July 10, 2023

パッティングをマスターする

 

アメリカの'Golf Magazine'誌が過去に出版したパッティングの本の骨子を抽出してみました。非常に有益なことばかりです。

'The Golf Magazine: Putting Handbook'
by Peter Morrice and the editors of Golf Magazine (The Lyons Press, 2000, $14.95)

「白状しなさい、あなたはパットが嫌いだと。ゴルファーの誰もがパット嫌悪症である。でなければ、多層階の打ちっ放しに匹敵する数のパット練習場が存在する筈だ。

ひょっとしてあなたがパット嫌いではないとしても、あなたはパットについて理解していない。パットはビリヤードやチェスのように頭を使うゲームなのだということを。

・セットアップ

ボールがカップに入りさえすればどんなスタイルでも構わない。プロでさえ背を伸ばす、屈む、狭いスタンス、広いスタンス、弾くストローク、長く掃くようなストローク…と実に様々である。

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しかし、基本というものはある。腕と肩を一体にしてコントロールし、手はそれらに従(つ)いて動くというものだ。これは手と手首はパターを安定させる以外のことを何もせず、パターフェースをターゲットに向け続ける簡単な方法だ。

大時計のように塔は動かず振り子だけが左右に動くという比喩は使い古されたものだが、これは腕と肩によるストロークの完璧なイメージである。基点は胸骨の頂点(左右の肩の真ん中)で、その左右でパターを動かす。

もし手と手首が独立して動けば振り子は故障してしまう。スタンスが不安定だと振り子は基点から外れてしまう。

等身大の鏡の前に立ち、パター無しで腰から前傾し、両手の掌を合わせる。こうすると、手・腕・左右の肩によって大きな三角形が形成される(右の写真)。この三角形を崩さないようにして肩を左右に揺らすこれが《腕・肩によるストローク》の真髄である

・グリップ

パッティングにはリヴァースオーヴァラッピング・グリップが標準とされている。左手の生命線でパター・ハンドルを握る。これによって左手甲がターゲットを指すだけでなく、左手首の勝手な動きを封じることが出来る。また、こうすると左前腕とパター・シャフトは一線になる。

 

最近人気のある太めのパター・ハンドルは、掌でハンドルを握ることを容易にしてくれる。

グリップ圧は左手薬指と小指でしっかり握るが、全体としてゆったりと握ること。

右掌がターゲットを向くようにハンドルを握る。人差し指と中指が左手のうえにかかり、両手が一体となるようにする。よいグリップはパット成功への第一歩である。

・スタンスとポスチャー

両足を40~50センチ開いて立つ。股関節から上体を折る(背中を曲げるのではない)。両腕は肩の関節から真下にぶら下がるようにする。両膝は僅かにリラックスさせる。体重は前後左右に均等(爪先にかけてはいけない)。

足・膝・腰・肩などすべてをターゲットにスクウェアに構える。目はボールの真上。

・ボール位置

パッティング・ストロークはターゲットラインにスクウェアであるべきだが、実際上はバックストロークで僅かにインサイドに引かれ、インパクトの後僅かにインサイドに向かう。パターフェースがターゲットにスクウェアであるのはほんの数センチの区間でしかない。そこはスウィング弧の最低点であるべきで、その地点以前だとパターフェースは右を向き、その地点を過ぎると左を向いてしまう。

また、ボールをジャンプさせたりせずスムーズにターゲットに送るには、ボールを僅かに上向きに打つことが望ましい。(絶対に下降気味にボールを打ってはならない)

以上を勘案すると、理想的ボール位置は《胸骨の真下の1インチ(2.5センチ)ターゲット寄り》となる。

・ストローク

完璧なパットの三要素
1) インパクトの瞬間、パターヘッドの軌道はターゲット・ラインに沿ってストレートでなくてはならない。
2) その瞬間、パターフェースはターゲットに向かってスクウェアでなくてはならない。
3) その瞬間、パターフェースのスウィートスポットでボールと接触しなければならない。

 

NASAの科学者だったDave Pelz(デイヴ・ペルツ、現ショートゲーム・インストラクター)は、調査・研究の結果ゴルファーのミスの90%はインパクト時のパターフェースの角度の問題だと分析している。

・ショート・パット

Dave Pelzは、ツァー・プロでさえ約2メートル以内のパットを平均60%も外すという統計を明らかにしている(上位のプロはそんなに多く失敗しないが)。だからアマチュアがこの距離を完璧にパットすることは期待出来ない。だが、スコアを減らすための第一歩はショート・パットに上達することだ。

2メートル以内の距離でカップの外を狙わなければならないというケースは稀だ。ミスするとすればパターフェースをオープンにしたりクローズにしたり、頭を動かしたり、スウィートスポットで打たなかったりしたせいである。これらは練習で改善するしかない。

緊張や不安に抗するには、必ず決まった手順で予行演習を行うことだ。例えば、ボールの後ろにしゃがんでブレイクを読む、ライン上に中間目標を設定する。ボールの横に立って一回(あるいは二回)素振りし、パターヘッドを中間目標に向ける。身体の向きをターゲットラインに平行にし、首を廻してカップを見、首を廻してボールに目を戻し、ストロークする。どのパットの際にもこの手順を実行すれば、緊張や不安を感じないで済む。

1メートル前後の距離ではカップの外を狙うべきではない。右にブレイクするラインであれば、カップの(外ではなく)左内側を狙うべきである。

・ロング・パット

10メートルの距離になるとパットを成功させることなど期待出来ない。だからえてして集中せずいい加減にストロークする。これは大きな間違いだ。

距離が長い場合に必要なのは、カップの数10センチに寄せるラグパットのテクニックだ。アマチュアは長いパットでもラインにこだわるが、重要なのは3パットを防ぎ、簡単に入れられる圏内にボールを近づけることだ。これもスコアを良くする戦術の一つである」

【参考】David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)のパッティング・グリップ https://youtu.be/Niu2VkBZ384

(July 10, 2023)

パットの方向と距離は別々に考えよ

 

これはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のtip。

'100 Classic Golf Tips'
edited by Christopher Obetz (Universe Publishing, 2007, $24.95)

「パットを成功させるには二つのことを正しく行わなくてはならない:『距離』と『方向』である。

この二つを同時に行おうとするのは混乱の原因となるか、片方を他方より過大に重視するという結果になる。

先ず第一に周囲の地形を読み、ボールとカップとの間の芝目と傾斜を読みながら、きっぱりと方向の決断に集中すべきだ。

ボールに歩み寄りながら、方向のことは頭から消し去り、距離に集中すべきである」

 

(July 10, 2023)

スクウェアにストロークしているかどうか調べよ

 

これはLPGAプロだったJanet Coles(ジャネット・コールズ)のtip。

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'100 Classic Golf Tips'【LPGA version】
edited by Christopher Obetz (Universe Publishing, 2008, $24.95)

「ゴルファーはプッシュしたりプルしたりしてパットをミスする。ボールをライン上にスタートさせるには、インパクトでパターフェースがラインに対しスクウェアでなければならない。

練習としてパターフェースの前に二個のボールを置く。ターゲットとしてグリーンのどこか一点を定め、1メートルのパットのようにストロークする。

もし、パターが二つのボールを同時に打ち、両方が等しい距離を転がれば、あなたはパターフェースをスクウェアにしてストロークしている。もし、ボールがバラけるようなら、あなたはオープン気味だったりクローズ気味だったりしていることになる」

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グリーンでカップから1.5メートル離れた地点からこの練習をしてみました。トゥ側のボールが先に進んでカップインし、ヒール側のボールはやや遅れて転がりカップインしました。二回連続で同じ結果でした。バラけてスタートするものの、どちらもカップに入るのですからフェースはスクウェアであるということになります。

ま、上のは偶然です。その後、二個共にカップインするということはありませんでした。

(July 10, 2023)



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