August 15, 2022
●パット練習でスコアを減らす
パッティングに王道はありません。当サイトにパッティングtipはごまんとありますが、ポスチャーからストローク、メンタル面まで方法は実にさまざまです。へんてこりんなポスチャーでも妙ちきりんなストロークでも、ボールがカップに入りさえすればいいので、パッティング・ストロークに関しスタンダードは存在しません。
しかし、私には自分で開発したストローク練習法があり、これだけは誰にでも紹介出来る自慢のものです。
パターヘッドに長めの直線の物体を貼り付けます。私は鉛筆を貼り付けましたが、割り箸でも竹串でも何でも構いません。その後で、床あるいは地面に置いたクラブ・シャフトの上でパターを動かします。バックストロークはストレートに引かれようがややインサイドに引かれようが問題ではありません。フォロースルーがシャフトの真上に留まること、それが重要です。
なぜ鉛筆などを用いるかというと、それがフェースがスクウェアであるかどうかを如実に示してくれるからです。パターヘッドに描かれた直線だけでは短か過ぎて、われわれの目に多少のズレは感じ取れません。しかし、ヘッドに長めの直線の物体を取り付けると、それが直下のクラブシャフト(=ターゲットライン)にスクウェアに重なっているかどうかが瞬時に明瞭に判定出来ます。【註】クラブシャフトを選んだ理由は、これだとラウンド前の練習でも、あるいは(鉛筆無しであれば)ラウンド中の練習でも誰憚ることなく、しかも簡便に実行出来るからです。
この練習に慣れたら、アドレス後目をつぶってストロークし、フィニッシュした段階で目を開け、鉛筆が下のクラブシャフトと完全に重なっているかどうか確認します。これは下にクラブシャフトが無い本番でのパットのシミュレーションで、真の実力が試されます。僅かでもずれていたら左手首か左肘が勝手な動きをした可能性があります。あるいは肩のアライメントが狂っているか。身体のどこに原因があるのか徹底的に調べ、上図のような完璧なフィニッシュになるよう努力します。
右脚が左より僅かに長い私の場合、普通にスクウェアにアドレスすると自然に膝も肩もオープンになってしまいます。それを相殺するため、私は左膝を内側に押し込みます(あるいは肩がスクウェアになるまで右足を後方に下げても同じ効果が得られます)。この調整を行うようになって、私のパットは格段に正確度を増しました。このような体型の方には御一考を強くお勧めします。
上の練習によってスクウェアなストロークのフィニッシュが得られるポスチャー、ストローク法を探します。得るべき正しい結果を目標にして、逆に他の全ての要素を構築します。俳句を作る時、最終的に五七五に納めることを目的とするのと同じことです。
私は他のゴルフショット同様、パターヘッドのスウィートスポットでボールの真ん中を打つことが重要と考えます。そのためには手・腕が伸びたり縮んだりせず、必ずスウィートスポットで打てるポスチャーが必要です。体重が前後左右に動かないことも重要です。そして、人間の身体で最も自由に動く手首の動きを制限しなければなりません。手首の動きはホンの数ミリの差も大事なパットを台無しにします。
どんな方法を用いてもルックアップ(ヘッドアップ)すればボールはカップから逸れてしまいます。それは早く結果を見たいという欲望、どう転がるか自信がないという不安、その他色んなものが綯い交ぜになっているメンタルな問題です。ルックアップを防止するには、以下のような方法があります。
1)「メンタル・タフネスを身につけてスコアを減らす](tips_202.html)で書いたように、中国14億の人民に思いを馳せる。あなたのパットが彼らにとって何の意味もないことだということに気づけば、「入れたい」「バーディを得たい」というような欲念・雑念が消え去って、ルックアップなど無しでピュアなストロークが出来ます。
2) パターが左爪先を通過するまで、ボールを見送らない。
3) ボールを凝視し、打った後ボールの残像を見る(右図)。
4) ボールがカップに転げ込む音がするまで待つ。
臍下丹田(右下の写真の◎印)に力を篭めると肩の強ばりがとけ、両手・両腕が軽く感じられるようになります。これはパットだけでなくフルスウィングにも有効で、スウィングスピードが上がります。
私はスコアカードに各ホールのパット数を記録しています。18ホールのパット総数を30以下にするのが目標です。南ア出身のプロBobby Locke(ボビィ・ロック、1917~1987)は、全英オープンに四回優勝し、米PGAツァーでは「あまりにも上手過ぎるのでツァー参加資格を剥奪された」という伝説があるほどの人ですが、彼は「32パットのラウンドはまあまあの出来、30パットだったら上出来、28パットが本当の目標だった」と語っています。プロにとって「30パットが上出来」だったら、われわれ素人の28は最高の出来と云えるでしょう。
3パットが多いとしたら、多分アプローチ・パット(入れようとするのでなく寄せようとするパット)に問題があります。Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)でもないのに、長いパットを欲張って入れようとするから数メートルもオーヴァーしたりショートしたりするのです。「しかし、おれだって長いパットをねじ込んだことがあるぜ」とおっしゃるかも知れませんが、それは奇跡だったのです^^、実力ではなく。中部銀次郎は「1メートルのパットならどんなラインからでも入れられるという自信がつくまで練習し、アプローチ・パットはカップから半径1メートルの円内に寄せる」と云っていました。理想的には上りのラインが残るように寄せたいものです。 (August 15, 2022)
コースでのプレイを2秒でスウィングすることを目指しています。早く振ることに囚われると手首が固くなるせいか、プルします。楽なグリップでナチュラルに振るべきだと考えています。ようやく、0ne-twoのリズムにも慣れ、2秒でスウィングすることが普通になって来ました。飛距離が伸びるわけではありませんが、真っ直ぐ狙った方向に飛ぶ確率が増えました。以下、気がついたことをメモしておきます。
・'Swing Like a Pro'で《オープン・スタンス、オープン・ショルダーのアドレス》が推奨されていますが、過度にこれを実行するとプルが出ます。ほどほどがいいようです。
私の場合、胸骨の真ん前でクラブヘッドをターゲットに向けてセットし、そのヘッドを動かさずにスタンスと肩をオープンにします。この順序を一挙にやってしまおうとすると、ヘッドがターゲットから逸れてしまう恐れがあります。
・'Swing Like a Pro'の《ダウンの開始で右肘を引き下ろせ》も過度に行うとプッシュやスライスが出ます。これもあまり力まず自然な動作になるよう心掛けるべきです。
・あくまでも私の場合ですが、バックスウィングはボール位置まで左肩を廻すことが必須です。ボールの手前までだとボールは右に出ます。私の場合、ドライヴァーのアドレスは、ボール後方約29cmのところでドライヴァー・ヘッドを構えるのですが、左肩をそのボール後方約29cmまで廻さないといけません。不足だとプッシュします。29cm以上廻したことはまだありませんが、その場合多分プルすると思います。
・まだ全てのスウィングでフル・フィニッシュが出来ません。「山手線の東京駅がトップとすれば、有楽町駅(インパクト)で停まるのではなく、新橋駅あるいは浜松町駅まで振るフィニッシュでなければいけない」と書いたのですが、これを実行するのはなかなかむずかしいです。
(August 15, 2022)
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