February 01, 2023

Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)式トップの作り方【詳説】

 

[Bobby]

スウィングのトップをどう構築するかは最も重要なポイントです。従来のアドレス→テイクアウェイ→トップという順を追った説明ではなく、Bobby Jonesは簡単至極でしかも完璧なトップを完成する方法を教えてくれます。コックの度合、捻転の程度、クラブシャフトの方向などトップでなすべきことが一挙に理解・達成出来る斬新な説明です。私はクラブが垂れ下がったトップまで真似しようとは思いませんが、彼の正確無比なショットを生成する基本は模範にしようとしています。

’Bobby Jones on Golf'
by Bobby Jones(Doubleday, 1966)

「ゴルフ・スウィングに、簡単な一つの動きで構成される部分というものは存在しない。全てがスムーズでリズミカルな動きが達成されるまで溶け合い、関連し合い、調和し合って一つとなる動作である。

実際にクラブを振る時、他の動きが開始される前に身体の回転や手首の動きが個別に完了しているなどということはない。しかし、それぞれのあり方を説明するちょっとした演習は以下のように実行可能である。

[making ideal top]

クラブを握ってアドレス体勢をとる。クラブを握ったグリップは軽く、手首と前腕はリラックスしており、左肩からクラブヘッドまではほぼ一直線となっている。身体を動かすことなく胸の前に離して上げる。手首をコックし、シャフトが右肩と重なるようにする。目はボールを見続け、身体を静止させたまま背骨を回転軸として身体を廻す。完全に捻転を達成すれば、完成したスウィングのトップの位置がどうであるかおおよそ解る筈だ。以上で正しいバックスウィングに不可欠なコックと捻転二つを溶け合わせた動作を遂行したことになる。

【編註】上のBobby Jonesの説明が解りにくい場合に備えて、自作図解とともに補足説明をします。アドレス後、手を身体の前に伸ばしてクラブ・シャフトを地面に水平にしただけではコックされていません。そこから手首を垂直に折ると90°コックした状態になります(図の1)。その手首を右におよそ45°斜めにし、【鏡で見た場合】シャフトが右肩の突端と重なったように見える角度にします(図の2)。その状態から背骨を軸として身体を充分に捻転すると自然にジョーンズ風トップの出来上がり(図の3)…というわけです。この時、左手首が凹型(甲側に折れる)や凸型(掌側に折れる)にならないように注意します。力まなければ、普通折れることはない筈ですが…。この方法を試みた時、これまでの私のトップはかなり高めであることに気づかされました。そこで、トップをフラット目にするとジョーンズ風、あるいはBen Hogan(ベン・ホーガン)風になりました^^。

スウィングのトップで重要なことは数多あり、それらについて書くとかなりの頁数を費やすことになる。だがいま私の頭にある一つの主要なポイントは、初心者が完全に無視しており、しかもスウィングを成功させるために不可欠のものである。

スウィングのトップで、クラブシャフトはほぼ水平でターゲットのやや右を向いているべきだ。これは世界レヴェルのプロたちに共通する定石と云ってよい。これはクラブを捻転によってトップへと上げた結果であり、初心者がやるようなクラブを手・腕だけで持ち上げた結果とは全く異なるものだ」

[Hogan] [icon]

Ben Hogan(ベン・ホーガン)も両手をフラットに後方に伸ばすバックスィングであり、両手を高く上げたりしていません。Bobby Jonesは臍(へそ)がターゲットと逆方向を向くほど最大限身体を捻転していますが、Ben Hoganの捻転は抑制気味であり、左肩もボール位置の真上で留められています。両人ともクラブヘッドは水平ではなく垂れていますが、どちらも左手首は平らです。この手首の角度が真っ直ぐボールを打つ秘訣です。

Jack Nicklaus(ジャック・二クラス)もTiger Woods(タイガー・ウッズ)も、両手を頭の遥か上になるようなトップだったせいか、現在の若手プロたちの多くもそのスタイルを模倣しています。しかし、フラットなトップだからといって飛ばないわけではありません。Bobby JonesもBen Hoganもドライヴァーで平均260~270ヤード飛ばしていましたし、Bobby Jonesがその気になれば300ヤード飛ばせたそうです。ヒッコリー・シャフトとパーシモンヘッドの組み合わせでですよ?スティール・シャフトやグラファイトだったらどれだけ飛ばしたことか。ですから、トップを高くすれば飛距離が伸びるというものでもないのです。

【参考】「Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のトップ」(tips_205.html)


(February 01, 2023)

手首の制御

 

[wrist] [Ko]

われわれはトップで図Aの緑線のように左手首を極力平らに真っ直ぐに伸ばさなくてはなりません。これがクラブフェースをスクウェア(45°)にし、真っ直ぐボールを打つための基本です。

もし図Bのように手の甲側に凹型に折ってクラブフェースが垂直だとスライスになります。

図Cのように手首を掌側に凸型に折ってクラブフェースが天を向いていればフックを生みます。

LPGAのLydia Ko(リディア・コゥ)のトップをご覧下さい。左手首はすんなり真っ直ぐ伸びています。これが理想的なトップの手首です。その結果、クラブフェースは自然にスクウェアな斜め45°になります。これならボールはピンめがけてまっしぐらに飛ぶことでしょう。

こうならない場合は腕時計のベルトに30センチの物差しを挟んで練習するという方法があります。手首が物差しと常にソフトに接触し続けていれば完璧な手首の状態と云えます。


(February 01, 2023)

テイクアウェイの過ち、二つ

 

[takeaway]

これはインストラクターButch Harmon(ブッチ・ハーモン)のtip。

'100 Classic Golf Tips' edited by Christopher Obetz (Universe Publishing, 2007, $24.95)

「テイクアウェイの段階で間違えることが二つある。1) すぐクラブを持ち上げること、2) インサイド引っ張り込むこと…の二つだ。

クラブを持ち上げると、左肩が落ちてしまう。傾げるのはいいが、肩を廻してはいけない。左サイドに重心を置くとリヴァースピヴォットになり、ボールをトップするかチョロすることになる。

インサイドにクラブを引くと、左腕があまりにも身体の外側に出てしまい、バックスウィングの途中では左腕が右腕の上になってしまう。クラブは身体の後ろに廻ってしまうが、ダウンスウィングでは同じ道筋を辿るためスライスかプルを招く」


(February 01, 2023)



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