January 01, 2022

Magic Move(魔法の動作)でスコアを減らす

 

伝説的インストラクターHarvey Penick(ハーヴィ・ピーニック、1904〜1995)は屈指のチャンピオンたちを育てました。彼の教え子にはBen Crenshaw(ベン・クレンショー、1984と1995のマスターズ優勝)、Tom Kite(トム・カイト、1992年USオープン優勝)、Mickey Wright(ミッキィ・ライト、四度のUS女子オープン優勝)、Betsy Rawles(ベッツィ・ロウルズ、四度のUS女子オープン優勝)などがいます。

[Magic move]

'Harvey Penick's Little Red Book'
by Harvey Penick and Bud Shrake (Fireside, 1992, $10.00)

「もしゴルフ・スウィングに"Magic Move"(魔法の動作)というものがあるとすれば、それは私にとっては練習場やこの本で繰り返し強調している、ある一つの動きである。

あなたはこれまで私が何度も云うのを聞いたことがあると思うが、私はもう一度云う、《ダウンスウィングの開始は、体重を左足に移し、同時に右肘を身体に引き下ろすことだ》 これを一挙動で行う(二つの動きではない)

この動作を何度も何度も練習しなさい。この練習にクラブは要らない。その感じとリズムが身につくまで練習し、その練習を継続する。目をボールがあるべき位置に据え、頭はその後方に留めるように注意すること。

プレイヤー個々にとって"Magic Move"(魔法の動作)が何かは異なるものだろうが、あなたがこの《左足=右肘》の連携する動きを学べば、ボールを魔法をかけたように打つことが可能になる」

文字だけだと漠然としていますが、右図のように左膝と右肘がロープで結ばれているとイメージすれば簡単明瞭です。切り返しで先ず左膝がターゲット方向に動けば、その動きに引っ張られて右肘が身体の右側面に近づきます。これがHarvey Penickの云わんとするところです。

この左足=右肘の連携動作を確実に身につけるには、いくつかの方法があります。

1) スローモーション・ドリル

これはHarvey Penick推薦の方法です。ボール 無しで、通常の四倍速くらいの非常にゆっくりしたスウィングをする。切り返しで左足=右肘を同時に動かすことに焦点を当てる。ダウンスウィングの最初の1/3(左腕が胸の当り)で、動きを止め、元のトップに戻る。再度左足=右肘を同時に動かしてダウンスウィングの1/3まで。このトップ〜胸の間の動作を四回繰り返した後、スローモーションのままでフィニッシュまで行く。

このゆっくりしたスウィングを青写真として脳と筋肉に記憶させる。

2) 左踵の上げ下げ

スコットランド発祥のクラシックなゴルフ・スウィングでは、バックスウィングで左踵を上げました。Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)もJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)も、Ben Crenshaw、Tom Kiteなどもバックスウィングで左踵を上げます。ですから、彼らにとっては切り返しで左踵を地面に下ろし同時に右肘を身体に引きつける動作は簡単とてもだったでしょう。

Harvey Penickは意図的に左踵を上げることには賛成しませんが、バックスウィングで自然に上がるのならそれに逆らうなと云っています。浮いた左踵を地面に下ろすのを切っ掛けに、右肘を動かすのは難しくありません。私がこの方法を用いる時は、左踵を上げながら「Up(アップ)」と云い、トップに達したら「Down(ダウン)」と云いつつ左踵を下ろします。無理なく左踵を上げ下げ出来るゴルファーには、これが最適です。

[left knee]

3) 左膝の逆転を切っ掛けとする

Harvey Penickは「一挙動で行う(二つの動作ではない)」と云っているのですが、うまく一挙動で出来ない場合、ダウンスウィングの開始を左膝の逆転で行うだけでも効果があります。要するにこの"Magic Move"(魔法の動作)は手打ちを防ぎ、大きな身体の筋肉の逆転でボールを打とうとするのが目的なので、下半身でダウンスウィングを始めるだけでも御利益があるのです。

私がこの左膝の逆転を始めた頃、真っ直ぐピンに向かうボールを見て驚嘆したものでした。自分のショットとは思えない鋭い弾道!。下半身主導で腕・手が受け身で動くことによって(手打ちの反対)、インパクトでクラブフェースが正確にスクウェアになるせいだと思われます。

4) 両足をくっつけて素振りする

これは私が考案したスウィング前の予習法ですが、"Magic Move"の練習法としても使えます。

通常のスタンスではなく、両足をくっつけての素振りで"Magic Move"を達成すべく努力します。両足がくっついていると、ダウンスウィングのスタートは左膝を左に動かすしかありません。否応なく左膝が牽引車になります。この素振りを数回繰り返してから本番に移ると、ピュアなショットが生まれます。

【参考】
・「置き去り」小史(tips_201.html)
・「置き去り」練習法( 〃 )
・「置き去り」速習法( 〃 )

(January 01, 2022)

やさしいヒット・ダウン

 

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「裸地からの脱出」(12/20)というtipに「ボールの前半分(ターゲット方向)に目を据えてスウィングする。こうすればボール後方の地面を打つことを防げる」という箇所がありました。

裸地ではなくフェアウェイで試してみました。これ、なかなかいいです。効果があります。

本当はボール前方(ターゲット方向)10センチのところを凝視して打つとプロ並みのヒットダウンが達成出来るのですが、このボールの前半分を見つめながら…というのも充分役に立ちます。

もしローカル・ルールや日頃一緒にプレイする仲間うちのルールが「ボールに触ってもよい」と寛容なのであれば、ターゲット側にボールのロゴを向け、それを凝視しながら打つと楽チンです。


(January 01, 2022)



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