May 10, 2021
●Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の “勇敢な臆病者”であれ
'Secret of the Master'
edited by Sidney L. Matthew (Sleeping Bear Press, 1996, $22.00)
「ゴルフについて考え、難しい局面を恐れれば恐れるほど、どんな観点から考えても“忍耐”が最も推奨されるべき美点に思える。われわれはそれを次のような別の言葉で呼んだりする…懸命に努力した決断の成功、極度の集中心、勇気、ピンチの状況を支える度胸…など。しかし、われわれが常に評価するのは、彼が好機到来まで落ち着いて待つ慎重な人であって、そういう人は結果的にわれわれが敬服する他の特質も備えていると判断出来る。
五回の全英オープン優勝者J.H. Taylor(J.H. テイラー、1871〜1963)は、「私の知る全ての偉大なゴルファーは"courageous timidity"(勇気ある小心さ)を持っていた」と云った。これは初心者であれ熟達者であれ、ゴルフの機械的動作を遂行する能力を発揮するために必要とする資質を表す愉快な言葉だ。勇気とは不運や失望に真っ向から立ち向かうことであり、臆病な心とは一打一打の危険を認識し、成功が望み薄な博奕に出ようとする欲望を抑えることである。これはプロもアマもなく、ゴルフする者全てに当てはめられるべき至言である。
ゴルフは機械的精度のゲームではない。最も正確なプレイヤーでさえある程度のミスの許容度を設けなくてはならない。その許容度がどの程度かは、もちろんプレイヤーの技倆次第である。ある人にはリスキーでも、ある人には慎重な選択かも知れない。
だから誰しも自分の能力の限界を知り、実際の能力を超えるような馬鹿げた自信によって焦った行動をしてはならない。ゴルフは謙虚であるべきゲームと云われるのだが、多くの人々が自分の弱点に気づかないか、大胆過ぎるプレイをするのに驚かされる。
私はじっと我慢して好機を待つ態度を賞賛する。ストローク・プレイであれマッチ・プレイであれ、私は慎重にプレイするのが一番であることを発見した。言葉を替えれば、私はドッグレッグを曲がり角の近くに打とうとか、ガードバンカーに守られたピンにストレートに打とうなどとしたことはない。私は常に許容範囲の広い実行しやすい作戦を好み、二打目が長くなろうとも障害物を避けた。ピン近くに寄せたいとは思ったが、欲張らずグリーンに乗せることが重要であることを忘れないようにした。長いパットを過度に勇敢に捩じ込もうとしたことはなかったが、私はピン傍に打つべく努め、3パットの危険を減らしてバーディ・チャンスを待った。
この“待つ”という態度を持ち続けるのが難しいのは、スタートで躓いた時だ。人は最初の数ホールでの失敗をすぐにでも取り返そうと焦る。自分には所詮出来ない奇跡を起こしてイーグルやバーディを得ようと馬鹿なことを試みる。彼らのある者は失敗し、最悪の事態を招いて破れかぶれとなって玉砕してしまう。われわれはそういう例を絶え間なく目にして来た。
三ホール続けて失敗したからといって、次の三ホールで成功するとは限らない。どちらかと云えば、失敗の連続という流れをせき止め、平常心で安定したプレイを続け、そこかしこのホールで好機が訪れ挽回出来るまで隠忍自重すべきである。お粗末なスタートは意気沮喪させられるものなのだが、最初の方での余分な打数は、最後の方でのミスより悪いものではない」
【おことわり】画像はhttps://render.fineartamerica.com/にリンクして表示させて頂いています。
(May 10, 2021)
●「置き去り」練習法
トップでクラブと両手を置き去りにし、右膝の方に寄っていた左膝をターゲット方向に逆転させると、手首の角度が保たれているせいで方向性が格段に良くなります。レイト・アンコックが加われば飛距離増もあり得ます。
ジムでは、私は写真のように抵抗のあるワイヤーを引っ張る器具を用いて、左膝を逆転させてから両手を引っ張る運動をしていました。しかし、ジムへ行かなくてもこの運動は出来ます。
1) 右手にやや重めのダンベルを持って、トップの位置まで上げる。
2) ダンベルを上げたまま、左膝を逆転させる。
3) ダンベルをインパクト位置まで下ろす。【コックを長く保ち、右手の甲は地面を向いていること】
これによって「置き去り」の練習と右手・腕の鍛錬が一緒に出来ます。ダンベルを用いて左腕の鍛錬をするには、インパクト位置からフォロースルーまで上げるのがいいでしょう。
ついでですが、「置き去り」スウィングを志向する場合、手首を柔らかくすることが大事です。固い手首だとフェースがオープンのままインパクトを迎え、プッシュする恐れがあります。
(May 10, 2021)
●筋肉の鍛錬
Covid-19ワクチンを二回接種し終えたものの、まだジムに行くのが恐い。閉鎖的な空間ですし、マスクをしていない人が多いらしいので…。ゴルフに必要な上腕三頭筋を鍛えるには手・腕を伸ばす運動が不可欠です。で、家で出来る運動をしています。
図のように椅子の上で肘を伸ばして身体を持ち上げる運動は、正真正銘上腕三頭筋を鍛えてくれます。ジムにある器具は身体は静止させたままレヴァーを腕で押し下げるのですが、結果としてこの椅子を使う運動と同じ原理です。ジムに行かなくていいだけ好都合というもの。最低15回、出来れば20回を1セットとするといいと思います。
『生体力学的鍛錬ヴィデオ』の著者(学者、インストラクター)によれば連日鍛錬するのではなく、中一日置いて筋肉の組織細胞を安定させ、次の鍛錬に備えるのがいいそうです。
「自宅で出来るトレーニング」(tips_190.html)で、道具無しの方法を色々紹介しています。スクァットやウォール・スィットで下半身を鍛えるとロング・ドライヴの土台を構築出来ます。シニアになるとバランスが悪くなり、転倒の危険が増します。これを防ぐ「バランス・テスト」(同上)もお勧めです。
ゴルフ仲間の一人で私と同年齢の飛ばし屋が面白いことを云いました。「エイジはわれわれの中でトップ・クラスの飛ばし屋だ」と。「冗談でしょ!」と私。大体において彼の方が飛ぶからです。彼は「聞けよ。おれは体重あたりのヤーデージを云ってるんだ」と続けました。
私はここ数年110ポンド(約50kg)で一定しており、彼の体重は240ポンド(約108kg)です。私の倍以上体重があるわけです。仮に彼が200ヤード飛ばすとして彼の体重で割ってみると0.83ヤード、私が180ヤード飛ばすとして私の体重で割ると1.6ヤードですから、体重あたりでは私の方が彼の倍飛んでいることになります^^。しかも、実際にホールによっては彼より私の方が飛ぶこともあるのですから面白い。鍛錬の甲斐はあるようです。
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(May 10, 2021)
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