を掃くようなストローク」と書いていますが、バックスウィングとフォロースルーではクラブがかなり上昇しています。Ben Crenshawはロフト3度のパターを使っていて、フォワード・プレス無しで上昇軌道で(アッパーに)ストロークします。上昇軌道で打つとボールが滑走せず直ちに順回転を始めるので理想的なのだそうです。

Ben Crenshawは、打った後も頭をボールがあった場所を見つめているBobby Jonesのパッティングを絶賛しています。

【参考】
・「Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のパッティング」(tips_173.html)
・「Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のパッティング・2」(tips_201.html)

(June 25, 2023)

パターの選び方

 

[Paula]

アメリカの'Golf Magazine'誌が過去に出版したパッティングの本から、自分に最適のパターを選ぶ方法。

'The Golf Magazine: Putting Handbook'
by Peter Morrice and the editors of Golf Magazine (The Lyons Press, 2000, $14.95)

・シャフトの長さ

もし長過ぎるとパターを短く持たなければならならず、パターヘッドのバランスとフィーリングを変えてしまう。だからJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)風に屈み込むのが好きならいいが、そうでなければかなり背を伸ばし、肩から垂らした両腕をまっすぐ伸ばして握れる長さのシャフトがよい。35インチ(約89センチ)のシャフトがスタンダードだが、自分に合うものを見つけるべきだ。

・ライ角

パターヘッドを平らにアドレスした時に、シャフトと地面とで出来る角度がライ角である。

大概のパターは数度のロフトがあり、ヘッドは地面に対して平らではなく、フェースも実際には右を向いたり左を向いたりしている。だから、ライ角はあなたの自然なポスチャーに合致するものでなければならない。

また、ライがあまりにもフラットだと(ドライヴァーでパットするかのように)パターを適切にソールすることとボールの真上に目を置くことが不可能になる。

適切なライ角のパターを選ぶか、オーダーメードのパターにすべきだ。

【参照】「パターのライ角」(tips_91.html)

・ヘッドの形状

【参照】Paul Runyan(ポール・ラニャン)のパター鑑別法(tips_69.html)

[putters]

・重量

一般化して云えば、軽めのパターは早いグリーンで効果的で、重めのパターは遅いグリーンに相応しい。

また、重いパターは長くスムーズなストロークに向いている。軽いパターはコントロールしにくい。

・オフセット・ホーゼル

折れ曲がったオフセット・ホーゼルは、パターフェースよりもターゲットラインに近く立てるというメリットはあるが、真っ直ぐなシャフトよりもアライメントが複雑になる。

・ヘッドとフェースの素材

どれが優っていると云うことは出来ない。フェースにプラスティックやゴムをインサートしたものは、ソフトなフィーリングを求める人に向いている。

・グリップ・サイズ

太めのグリップは手と手首の自由を殺すことが出来る。グリップを太くするのは簡単だが、パターのバランスも変えるので要注意である。

細めのグリップはフィンガーで握るため、手と手首を多用するパッティングに向いている」

(June 25, 2023)

一風変わったパッティング練習法

 

[putting]

イギリスのインストラクターRoger Hyder(ロジャー・ハイダー)のtip。彼は長くDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)の元で働いていました。

’Golf Skills: The Players Guide'
by Roger Hyder(Firefly Books, 2000)

「正しいストローク法を身につけるにはサンドウェッジでパッティング練習する。

グリップダウンし、あたかもパターを握っているかのように持つ。

一定のテンポのストロークで、ボールの赤道(あるいはその少し上)を狙って打つ

この練習はパターを地面近くに低くバックストロークし、上昇軌道でボールを打つことを教えてくれる」


(June 25, 2023)



[Anim

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