September 02, 2022

図解・Brandel Chamblee(ブランデル・シャンブリー)推奨のスウィング

 

[Brandel]

この記事は、筆者Brandel Chamblee(ブランデル・シャンブリー)が'Swing Like a Pro'に影響されていることもあって、'Swing Like a Pro'の簡潔な要約と読むことが出来ます。

'Anatomy of Greatness; Lessons from the Best Golf Swings in History'
by Brandel Chamblee (Simon & Schuster, 2015, $30.00)

Brandel Chambleeは、PGAツァーで四勝したプロで、現在はThe Golf Channel(ゴルフ・チャネル)のメインの解説者。彼はインストラクターAlex Morrison(アレックス・モリスン、生没年不詳)を尊敬しており、彼の弟子でBen Hogan(ベン・ホーガン)を教えたHenry Picard(ヘンリィ・ピカード、1906~1997)、そしてHenry Picardが教えたJack Grout(ジャック・グラウト、1910~1989)という系列が好きなようです。御存知のようにジャック・グラウトはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の師匠でした。ツァー・プロではBobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)、Byron Nelson(バイロン・ネルスン)、Mickey Wright(ミッキィ・ライト)、Jack Nicklaus、Tiger Woods(タイガー・ウッズ)などが好きなようです。

彼はこの本で古今の名人たちのスウィング各部の共通項を抽出して、それらの重要性についてわれわれの注意を喚起し、忘れ去られたテクニックにはその復権を試みています。
[grip]

・グリップ

左手は人差し指の第二関節から掌の下方の膨らみの下にかけて握り、Vの字は右肩を指す。親指はハンドル中央の右寄りに添える。右手も先端は人差し指の第二関節に当てるが、後端は小指の付け根に当てる。右手の親指はハンドルの真上ではなく、そのやや左側を押さえる。右手のVの字も右肩を指す。これが世界的に成功したプロたちのグリップである。

【参照】「Brandel Chamblee(ブランデル・シャンブリー)推奨のグリップ」(tips_203.html)

[stance]

・スタンス

「数人の例外を除いて、Ben Hogan(ベン・ホーガン)からTiger Woods(タイガー・ウッズ)に至るまでの名人たちは、(多少のズレはあるにしても)ドライヴァーでは両足内側を肩幅に広げるスタンスをしている。

もしスタンスがあまりにも狭いと、バックスウィングで正しい幅でクラブを充分に低く横に引けないだろう。捻転は充分に可能だとしても、基盤が捻転を支えるだけ充分広くないので、体重を右外へ移してしまう危険がある。これは安定感とパワーを失う要因である。

スタンスが広過ぎると、上半身と下半身を遠く後方に動かして正しいダウンスウィングを始めるために必要な基盤を作るのが難しくなる。

・右膝

名人たちとそうでない者を分ける要素は沢山あるが、下半身の上手な使い方もその一つである。ほぼ全ての偉大なゴルファーがスウィング開始前に右膝を内側に押し込む。【上の写真のBen Hogan(ベン・ホーガン)の右膝参照】テイクアウェイ開始の引き金となるこの右膝を内側に押し込む動きを、短距離走者のスターティング・ブロック(足止め装置)と考えるべきである。多くの中で特にGary Player(ゲアリ・プレイヤー)やMickey Wright(ミッキィ・ライト、LPGA、1935~2020)などが目立つ代表である。

【編註】これは右へのスウェイ防止装置としても役立ちます。私も長い間この方法をスウェイ防止のために採用していたのですが、方向性を正しく保つには、私の体型的理由で左膝を内側に押し込むべきであることに気づき、右膝は考えないことにしました(両方の膝を内側に押すと窮屈なので)。しかし、右の足止め装置がないことによってダフりが時々出ます。上の部分を読んで最終的に私は右膝を入れる方式を復活させることにしました。その後右肩を背中側に引けば方向性も保てる…という折衷案です。これはダフりを撲滅し、ストレートなボールを打つのに役立っています。

[ball position]

Mickey Wrightはその著書で、右足外側でボールを踏みつけながらスウィングするという練習法を紹介している。【編註:彼女はツァー82勝、そのうちメイジャーは13勝もしています】

・ボール位置

Bobby Jones、Ben Hogan、Jack Nicklausらは、どのクラブでも左踵内側というボール位置を変えない。

[back angle]

・ポスチャー

アドレスで背を丸めたり凹ませたり、真っ直ぐ伸ばそうなどとしてはいけない。名人たちは自然にゆったりと構える。

【参照】「アドレス時の背中の角度(改訂版)」(tips_203.html)

[open stance]

・アライメント

クラブフェースは飛行線にスクウェアにセットするが、スタンス(両爪先を結ぶ線)と左肩は若干飛行線の左を向くべきである。こうすればボールが右へ出るのを防ぐことが出来る。

【参照】「ツァー・プロはオープン・スタンスを好む」(tips_203.html)

[heel]

・左踵の上げ下げ

Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のように、バックスウィングで左踵を上げ、ダウンスウィング開始の前にその左踵を下ろすべきである。これは捻転を容易にし、下半身の故障を防いでくれる。

【参照】
・「Brandel Chamblee(ブランデル・シャンブリー)の左踵を上げてスウィング」(tips_169.html)
・「左踵の研究(身体に優しいスウィングをせよ)」(tips_203.html)

・切り返し

ダウンスウィングに移る時点で、多くの名人たちが僅かに左腰を右よりも低くし、左足にプレッシャーをかける」

(September 02, 2022)

トップからスウィング軌道をフラットにする効果

 

以下は、上記「Brandel Chamblee(ブランデル・シャンブリー)推奨のスウィング」に含まれていない要素です。これも忘れないようにしたいものです。

'Swing Like a Pro'シリーズが明らかにしたゴルフ・スウィングの秘訣はいくつもありますが、中でも《トップからダウン・スウィングに移る時に右肘を身体の脇につけ、スウィング軌道をフラットにする》が重要です。

私は最近コースがグリーン改造中なので、ロング・ゲームの練習としてラウンドしています(ショート・ゲームとパットを省略)。'Swing Like a Pro'が説く要素を漏れなく遂行しているつもりでもミス・ショットが出ます。その原因の一つはダウンで右肘を身体に引き寄せることを忘れた時です。よくてプッシュ、悪くてザックリになります。右肘を下ろせば軌道がフラットになるので、ザックリなど起きません。気が緩んだり、力んだり、急(せ)いたりすると、つい軌道をフラットにすることを忘れがちになります。

(September 02, 2022)



[Anim

 Copyright © 1998−2022   Eiji Takano    高野英二
[Mail]
 Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.