March 20, 2022
●利き目の研究
ゴルファーの多くは自分の利き目と利き腕を知っていることでしょう。しかし、その知識をパッティングの時にだけ当てはめていなかったでしょうか?以下はいくつかの記事の要約です。
'This could change your golf game forever: Do you know your dominant eye?'
by John Jamieson ('Golf Digest')
「人間は二つのタイプに別けられる。
タイプA:利き目は右、右利き、利き足も右
タイプB:利き目・利き腕・利き足のどれか二つが左
なお、人々の約70%の利き目は右であり、そのうちの80%が右利きである。人々の約24%が利き目も利き腕も左である」
【参考:どちらが利き目か調べる方法】
・左右どちらかの腕を精一杯伸ばし、両目を開けたままその手の人差し指と親指で作った円内に何か物体を入れる。【図参照】
・左目を閉じ、まだ円内に物体が入っているかどうか確認する。
・両目を開け、今度は右目を閉じ、円内に物体が入っているかどうか確認する。もし、否であって物体が円の右にあれば、右目があなたの利き目である【タイプA】。円内にあれば左目が利き目で【タイプB】。
「簡単に云うと、利き目とそうでない目で見るのでは次のような現象が起る。 a) 利き目で見た対象(例:ボール)には焦点が合わされ続ける。 b) 利き目でない方の目で見た対象(例:ボール)は見えなくなる。
それぞれの役割は次のようである:利き目はボールの位置を定め、利き目でない方の目はボールまでの距離を計算する。
タイプAのゴルファーが過剰な動作でバックスウィングすると、利き目はボールを視界から失ってしまうため、利き目でない方の目がボール位置を探そうと努力しなければならない。タイプAのゴルファーはダウンスウィングでボールの新しい位置に補正しつつスウィングしなければならない。
タイプBのゴルファーは終始利き目でボールを見続けられるので、何ら支障を来さず、安定したダウンスウィングを遂行出来る。Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)もTiger Woods(タイガー・ウッズ)も左目が利き目で右利きである。PGAツァー・プロの90%は左右両方が利き目である。
PGAツァーがロングヒッター全盛の時代となった時、タイプAのプロたちの苦難が始まった。バックスウィングのトップで、彼らの左肩が視野を妨げ(ボールが見えなくなる)、John Daly(ジョン・デイリィ)のように打とうとすると悲惨な結果につながったからだ。
幸い、タイプAのプロたちもコーチの助けを借りて充分な成功を収めた。その筆頭はDavid Duval(デイヴィッド・デュヴァル)とAnnika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム、写真)である。彼らはタイプAのプロだ。【註:二人とも打ちながらボールを見送るスウィングが特徴】 Jim Furyk(ジム・フューリク)も妙なスウィングをするが、彼もタイプAである。みなショート・ヒッターではないか?と云うと然に非ず。Jon Rahm(ジョン・ラーム)もタイプAだがロング・ヒッターである」
'How your “dominant eye” affects your golf swing, and the proper adjustments'
by Tom Stickney II ('golfwrx.com')
「タイプAのゴルファーは背骨を真ん中に、頭もボールの(右側面ではなく)真上を見下ろすアドレスをする必要がある」
'Jim Suttie: Check your eye dominance for a more consistent swing'
by Dr. Jim Suttie ('archive.naplesnews.com')
「タイプAのプロたちは、短いバックスウィング、不動の頭、体重を左足に移しながらの素早いダウンスウィングをする。Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)、Paul Azinger(ポウル・エイジンガー)、Jason Dufner(ジェイソン・ダフナー)などがタイプAで、彼らはインパクト・ゾーンで急速に腰を回転させる」
アマチュア・ゴルファーの多くがスライサーだというのに、自分がフッカーだったせいでフェードを打つためのグリップを推奨した本を書いたのはBen Hogan(ベン・ホーガン)でした。おかげで彼の言を信じた人々はスライスを量産しました。
Jack Nicklausも、地球上の人間の70%の利き目は右であるということを知らずに、自分の利き目が左だったせいで頭を右に傾げ左目でボールを見るアドレスを自著で詳説しました。これを模倣した世界中のタイプAのゴルファーがミスを犯しました。
どちらも「推奨したわけではない。自分はこうやっているということを書いただけだ」と主張するでしょうが、彼らが超一流だったために皆が真似をしてしまったのです。罪作りな所業でした。
タイプAのゴルファーである私もJack Nicklausのスタイルを真似した時期がありましたが、利き目でない方の目でボールを見ると、ボールの姿がぼやけてしまいます(眼鏡の縁に邪魔されてしまう)。で、彼のスタイルは自分には合っていないことを悟り、真似するのは止めました。しかし、顔は右に傾げないもののやはりJack Nicklaus風にボールの右側を右方から見るアドレスをしていました。上の記事のような「タイプAの人間はボールを真上から見よ」という教えは初耳でした。ボールを真上から見るというのは、云い替えれば「胸骨の前にボールを置く」ことと同じです。
私の場合、ドライヴァーはボールではなくヘッドの前の仮想ボール(図の青丸)を見つめるのですが、気がつけば実はこの青丸も胸骨の前にあたります。こう考えると、タイプAの人間のボール位置はどのクラブでも胸骨の前とすべきではないかと考えられます。
ラウンドで試してみました。《胸骨の前》は正しい。ハイブリッドでミスしたことはありましたが(ハイブリッドはプルし易いように設計されている)、その他のクラブでは正解でした。
【おことわり】 Annika Sorenstamの画像はhttp://myhome4golf.com/にリンクして表示させて頂いています。
(March 20, 2022)
●Callawayのスーパー・ボール
私はここ数年Bridgestone(ブリジストン)のRXSを愛用していました。ウェッジのグルーヴ(溝)で噛みやすくしてスピンをかけるためでしょうが、表皮が柔らかで傷つき易いのが難であるものの、好ましい軌道で飛んでくれるので他のボールに浮気出来ませんでした。
ここのところ様々な出費が続き、新しいボールを購入するのをためらう気持から、以前拾って手元にあったロスト・ボールを使うことにしました。色々なメーカーのボールを使いましたが、その中で驚いたのはCallaway(キャラウェイ)のSupersoftでした。ある日のNo.1(パー4)、「Supersoftって多分女性用だろうな…」とあまり期待せずに打ったドライヴァー・ショットは、なんと日頃より50ヤード以上も遠くへ飛んだのです。そして、続く140ヤードのショットも真っ直ぐ飛んでオン。感動してしまいました。私の遅めのスウィング・スピードとの相性が良かったのか、最近実践している左踵を上げ下げするスウィングのせいか。
そのSupersoftは真っ赤な色で、"matte finish"と称する艶消しの(つるつるではない)仕上げがしてありました。そのボールは次のホールでシャンクした際に失くしてしまい、いくら探しても見つかりませんでした。帰宅して手持ちのロスト・ボールを点検すると、Callawayの赤い艶消しボールは他に三個もありましたが、どれもSuperhotでした。緑色のも一個ありましたが、これもSuperhot。
50ヤードも余計に飛んだ興奮が忘れられず、ついにSupersoftの1ダース(一個$2.08、税別)をオンラインで購入することにしました。いい思い出のある真っ赤な艶消しを注文しようとして、ふと手を止めました。私が見つけたSupersoftはほとんど赤いボールで、私が失くしたのも赤いボールでした。赤い色は一見派手ではあるが、見つけにくいんじゃなかろうか?で、緑色のを買うことに決定。これは黄色に近い緑なので発見し易いと思いました。
で、届いたSupersoftはどうだったか?飛びません。期待していたのに、ちっとも飛ばないのです。あの50ヤード増のショットは何だったのか?地面の何か固い部分に当たってポーン!と50ヤード跳ねたのでしょうか?がっかりしました。
同じCallawayでもSuperhotはどうか?手元にあったSuperhotを使ってみました。Supersoftとの凄い差はありませんでしたが、心無しかいつもより5ヤードは多く飛ぶように思われました。スピンの率もさほど変わらないようです。調べると、Supersoftは2ピース、Superhotは3ピース構造になっているとか。3ピースは「ディスタンス系とスピン系の特徴を併せ持ち、高い反発力とスピン力が特徴のバランス型ボール」だそうで、これらが同一価格というのは信じられません。また、SupersoftもSuperhotも艶消し仕上げのせいか傷が目立ちません。
スーパーWalmartへ行ったらSuperhotの15個入りが$29.97(一個$2.00、税別)で売られていました。オークション・サイトeBayの$28.99(一個$1.93)よりごく僅か高く、Amazonの$38.00(一個$2.53)よりは格安。Bridgestone Tour B RXS(12個)はAmazonで$42.95(一個$3.60)もしますから、 Callawayの方がずっとお買い得です。迷わず買ってしまいました。色はSuppersoftと区別するため黄色を選びました。
ある日、Superhotだけでラウンドしてみました。またもやNo.1で日頃より50ヤード遠くへ飛びました。Supersoftの記録とほぼ同じ飛距離。このボールでアウトは3(スリー)バーディ。後半のバーディも期待したのですが、後半はゼロでした。しかし、私のCallawayボールへの信頼感は深まりました。Bridgestoneより安くて傷つきにくく、しかも飛ぶだけでなくショート・ゲームにも向いています。云うこと無しです。その数日後、今度はワン・ラウンドで3(スリー)バーディ。ますます気に入りました。
安全に飛ばせるホールではSuperhot、左右が要注意のホールやパー3(スリー)ではSupersoftを使うことにしました。
(March 20, 2022)
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