November 20, 2022
●お知らせ
ここ数年で追加した「索引」(特に「テクニック別索引」)が一部機能していないことに気づきました。対処しましたので、今後はちゃんと当該記事に飛ぶはずです。どうぞ、ご利用ください。
(November 20, 2022)
●Bobby Jones(ボビィ・ジョ-ンズ)のバックスウィングの開始
'Bobby Jones on The Basic Golf Swing' by Robert Tyre (Bobby) Jones, illustrated by Anthony Ravielli (Doubleday, 1969)
「バックスウィングを始める順番は腰の回転が最初で、それにつれて左肩が廻り、左腕も廻る。クラブヘッドは引きずられるように動く。
この最初の段階では手と腕に目に見えるような独立した動きはない。ただ、クラブを後方に動かすために左手のグリップがやや締まる程度である。
体重は左右の足に均等にかかったままである。
バックスウィングが進行するにつれ右脚が伸び、左踵が僅かに浮く。
右肘が身体の右脇に近づく。スウィングの主導権は左手にある。
左腕が地面と平行になる頃、肩は背骨を中心として回転し、腰は¼ほど右に廻り、左膝は右方に向かい、左足が内側に廻って左踵を地面から引き上げる。【原註:左踵を上げることが目的なのではなく、それは身体が巻き上げられるのに付随する結果である】
この時点で、手と腕は明瞭にクラブを引っ張り上げてトップへと向かう。左腕は依然として真っ直ぐ伸ばされている。対照的に右腕は可能な限りリラックス状態にあり、右肘はスウィングのトップで引き上げられるまで浮き上がらず身体の右サイドに位置している。
正しい動きは、左足の内側に体重を移し、(トップで左踵が引っ張り上げられるまで)左足は母指球(親指の付け根の丸い部分)の内側で体重を支えることだ」
バックスウィング開始後の数10センチの動きをテイクアウェイと呼びます。テイクアウェイでは、クラブヘッドをターゲットライン後方に水平移動させることが推奨されています。
私の経験ですが、パー3でアイアンやハイブリッドを打つ際、両手が右爪先~右膝の間を通過するようにテイクアウェイすると(そして左肩をターゲットに向けてフィニッシュすると)真っ直ぐピンに向かって飛ぶことが多い。それが私のスウィングの癖なのか、理論的に説明出来ることなのか、まだ解明出来ていません。
【参考】「Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の 左腕を伸ばせ」(tips_201.html)
(November 20, 2022)
●Ben Hogan(ベン・ホーガン)のバックスウィングに学べ
これはLPGAツァーで26勝を挙げ、後にTV中継解説者となったJudy Rankin(ジュディ・ランキン)のtip。
'100 Classic Golf Tips'【LPGA version】
edited by Christopher Obetz (Universe Publishing, 2008, $24.95)
「Hogan(ホーガン)の手が腰の高さになる頃、クラブはほぼ準備完了している。クラブ・シャフトとHoganの左腕は90°に近い角度を形成しテコの作用の基盤を作り出している。そのテコはダウンスウィングでボールを打ち抜くパワフルな爆発となって振り解かれる。
手首と前腕の強さに欠ける多くのゴルファーは、手首ではなく肘を蝶番のように折ってしまう。これはスウィング弧を著しく崩壊し、かつ狭めてしまう原因となる。折る場所は(肘ではなく)左親指の付け根の部分の手首で、クラブを支えるように折る。
スウィングのトップではあなたの両手はグリップの真下にあるべきで、クラブは重くはなくとても軽く感じられる筈だ。もし軽く感じられたら、あなたはダウンスウィングを開始する良い位置を獲得したことになる」
(November 20, 2022)
●リラックスした心身でテイクアウェイせよ
これは女性インストラクターLynn Mariott(リン・マリオット)とメンタル・コーチPia Nilsson(ピア・ニルソン)のコンビによるtip。
'100 Classic Golf Tips'【LPGA version】
edited by Christopher Obetz (Universe Publishing, 2008, $24.95)
「スウィングをスムーズにスタートするためには、あなたの身体が硬直していてはいけない。ボールに向かう時はゆったりとリラックスしているべきである。
スムーズなテイクアウェイを行うには、ボールの前でクラブを数回素振りする。クラブがいかに楽な一つの動きで流れるように後方に引かれるかに注目。
本番となってボールにアドレスしたら、先ほどの自由で流れるような動きの感覚を維持するように」
(November 20, 2022)
●左肘は曲げてもよい
Golf Magazine's Complete Book of Golf Instruction'
edited by George Peper et al. (Harry N. Abrams Inc., 1997, $45.00)
「『左腕を真っ直ぐ伸ばし続けろ』というのは頻繁に語られる文句だが、それを無視しているトップ・プロとしてNick Price(ニック・プライス)、Bernhard Langer(ベルンハード・ランガー)、Ray Floyd(レイ・フロイド)、Betsy King(ベッツィ・キング)、Chi Chi Rodriguez(チ・チ・ロドリゲス)、Nancy Lopez(ナンスィ・ロペス)、Curtis Strange(カーティス・ストレンジ)、Lee Trevino(リー・トリヴィノ)、Lee Janzen(リー・ジャンセン)などがいる。
【編註】最近の若手ではJordan Spieth(ジョーダン・スピース)も左腕を軽く曲げています(写真)。
ゴルフ・スウィングをする間、左腕を真っ直ぐ伸ばし続けるのは、ほとんど不可能なことだ。仮に真っ直ぐ伸ばし続けられたとしても、それは身体を緊張させてしまい、スウィング速度とパワーを減じてしまう。
『左腕を真っ直ぐ伸ばし続けろ』という文句は、スウィングの半径と最も広いスウィング弧を保てという意味である。あなたが本当にフルに伸ばした左腕が必要なのはインパクトの瞬間だが、それはあなたにはコントロール出来ない瞬間でもある。
あなたの腕がダウンスウィングでリラックスしていてフル・スピードで動くことが可能なら、遠心力が左腕を真っ直ぐにし、インパクトの瞬間に腕とクラブを一直線にしてくれる。
バックスウィングで左腕を折るのはいけないことではない。それどころか、左腕を自然に曲げてテンションを減らし、自由にスウィングし、長い飛距離を楽しめばいいのだ」
【参考】
・「左肘の研究」(tips_35.html)
・「折れた左肘への福音」(tips_100.html)
・「レイト・ヒットでスコアを減らす」(tips_203.html)
(November 20, 2022)
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