September 06, 2021

Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の 短いショットこそ長くスウィングせよ

 

'Secret of the Master'
edited by Sidney L. Matthew (Sleeping Bear Press, 1996, $22.00)

[Bobby]

「私のホームコース(East Lake Golf Club)のNo.13の寄せは、バンカー越えである上に、グリーンが早い。友人たちと廻っていたその日は追い風だったので、なおのこと難しかった。私はニブリック【編註:現在の9番アイアン】で、長めのバックスウィングをし、正しくボールを打った。上出来だった。バックスピンが思ったよりもボールを急停止させ、ピンから15ヤード(4.6メートル)についた。

一緒に廻っていた一人は私よりも5ヤードほどグリーンに近かった。私が打ち終えるとすぐ、彼は『こんな近くから打つのに、あれほど長いバックスウィングを見たのは初めてだ』と云った。私は『慌てふためくようなヒッティングを避けるためと、スムーズさとリズム感覚を増進するため、ここのところ何年もバックスウィングを長くすることを特に重視してるんだ』と答えた。『分った。見ててくれ』と彼は云って、楽な感じで急がずに打ち、ピンまで1.2メートルにつけ、彼はそのパットを成功させた。

次のホールへ向かいながら、彼は云った、『ああいうショットを、私はもっと短い幅でスウィングし、いつもチョロしたりトップしたりしてた。長いバックスウィングをしたら、打つまでに時間はたっぷりあるという気がするので急ぐ必要がなかった。クラブヘッドが仕事をしていると感じて、クラブヘッドに任せたんだ』

ここには、ドライヴァーから短いパットまでを含めた全てのショットに関連する、最も重要な教訓がある。それはまた、それを考えようともしないゴルファーをぎょっとさせるものでもある。ダッファーが連続でギクシャク、びくびくしたアプローチ・ショットをするのを見る時、空手チョップのようなスウィングでなかったら、どれほど彼はハッピーであろうか。彼が短いバックスウィングをする時、本能的にそれが充分でないと感じ、トップに達する前にクラブを引っ張り下ろしてしまう。その慌てふためいた動作は、身体のバランスを崩し、スウィングのリズムをも壊してしまう。

ほぼ全ての一般ゴルファーがオーヴァー・スウィングを恐れる。彼らはコンパクト・スウィングという美辞麗句に影響されている。程度の差はあれ、あまりにも短いバックスウィングは一般的過ちである。バックスウィングに数センチ加えることによるスウィング幅の余裕と時間は、引き攣ったような動きを排除し、全体のプロセスをスムーズにする」

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「バックスウィングに数センチを加える」という考え方は、パッティングにも使えます。方向はいいが必ず10センチほどショートする…というような事態が続いたら、バックストロークを数センチ長くするのです。ショートするのは、その日のメンタルな距離感が正しくないか、「オーヴァーすると大変」という恐怖感が筋肉にブレーキをかけているのでしょう。バックストロークの余分な数センチがそれを解決してくれます。何しろ、《届かなければ入らない》のは科学的事実なのですから。

(September 06, 2021)

私の狙い方

 

[aiming]

ドライヴァーでもアイアンでも、ボール後方に立ち、果たし合いをする剣士のように伸ばした両手で持ったクラブを目の前に立てます。クラブシャフトがボールとターゲット(ピンあるいは中間目標)と一線になるように揃えます。これは格好をつけているわけではなく、二つの実際的効能があります。

1) 正しくグリップしたつもりでも、目の前のクラブフェースを見上げると、クローズになっていたり(写真の円内)オープンになっていたりすることがあります。そういう場合、グリップを緩めてリーディング・エッジが垂直になるよう微調整してから、グリップを締め直します。

2) フェースがスクウェアであると確認出来たら(クラブはターゲットに向けたままで)少し手を下げ、クラブシャフトの直下でボール前方の地面に何か目印を探します。長い草でも小砂利でも誰かが作ったディヴォット跡でも何でもOK。

その目印から目を離さずにボールに歩み寄り、ボールと目印との間に線(ターゲット・ライン)を視覚化し、その線に平行にスタンスを定めます。

以上が、スクウェアにアドレスする私の段取りです。


(September 06, 2021)

グリーン周辺を研究して戦略を立て直す

 

[No.12]

ある日の練習ラウンドのNo.12(102ヤード)パー3【上りのバンカー越え】。7番アイアンによる「置き去り」を念頭に置いたショットは狙い通りピンの右10ヤード見当に飛び、グリーン左側のピン方向に跳ねました。上りなので、ティーからはグリーン表面は見えません。失敗したとしたら飛び過ぎだけです。

カートで近寄って行くと、ボールはカップの右斜め横50センチについていました。完璧。バーディ。

実はそれは、私の最近のこのホールの研究の成果でもありました。このグリーンに立って調べてみると、グリーンの真ん中を狙ったボールはほとんど左に転がり出る傾向があることが判りました。ですからグリーンの右端を狙わなくてはならないのですが、目標がつけにくい。ふとグリーンの背後の林を振り返って見ると、いい具合に木々の間に大きな凹み(空間)があり、そこを狙って打てばいいのだと気づきました。で、以後ティー・グラウンドに立ったらピンの位置など無視し、木々の間の凹みを狙って打つことにしたのです。これが役立ったのでした。その後もこの作戦は成功しています。

味をしめて他のホールでも同じような戦略が立てられないか調べてみました。


[No. 1]

No.1(320ヤード)パー4は結構な上りで、フェアウェイもグリーンも共に右から左へと急傾斜しており、ピン目掛けてボールを打つと遥か左の崖下へ転落してしまいます。かなり右を狙わなくてはなりません。しかもバンカー越えと来ているのでパーで上がれれば御の字です。ここではフェードあるいは軽めのスライスを打つのが正解なのですが、私の場合うまくいく確率が低く、すっぽ抜けて左の崖下へ行ってしまうことが多いので、バンカーの手前に刻んでパーかボギーにするのが常でした。

このグリーンに立ってフェアウェイを振り返って見ると、グリーンの右を大きな松の木が遮っているので、このホールは実質的に右ドッグレッグとしてプレイすべきであることが判りました。ですから、フェアウェイ左からグリーンを攻めるのが望ましい(ただし、左からはかなりの上りになるのでワンクラブ距離が長くなる)。

試みにフェアウェイ左端の第二打地点(図のA、グリーン中央まで150ヤードの距離)から18°ハイブリッドで図の①を狙ってボールを打ってみると、一発がオン(バーディ・チャンス)、一発がバンカー、一発がプッシュしてグリーンの右(図の②、ここは寄せ易くパー・チャンス)という結果でした。

続いてフェアウィ真ん中のピンまで150ヤード地点(図のB)から21°ハイブリッドで打ってみると、プッシュした二発がグリーン右横(図の②、寄せ易いのでパー・チャンス)に行き、残り一発はグリーンにオン(バーディ・チャンス)。

フェアウェイ右(図のC、ピンまで150ヤード)からだと松の木が邪魔をして図の①を直接狙うのは難しいのですが、グリーン右横(図の②)を狙うにはうってつけです。24°ハイブリッドで打った二発がグリーン右横へ行き(パー・チャンス)、プルした一発は幸運にもオンしました(まぐれ)。

以上のショットの中の成功例は、いずれも「置き去り」によるスウィングの正確さに負うところ大です。

ある日のラウンド、ティー・ショットはフェアウェイ右側の残り140ヤード地点に届きました。練習の結果は、5番アイアンを2.5センチ持って打て…となっており、①を狙ってわれながらいいショットを打ったのですが、右の木の枝に当たってポトンと落ちてしまいました。5番アイアンのロフトを減らして打つか、②を狙うしかないようです。

(September 06, 2021)



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