October 01, 2022

ミスを減らしてスコアを減らす 【パート2】

 

・やっぱり病

「やっぱりショートしたか…」「やっぱりオーヴァーか…」「やっぱり木に当たったか…」と思う時がよくありますよね。これを私は“やっぱり病”と名付けています。別名“馬鹿は死ななきゃ治らない病”。

なぜかと云うと、“やっぱり”と思った以上当人はそうなることをある程度予知していたわけです。われわれの潜在意識【「メンタル・タフネスを身につけてスコアを減らす」(tips_202.html)参照】は生まれてこの方の経験を全て脳内データベースに蓄積しており、場面場面に応じてデータベースを参照し「そのクラブではショートしますよ」とか「そのクラブだと木に当たりますよ」と忠告します。馬鹿なプレイヤーはその潜在意識の忠告に耳を貸さず、「バンカーに入れたくないからこのクラブにする」とか「ここでは是が非でも2オンさせなきゃならんから、距離的にこのクラブが必要だ」などと、道理を引っ込めて自分の都合優先でプレイします。無理を承知のごり押し。その試みが失敗した時、ゴルファーは「やっぱり駄目だったか…」と呟くのです。

つまり、「ショートするかも知れない」「木に当たるかも知れない」という潜在意識の囁きを無視してはいけないのです。「この小川は越えられない」という潜在意識の判断を無視してジャンプし、向こう岸に届かずにびしょ濡れになるようなものです。「物量豊富なアメリカと戦争を始めたって勝てっこない」と判っているのに戦争を始めたのと同じ愚かな行為です。

・木越え

どのクラブでどれだけの高さの木を越えられるか、知る方法があります。写真のMichell Wie(ミシェル・ウィ)がやっているようにクラブフェースをリーディングエッジ側から踏みつけ、シャフトが示す角度が木の高さを上回るかどうか調べるのです。フェースを地面に平行に踏みつければ、シャフトの角度がボールの軌道を示すわけです。ただし、クラブを踏みつける地面が凸凹していると正確な発射角度は得られません。あくまでも平らな地面が条件です。

また、スタンスのどこにボールを置くか、体重を左右どちらに乗せてスウィングするかでボールの軌道(高さ)が変わりますから、上の方法はあくまでもクラブのロフトと木の関係を調べるだけです。

 

[open_stance]

私はあるホールでよく大木の後ろにティーショットを打ってしまうのですが(そこは急な左足上がりのライでもある)、練習でその大木を越えてグリーンに乗せるには残り120ヤードだと5番アイアン、残り110ヤードだと6番アイアンであることを突き止めました。普通平地で5番アイアンだと150ヤード打てますから、120ヤードに5番アイアン(3クラブ長い)というのは大袈裟なようですが、これでぴったりなのです。

斜面に平行に立ち、ボール位置はスタンス前方で、体重は終始後方(右側)に留めたままスウィングします。左足上がりの勾配とスタンス前方のボール位置がロフトを増やすので、5番アイアンや6番でもボールは高く上がり、見事に大木を越えてグリーンに着地します。

・オープン・スタンスの間違い

チッピングの際にはオープン・スタンスが常識です。また、スライスをかける場合やバンカーショットなどではオープン・スタンスは必須です。ここでは「オープン・スタンス、ボール位置はスタンス中央」を例にとります。図A(写真の物指しは目安のために置いたものです)は立派な「オープン・スタンスで、ボールはスタンス中央」に見えますが、それは錯覚です。

図Bのように爪先を元に戻すと爪先を結ぶラインはスクウェアであり、全くオープンになっていません。オープンという状態は左足をターゲットラインから下げることです。しかし、うっかりすると爪先だけ開いてオープン・スタンスにしたと錯覚しがちです。また図Bで明らかなように、爪先を元に戻すとボール位置は中央ではなく左足寄りになっています。全てが錯覚に過ぎません。

この場合、爪先ではなく踵を基準にアドレスすべきなのです。先ずボールを真ん中にして両踵を適切に広げ、左踵を若干ターゲットラインから下げ、その後左爪先を開き、膝・腰・肩を爪先を結ぶ線に揃えます。これが正しいオープン・スタンスです。

[pressuret]

・グリップ圧

われわれのグリップ圧は局面によってしばしば変化します。「乗せなきゃ!」と強い意志が働くときついグリップになってプッシュし易い(最悪はシャンク)。そのプッシュを警戒して「いや、リラックスして打とう!」と考えると、今度はゆる過ぎるグリップになってプルし易い。

適度なグリップ圧は右図の左端(クラブシャフトが45°)の、きつ過ぎず緩過ぎずの状態です。しかし、このグリップ圧を維持してスウィングするのは結構難しい。45°のグリップ圧を確認しても、アドレスでボールに近く立てばシャフトは30°に、遠く立てば50°になってしまい、グリップ圧も変わってしまいます。また、適切なグリップ圧をトップまでは維持出来ても、ダウンスウィング開始と同時にきついグリップにしてはぶち壊しです。

《グリップは、指はきつ目に手首は緩く》せよと云われます。Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)は、「スウィングの途中で(特にダウンスウィング開始と同時に)グリップ圧をきつくするのは最悪である。あまりにもきついグリップは正しいリリースを妨げ、飛距離と方向に影響を与える」と述べています。

[weed]

・捻転不足、捻転過剰

「飛距離を伸ばすには最大限捻転せよ」と云われます。私が練習によって発見した結果ですが、これは嘘です(少なくとも、私には当てはまらない)。飛距離が伸びても方向が定まらなければ、ゴルフになりません。飛距離と方向を両立させるにはどうすべきか?

アイアン・ショットの練習のため、コースに生えている低い雑草(写真)をクラブを振って除去し始めました。最大限左肩を廻すと雑草を根こそぎ取れません(ダフってしまう)。私の場合、左肩が顎の下に届く捻転が最適で、それだと見事に雑草を抉(えぐ)りとることが出来ます。顎に届かないような捻転不足でも雑草は取り除けません。顎に届かなくても、顎を過ぎてもミス・ショットになります。つまり大は小を兼ねないのです。

これは人によって違うと思われるので、各自練習によって確かめることをお勧めします。

【参考】
・左爪先を開いて、スライスよさらば(tips_159.html)
・プルの原因と対策(tips_167.html)
・ハイブリッドはフックするように出来ている(tips_177.html)
・頭をボール後方に留めよ(tips_193.html)

【おことわり】グリップ圧の写真はhttps://2.bp.blogspot.com/にリンクして表示させて頂いています。

(October 01, 2022)

ザックリよさようなら

 

[flat]

最近、ピッチとチップをザックリしたりカチ挙げてしまうミスが増えていました。どちらも距離をショートし長いパットを残してしまいます。ミスの直後、必死でどうすればいいか素振りをやり直すのですが、ほんの数回の試みでは身につきません。次のホールでもまたザックリやカチ挙げが出たりしました。私は別にプロのようにヒットダウンするつもりはなく、クラブを草の上で滑らせたいだけなんですが、それがうまくいかないのが不思議でした。

冷静に考えてみると、バックスウィングを急激に引き上げているのが原因であろうと思われました。スウィングは振り子のような往復運動ですから、急激に高く上げれば急角度で打ち下ろすことになります。ザックリを防止するには低いバックスウィングをすべきだったのです。

[square]

で、クラブを低目に引き低目に打ち抜く練習をしてみました。急激にクラブを挙げている理由が判明しました。シャフトを左図の位置まで上げようとする時、私は手首を曲げるだけで、手・腕をバックさせていなかったのです。「この角度にすりゃいいんだろう」と凄い近道をして形だけ作っていたのです。これは手首を曲げるだけですから、急激に上がり急激に打ち下ろすことになって当然です。これに気づいてちゃんとバックスウィングするようになったら、当然カチ挙げはなくなりザックリも出なくなりました。

大きなスウィングをする場合も、必ず左図のポジションを通過しないといけません。そうでないと早めにコックした狭い半径のスウィングをすることになり、飛距離を失い、やはりカチ挙げ、ザックリを生じる危険を伴います。この図をお守りのように思い起こせば万病を予防することが出来ます。

【おことわり】右上の写真はhttps://i.gimg.jp/にリンクして表示させて頂いています。

(October 01, 2022)



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