October 15, 2022
●アイアン・フェースのどこで打っているかを調べる(2022年版)
アイアンによるピンへの攻撃が大きく逸れた場合、われわれはスウィングが悪かったのだと落ち込みますが、実はクラブが悪かったということだってあるのです。クラブは何年も使っているうちにライ角が変わり、クラブの中心でボールにアドレスしても真っ直ぐ飛ばせなくなることがあります。数年おきにワンセットのアイアンをクラブ・フィッターに預け、ライ角を修正して貰うのが最も簡単ですが、私の方法のような対症療法もないではありません。
フェースに水虫スプレー(粉末タイプ)を噴霧し、練習マットに装着したゴム・ティーを何度か打って自分がクラブフェースのどこでボールを打っているか、その傾向を調べます。トゥ寄りなのか、ヒール寄りなのか。
もしトゥ寄り1センチで打つ傾向があれば、フェースの中心から1センチほどヒール側にマジックで印を付け、そこでボールにアドレスして打つように調整すれば、ちゃんとスウィートスポットで打てるようになります。ピンを狙って正確に打とうとするアイアンにとって、これは非常に重要なことです。
クラブ・フィッターの調整は業界標準(あるいはクラブ出荷時)のライ角に戻すだけですが、私の方法は自分自身のスウィングの癖に対応した調整法なので、双方は既製服とオーダーメードの違いがあります。
私は2017年から三年間、毎年秋にこの調査をしていました。2017年と2018年ではかなり大幅に調整位置(アドレスすべき場所)が違っていました。2018年と2019年では大きな違いはありませんでした。それ以後この調査をすることをすっかり忘れていました。
これまでは5番~9番とPWを調べるだけだったのですが、今回はGW(ギャップ・ウェッジ)、SW、LWも調べることにしました。LWがなぜか狙った地点の左に飛ぶ傾向がライ角のせいかも知れないと思ったからです。
右上の写真は(ボールではなく)数回ゴムのティーを打った結果です。5~7番はややトゥ寄りで打っている感じなので、フェースの真ん中よりヒール寄りでアドレスすることにしました。左の写真を見て頂くと(特に一番左の5番アイアン)アドレスすべき場所の変遷がお解り頂けるでしょう。
ロブ・ウェッジのボールとの接触点はやはりヒール寄りでした。今後はややトゥ寄りでアドレスすべきであることが判りました。
ついでなのでドライヴァーとハイブリッド数本も調べてみました。ドライヴァーは「最近右に出ることがよくある」と感じていたのですが、これもトゥ寄りで打っていることが判明しました。右へ出て当然です。今後は若干ヒール寄りでアドレスすることにします。
上の調査と調整を済ませた後のラウンド、ピンまで1.5m、3m、1m、30cm、30cm、10cm、30cm、1m…等につけることが出来ました。
不得意なクラブがある場合、意外にこのようにスウィート・スポットで打っていないのが原因ということがあるのではないでしょうか。自分のスウィングを疑う前にクラブを疑ってみることをお薦めします。悩みが一挙解決ということだってあるでしょうし、微調整によってぴたぴたピンに寄る快感が味わえるかも知れません。
【参考】「アイアン・フェースのどこで打っているかを調べる」(tips_196.html)【2019 年版】
(October 15, 2022)
●ソリッドにチップする方法
最近の私はチップ・ショットをあまりにもカチ上げてしまい、大幅ショートするミスを繰り返していました。クラブヘッドを地面に水平に滑らすように努めましたが、問題は解決しませんでした。そんな折り、「あ、こうすべきだったのだ!」と教えてくれたのが、このtipです。筆者はショート・ゲーム専門インストラクターTod Sones(トッド・ソーンズ)。
'Golf Magazine: The Best Instruction Book Ever!'
edited by David DeNunzio (Time Home Entertainment Inc., 2012)
「・ステップ1
クラブフェースでターゲットを狙った後、クラブのヒール側を僅かに上げる。これはクラブヘッドをパッティング・ストロークのようなアップライトなライにする。アップライトなライはストレート・バック&スルー(=フォワード)の動作を容易にするが、フラットなライだと弧を描くようなスウィングになってしまう。
・ステップ2
クラブ・ハンドルをボールの端から5センチターゲット側に傾ける。このようにロフトを減らすと下降するスウィング軌道が得られる。このテクニックは全てのウェッジ、そして8番や9番アイアンにも使える。
・ステップ3
クラブの後端は身体の中心から数センチ左側になるようにする。肩はターゲットラインにスクウェアで、体重は左足に乗っていることを確認せよ。
・ステップ4
手と手首を静粛にさせ腕と肩でクラブを動かす。ヒッティング・ゾーンを通過する際、クラブフェースは緩やかにクローズになるような感じを抱く筈だ」
これは素晴らしい。ロブ・ウェッジによるチッピングでカチ上げる悩みを抱えていたのですが、このtipによって悩みから解放されました。ボールを右親指の前に置いてもボールが低く出るということもなく、適切な軌道で上がります。練習ではピン傍にピタピタ寄りました。
(October 01, 2022)
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