August 01, 2022
●不調の際は即効薬でスコアを減らす
・とにかく左腕を伸ばす
自信がない時はともすれば左腕をピンと伸ばさず、左肘がやや折れたアドレスをしがち。これがインパクトで伸ばされると、ボールはヒールの部分で打たれるためどこへ飛ぶか分らないことになります。左腕を伸ばしてアドレスし、遠心力で左腕を伸ばしたダウンスウィングをすれば、クラブのど真ん中で打たれたボールは快音を発して離陸し、満足出来る場所へ着陸します。
・身体の軸を左右に動かさない
目一杯の距離を望んだりすると、バックスウィングで後方にスウェイしやすい。これはインパクトで身体の軸がアドレスした地点に戻るのを難しくするため、ボールとの良いコンタクトが得られなくなります。また、力一杯打とうとすると、身体がインパクト前からターゲット方向にスライドしてしまい、フェースがオープンのまま打ってしまってスライスさせるか、時期尚早にクローズにしたインパクトを迎えて盛大なプルを招いたりします。ゴルフ・スウィングは捻転と逆転であって、左右どっち側であれ横移動は避けなければいけません。右図のように身体の右に突っかい棒があると想定すれば、バックスウィングのスウェイを防げます。ダウンスウィングでの左へのスライドを防ぐには、右膝の上で逆転する…と考えるとうまく行きます。
・アイアン・ショットはヒット・ダウンする
ヒット・ダウンすることがクラブのロフトを正しく使うことを意味し、クラブに期待される軌道と距離をもたらしてくれる条件です。しかし、それは物理学の範疇であって、われわれの本能はつい図のCの部分を見ながらボールを打ち上げようとしがちで、これはトップしたりゴロを招く要因になります。プロのようにボールを押し潰しながらボールの前方(進行方向)約10センチの地面(図のAのもっと先)を抉(えぐ)るのが理想です。心理的にA地点を打つのが難しいという場合は、少なくともボール前部の上端(図のB)を凝視し、そこを打つようにすればA地点を打つのに近い効果が得られます。ウェッジ・ショットの場合は、私は地面との接点(図のD)にリーディング・エッジを打ち込もうとします。ヘッドが地面でつっかえると【=ザックリ】ショートしますので、振り抜く勢いが不可欠です。
・チッピングではメリハリのあるショットをする
短い距離だと、ついゆっくりとボールを撫でるようなスウィングをしたりするものですが、これでは望んだ軌道で飛ばず、期待した距離も得られません。バンカー越えのショットであれば、メリハリのないスウィングはショートしてバンカーに入っちゃいます。メリハリをつけようとすればボールに推進力を与えます。ポコンと打つのではなく、バシッと打つという感じ。たとえ距離が10ヤード、15ヤードであってもメリハリが必要です。そして、ボール底部と地面の接触点(上図のD)を凝視し、そこにウェッジのリーディングエッジを打ち込めば、適切な軌道、適切な距離が得られます。
・シャンク防止に手首を緩める
シャンクの原因は色々ありますが、その一つはガチガチに固めた手首です。「メリハリのあるショットをする」のと強ばった手首でスウィングするのは大違いです。緩めた手首でもリーディングエッジをボール底部と地面の接触点にシャープに打ち込むことは可能です。しかし、強ばった手首でインパクトを迎えると往々にしてシャンクします。手首が自由に返らないせいです。
・ボールを凝視する
ボールを「見る」では不足です。ボールを見ていても上の空であっては「心ここにあらず」だったりして、本気で見ていることになりません。穴のあくほど「凝視する」必要があります。さらにボール全体をぼやっと見るのではなく、ボールのディンプルやロゴに意識を集中するのがベストです【パッティングではボールの天辺ではなく、図のBあたりのディンプルを凝視するとボールに推進力を与えることが出来ます】。
・視覚化でリハーサルしておく
自宅から駅(あるいはバス停)へ向かう道筋を思い浮かべる際、自然に通りや曲がり角、近くの建物や交差点などが目に浮かぶ筈です。それと同じように、ボールが飛ぶ道筋を目に浮かべれば、結果がその通りになる可能性が高くなります。ぼんやりと「真っ直ぐ打とう」と考えるのでなく、克明にボールの弾道を心眼で“見る”ことはショットの設計図を作成することであり、潜在意識に命令を与え設計図の意図通りに身体の筋肉を動かすことを指示することになります。この手順をうまく使うことが、ゴルフ上達の鍵の一つです。
(August 01, 2022)
●ダウンヒル・チップ
左足下がりのライはボールを上げるのが難しい。以下はインストラクターTom Stickney(トム・スティックニィ)によるtip。筆者はピッチと云っているのですが、トップが小さいので「チップ」という方が相応しいと思います。
'How to pitch clean from a downslope' by Tom Stickney
from 'The Best Instruction Book Ever!--Expanded Edition'
edited by David DeNunzio (Time Home Entertainment Inc., 2012, $29.95)
「この状況を克服する鍵はセットアップを変えることにある。
1) 通常のセットアップではなく、先ず両足をほぼくっつけて揃え、爪先をターゲット・ラインから45°左に傾ける。
2) ボールは右踵(誤植ではない。右踵である)の前方に位置させる。
3) ゴルファーの鼻はややボールの先(ターゲット側)で、両手はクラブヘッドよりかなり前で構える【ハンド・ファースト】。
上の体勢をとった後なすべきことは手首をコックし、地面と平行になるまでクラブを持ち上げ(その位置がトップ)、最初から最後までハンドル(グリップ部分)がクラブヘッドを先導するように打ち下ろすことだ。クラブヘッドが両手を追い越してしまうと、ダフりを招くので厳禁である」
(August 01, 2022)
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