November 15, 2021
●身体条件に合わせてスウィング
以下は私の身体の構造に特化した体験談ですが、似たような原因なのに気づかないまま伸び悩んでいる方もおられるでしょうから、多少は参考になるかと思います。
若い頃デパートでズボンを買うと、裾上げして貰うのが常でした。店員は普通ズボンの片方の裾の寸法しか計りません。その店員が左脚だけ計って裾上げすると、私のズボンの右裾が異様にに擦り切れてしまうことに気づきました。それ以後、両方別々に計って裾上げするよう頼むことにしました。
その時点で私は自分の体型が左右均等でないことに気づくべきだったのですが、人間の身体は左右対称の筈だと思い込んでいたため、私は自分の姿勢や歩く癖が原因だろうとしか考えませんでした。
私のドライヴァーによるショットは、なぜか狙ったところより10ヤード程度右へ出る傾向がありました。仕方なく、私はその差を相殺すべく10ヤードほど左を狙って、フェアウェイ中央に打つという対症療法をとっていました。
50歳を越える頃このサイトを始め、いろいろなゴルフ本を読んで、脚の長さが違うゴルファーが注意すべきことを書いた記事にいくつも出会いました。ジャック・ニクラスやパット名人のデイヴ・ストックトン、カナダのプロ、ジョージ・ヌードスンなどが左右の脚の長さの違う代表です。
そして同じ町に住みクリーニング店の裁縫師として働いている日本婦人から、「寸法直しの注文の大半はズボンやスラックスの裾上げだけど、左右の脚が同じ長さの人っていないみたい」という話を聞きました。
「体型別スウィング【微調整ポイントの相性を知れ】」(tips_165.html )に、こうあります。 「もし、あなたの脚の一方が他方より長ければ、腰の一方が他より高くなる。ゴルフ・スウィングにはバランスが不可欠だから、どんなスウィングをするにしてもアドレスで双方の腰を水平にする必要がある。あなたの右脚が左より長いのであれば、左右の腰が水平になるまでスタンスをクローズにすることを基本にすると、あなたの基準の体型にマッチさせられる。逆に、左脚が長い場合は、両方の腰が水平になるまでスタンスをオープンにする」
この記事は2015年の10月に紹介したものです。それ以後六年間、私はこのtipをドライヴァー・ショットに応用すべきことに気づかず、「なぜか狙ったところより10ヤード程度右へ出る」などと能天気だったのです。お粗末極まりない話(^^;;。
さらに私は「脚の長さの違いは、両手の向きに影響する」(http://www2.netdoor.com/~takano/golf/tips_169.html#difference)という記事によって、私の手も右が長く左が短いことに気づきました。よく考えれば私の目も右が大きく左がやや小さい。私の右サイドは上から下まで左より大きかったり長かったりするのです。
私は自分の体型が生み出すミスを防ぐべく、パッティング・ポスチャーを再点検しました。等身大の鏡を横に置いてパッティングのアドレスをすると、自然に肩がオープンになってしまうではありませんか。それをスクウェアに直すには左膝を内側に押し込むしかないことを発見しました。この動作一つで肩の線がターゲットにスクウェアになるのです。スタンスをクローズにするのは度合いが難しいですが、左膝を内側に押し込むのは簡単明瞭です。
私のドジさ加減は、2016年に発見した上の調整法をパッティングのみに限定していたことでした。ドライヴァーを打つのもアイアンを打つのも同じ体型のゴルファー(私)なのですから、全てのショットの前に左膝を内側に押し込むべきだったのです。ようやく、チッピングにもこの調整法を適用すべきだと悟ったのは今年(2021年)の8月でした。
そして、2021年も11月に入って、ようやく私は《全てのショット(ストローク)で左右の脚の長さの違いを相殺するアドレスをすべきだ》という結論に達しました。
ドライヴァーからパターまで、どのクラブを用いる時にも左膝を内側に押し込み始めてから、私の狙い方は非常にシンプルになり、ボールも狙ったところへ真っ直ぐ飛ぶようになりました。いやあ、気がつくのが遅かったですが、気がつかないよりはマシだと思うしかありません。前途は明るいです\(^o^)/。
【参考】
・パッティング・ポスチャー再発見 tips_120.html#posture
・右脚が左より長いゴルファーへの警告 tips_169.html#warning
・脚の長さの違いは、両手の向きに影響する tips_169.html#difference
トップの画像はhttp://www.golfsw.com/にリンクして表示させて頂いています。
(November 15, 2021)
●『ラスト・サムライ』の教訓
現在、私は7センチのティーを用いてティーアップし、その遥か後方でドライヴァーをアドレス、上昇軌道でボールを打って距離を稼いでいます。
'The Last Samurai'(2003)『ラスト サムライ』でTom Cruise(トム・クルーズ)演じるNathan Olgren(ネイサン・オルグレン)は、剣術を学ぼうとして真田広之から何度もこてんぱんに叩きのめされます。見兼ねた勝元盛次(渡辺 謙)の息子・信忠が次のように進言します。
信忠: "Forgive me. Too many mind." 助言をお許し下さい。色々気にし過ぎなのです。
オルグレン: "Too many minds?" 気にし過ぎ?
信忠:"Mind sword, mind people watch, mind enemy....No mind." 剣を気にし、見ている人々の目を気にし、対戦相手を気にしています。…何も気にしてはいけないのです。
オルグレン: "No mind..." 何も気にしない…。
冬が去り春が来た時、オルグレンは再び木剣で真田広之と対峙します。一本目を真田広之に取られたオルグレンは信忠の忠告を思い出します。"No mind..." 目を閉じた彼の網膜に真田広之の戦法が鮮やかに浮かびます。目を開いた彼に剣さばきや負けたら恥ずかしい、真田広之に勝とうなどという邪念は消えていました。こうして、彼は対戦相手の動きに反応するだけの無心の境地に達し、剣の名人相手に奇跡的な相打ちを達成して周囲をびっくりさせます。
ボールを打とうとするゴルファーの胸中も"too many minds"でしょう。かっとばして同伴競技者たちをあっと云わせよう、これを寄せてバーディ・チャンスを得よう!、このパットを沈めて今日の賭けに勝とう…等々の邪念・欲念が渦巻いていないでしょうか?
われわれも"no mind..."で、心を占領している様々な思いを解き放ち、純粋に「いいショットをしよう!」と考えるべきです。
(November 15, 2021)
●Chuck Cook(チャック・クック)のバンカー・ショット
やってみると、これが一番理に叶っています。ボールの後ろ何センチなどという、われわれに不可能な技法とはおさらばすべきです。
インストラクターChuck Cook(チャック・クック)は、三人のU.S.オープン優勝者Tom Kite(トム・カイト)、Corey Pavin(コリィ・ペイヴン)、Payne Stewart(ペイン・スチュアート)らのコーチでした。
'Perfectly Balanced Golf' 「スウィングの最底辺で砂を削るためには、ボール位置を左頬と左脇の下の間にすべきだ。 ボールの下を振り抜くためにはボール後方の砂を打つべきなのは明らかだが、私の生徒たちの多くがボールの遥か後ろを打つミスを犯してチョロってしまう。だから、私は(ボール後方ではなく)『ボールそのものを見て、そのボールの下を打ち抜け』と教える。 【編註】右のヴィデオはボールの下にティーを埋め込み、そのティーを弾き出すという練習法です。ボールの下にクラブを打ち込めば、ボールは何の苦もなく飛び出すということを教えてくれます。 悪いライや湿って固いライでは、クラブのフランジ(バウンス)ではなくリーディング・エッジを使うため、ハンド・ファースト(両手がボールの前になる構え)でアドレスする。 |
目玉ではフォロースルーなど考えず、クラブヘッドを砂に打ち込んで潜らせ、その弾みでボールを飛び出させる(この場合、ランが多いので注意)。
砂が非常にソフトでさらさらしていると、クラブは通常より砂にめり込み易いので、ボールの飛行距離が短くなる。それに抗するにはピッチング・ウェッジ、9番アイアン、極端な場合は8番アイアンなどを用い、あたかもサンドウェッジを使っているかのようにクラブフェースをオープンにしてスウィングする。これには練習と自信が必要だが、必ず役に立つ」
(November 15, 2021)
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