November 01, 2021
●Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の ボール位置
'Secret of the Master'
edited by Sidney L. Matthew (Sleeping Bear Press, 1996, $22.00)
「スタンスを取った時の足を基準にしてどこにボールを置くべきかというのは、熟達者たちの間でも合意に達することが難しい問題だ。だが、熟達者と中級者を観察していて一般論として云えることは、あまりにも右足近くにボールを置くべきではないということだ。
フル・ショットでフックもスライスもしないボール位置は、およそ左踵の前方であり、そこから左右どちらにも5〜8センチも外すべきではない。一流のゴルファーでなくても、どのホールでもボール位置は一定にすべきである。しかし、ボール位置が少しずつ右足に忍び寄って来る傾向は誰にも避けられない。それは100人中99人に起る症状で、誰かが指摘してくれるか、失敗続きによる自暴自棄からボール位置を変更するまで続く病気である。
"Stay behind the ball"(身体をボールの後方に留めたよ)という助言がある。これはスウィングの間じゅう、身体をボール後方に留めれば、ボールを正しく打ち抜くことが出来るという意味だ。もし、ダウンスウィングで体重を早期にターゲット方向に移してしまうと、醜悪な引っ掛けフックを得る結果となる。これを防ぐには体重を右足に留めるかもっと後方にするしかないが、それはスライスやトップの病の始まりである。【編註:私は右膝の上でダウンスウィングを行うように努力しています。この方法だとフックやプルを防ぎ、真っ直ぐボールを打ち抜けます】
整理すると、もしボールを右足側に置いた場合は、急激に下降する一撃で打たねばならなくなる。だが、ボールがターゲット方向にあるなら、スウィングのトップで"Stay behind the ball"(身体を後方に留めたまま)の体勢が得られ、スムーズに打ち抜きながら体重移動を達成出来る。
ボールは、クラブで叩き切るようなスウィングを強制するスタンス後方ではなく、振り抜ける位置に置くことを薦める」
(November 01, 2021)
●60センチに精魂を込める
ロングパットは別として、われわれが是非とも沈めたい、そして沈められるチャンス大なのは2メートル以下のパットでしょう。その場合のストローク幅はたったの60センチ前後でしかありません。バックストローク30センチ+インパクトまで30センチ。ところが、われわれは往々にしてその60センチの作業をおろそかにして、大事なパットに失敗します。
結果見たさのルックアップ(=ヘッドアップ)や、緊張のあまり上の空でボールも見ずにパット。機械的動作の遂行にがんじがらめになった、ぎくしゃくしたストローク。これらのミスはたった60センチの業務遂行に集中していない結果です。結果やストローク手順など他のことに集中していて、パターのスウィートスポットでボールをしっかり打とうという気持ちが消え失せているのです。これは私自分のミスから導き出した結論です。
私は《60センチの作業に精魂を込める》という心構えでパットしたいと思います。「集中する」というレヴェルでなく「精魂を込める」という気持ちになりたい。これはスウィートスポットで、精密に真っ直ぐ打ち抜くために必死の努力をするという姿勢です。パットの距離全体について精密作業を行うなどということは到底不可能ですが、目の前のたった60センチのパターヘッドの往復だったら可能です。
読みが悪ければいくら60センチに精魂を込めても無駄です。しかし、読みが良くてもストロークが悪ければボールはやはりカップに沈みません。そういうミスを防げれば、1ラウンドで2〜4ストロークは節約出来るでしょう。それがイーグル・チャンスやバーディ・チャンスであれば、更にストローク数が減ることになります。
400メートルリレー走を考えてみましょう。あなたの使命は400メートル全体を走ることではない【=パット全体の距離ではない】。その一部の100メートルを全力で走り、次走者に正確にバトンを渡すことだけが使命である。【=60センチの作業を精確に遂行することだけが自己責任である】あなたは400メートル走全体の出来映えには関与したくとも出来ないので、勝ち負け【=パットの成功/不成功】を心配しても意味がない。自分の責任を完璧に果たすことだけが求められている。つまり、全体を考えるのではなく、その一部【=60センチの作業】の完全遂行に精魂を込める…ということです。
目の前の60センチの作業が正しく行われれば、心配しなくてもいい結果が生じるものです。"One step at a time."(一歩ずつ前進)の、その一歩が目の前の60センチだと思うようにするのです。
(November 01, 2021)
●COVID-19のゴルフへの影響
私の場合、影響は20ヤードです。私は昨年の10月頃まで、毎週火曜と木曜の二回ジムに通って、主に上腕三頭筋と下半身の鍛錬を行って来ました。しかし、マスクをしていてもジムという閉鎖された空間での感染を恐れてジム通いをやめました。
私はでかくごつい体格のアメリカ人に較べれば短身痩躯のアジア人ですが、グループ内のアメリカのシニアの多くよりも飛ばすということで"sneaky long"(隠れた強打者)と呼ばれていました。ジム通いを絶って一年。もうその綽名は返上しなければならなくなりました。全然飛ばないのです。
私は各ホールをプレイした過去の実績に基づき、ヤーデージ毎のクラブ選択を記した自家製ヤーデージ・ブックを作って携帯しているのですが、それを頼りに打つと常にショートするようになってしまいました。一年間筋肉の鍛錬を怠った報いが露わになったのです。最近のラウンドでの試行錯誤の結果、長いクラブによる寄せは約20ヤード余計に打たないと乗らないという結論に達しています。逆に云えば、COVID-19の影響でジム通いをやめた結果、私は20ヤードを失ったのですorz。大袈裟に云えば、全てのパー4がパー5になってしまった感じ。
ジム通いなんてのは一種の習慣ですから、一旦中断すると億劫でなかなか再開出来るものではありません。仕方なく、家で椅子の上で身体を上げ下げする運動を始めましたが、さしたる効果は現われませんでした。
右のダンベルを用いて上腕を鍛える運動(http://www2.netdoor.com/~takano/golf/tips_13.html#hands)に切り替えました。この運動に5ポンド(2.3Kg)のダンベルでは軽過ぎ、10ポンド(4.5Kg)は重過ぎました。10ポンドだと(特に⑥番の運動で)肩を痛めそうな気配があったので、新たに8ポンド(3.8Kg)のダンベルを購入して鍛錬することに…。
それぞれ10回ずつで始め、15回、20回…と(無理のない範囲で)増やして行こうと思っています。これを一日数回行い、次の日は筋肉組織が次なるトレーニングに備えて安定する機会を与えるため、完全に休養します。
(November 01, 2021)
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